その男が天に向かい右腕を突き上げるだけで、数千、数万の人間が、同じように右腕を突き上げた。彼を応援していた人間はもちろん、対戦相手を応援していた人間までが、その動作を真似てしまったのだ。ジャンボ鶴田である。
ジャンボ鶴田……。怪物と呼ばれ、タイトルも総なめにしたが、ファンは彼にいつもどこかもどかしさを感じていた。「本気を出したらこんなものではない」と。そんなジャンボの恐ろしさの片鱗が見えるのが、必殺技・バックドロップある。そこで今回は、ジャンボ鶴田のバックドロップ43連発をご紹介したい。
・YouTubeユーザー「nonbe1234」氏が制作
まず動画の作者をご紹介しよう。YouTubeユーザー「nonbe1234」氏だ。彼のプロレス関係の動画はこの一本のみで、それがむしろジャンボ鶴田及びに、バックドロップへの深い思い入れを伺わせる。
・対戦相手により角度を変えている
「ヘソで投げる」と言われたジャンボ鶴田のバックドロップは、一発一発が説得力十分だが、対戦相手の力量により、投げ方を変えている点にも注目していただきたい。相手が強敵であればあるほど、バックドロップの角度が鋭角になっていくのだ。
・「鬼か! 魔物か! 怪物か!!」
特に受け身の達人と称された、三沢光春へのバックドロップは、「本気のジャンボ鶴田」を感じさせるには十分の迫力であった。動画ラスト3発のバックドロップは、実況アナウンサーの若林氏が、「鬼か! 魔物か! 怪物か! ジャンボ鶴田!!」と発したことでも有名な試合である。
・いまだ根強い「ジャンボ最強説」
残念ながら、ジャンボ鶴田は2000年に49歳の若さでこの世を去ってしまったが、いまだにプロレスファンの間では、「ジャンボ鶴田最強説」が根強くある。ジャンボは本当に強かった。それに異議を挟むのは野暮というものだ。「nonbe1234」氏と、天国のジャンボ鶴田に、感謝の意を捧げたい。
▼ジャンボ鶴田 バックドロップ43連発