「カリスマ美容師」という言葉があるように、日本には素晴らしい技術を持つ美容師さんがいる。ただ、何をもって「素晴らしい」とするのかは、人によりけりだ。技術以外にも「仕事が早い」「オススメしてくれる髪型が安心」「よく話を聞いてくれる」など重視している点は、人それぞれだろう。
そんな中から、ここではハゲ男性の視点から「この美容師さん、素敵やん」と感じるポイントを紹介したい。なお、これらはいずれも、個人的な体験の中から、独断と偏見でチョイスしたものである
1. 「薄くなった」と気づいているはずなのに、絶対に触れない
毎回同じ美容師さんにお世話になっていると、その人は確実に薄くなっていることに気づいているはずだ。しかし、ハゲからの信頼を勝ち得る美容師さんは、その点に絶対に触れない。
たとえ自分から「薄くなったんですよ〜」と言っても、全否定してくれる。「気を使ってくれているんだろうな」と分かっていても、その優しさはうれしいものである。
2. 「いつもみたいな感じで」と伝えても表情を変えない
髪の毛を切りにいくと、誰しもが「今日はどうされます?」と聞かれるはず。相手が馴染みの美容師さんだと「いつも通りで」と伝える人は少なくないだろう。
だがハゲ男性にとって、そう言うのは少しの勇気が必要だ。なぜなら、髪の毛の抜けるペースが早いために、厳密には「いつも通り」が不可能だからである。そんな気持ちを汲むかのように、美容師さんが「わかりました〜」と快諾してくれると「自分はそんなに薄くなってない!?」という気持ちになる。
3. ヘアーカタログ雑誌を前に置かない
髪を切っている時やその前には、ヘアーカタログが掲載されている雑誌を前に置かれることは多い。しかしハゲにとって、出来もしない髪型が並んでいるそれらの雑誌は、見ても不快になるだけだ。
そんな気持ちを知って知らずか、ヘアーカタログなどが一切載っていない雑誌を持ってきてくれると、心がホッとする。
4. シャンプー台から近い椅子を選んでくれる
頭皮が透けた姿があらわになるシャンプーほど、ハゲを苦しめるものはない。そして「その姿を他の客にも見られたくない」と思ってしまうもの。
だが、シャンプー台から近い椅子で髪を切ってくれると、その不安は一気に小さくなる。頭皮スケスケ状態で歩かなければならない距離が、最短になるからだ。
5. シャンプーをしながら何気なく頭皮マッサージをしてくれる
ハゲにとって地獄の時間であるシャンプータイムだが、美容師さんが頭皮をこれでもかと優しく洗ってくれていると、それだけで心が休まる。しかも、シャンプーが終わった後に頭皮マッサージをしてくれたら、「この人が担当でよかった〜」と思うものである。
6. シャンプー後は超迅速に髪の毛を乾かしてくれる
シャンプーをした後も重要だ。席につくやいなや、ドライヤーをセット。間髪おかずに髪の毛を乾かしてくれれば、それだけで安心。その動作が素早ければ素早いほど「素敵やん!」である。
7. 「抜け毛が多いんですよ」と言っても大体季節のせい
美容師さんに「抜け毛が多いんですよ〜」と相談しても、「夏は抜ける季節なんですよ」「冬はそういう時期ですから」と季節のせいにしてくれたら、心が落ち着く。よく考えれば、一年中抜ける季節ということになっているが、そんな細かいことはどうだっていい。その心遣いに感動だ。
8. 頭皮の相談にはしっかり乗ってくれる
ハゲていることには絶対に触れないが、頭皮マッサージの方法、効果的なシャンプーの方法などに関しては、丁寧かつしっかり教えてくれれば最高。そのハンパない知識量が垣間見えると「この人頼りになるわ」と思ってしまう。
9. すきバサミを使ってくれる
すきバサミを使ってくれれば、それだけでハゲ男性はテンションMAX だ。その時間が短くたっていい! ただ使ってくれるだけで、「今日は来てよかった」と思ってしまう!!
10. 何も言わなくてもハゲが目立たない髪型に整えてくれる
最後に髪の毛をセットする作業も、もちろん大事。こちらは薄くなっていることを最後まで一切伝えていないのに、美容師さんは極力ハゲが目立たないようにセットしてくれることは多い。そんな時は、「日本のおもてなし精神は世界一だ」と思わずにはいられない。
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.