月が地球に最接近する自然現象「スーパームーン(supermoon)」。つい先週の3月9日、「3月19日、19年ぶりに月が地球に最接近」という記事をお伝えし、その2日後の11日に東北地方太平洋沖地震は起きてしまった。科学者のなかには、この「スーパームーン」が地震や火山活動と直接関係していると考える者もいるだけに、多くの議論を巻き起こした。

しかし一方、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、今回の日本の大地震とスーパームーンは関連していないという立場をとっている。

NASAの天文学者デイブ・ウィリアムズ氏は、「大地震が起こったとき、実際の月の位置は、地球に近いどころか、むしろかなり離れた軌道上にあった」とABCニュースに語った。

「月の重力と潮の動きに関して言えば、3月11日は地球上、ごく普通の日でした。地球自身が、スーパームーンが近づいていることを知ってでもいない限り、2つの事柄に科学的なつながりがあるとは思えません」とのこと。

米地質学調査所の地球物理学者ジョン・ベリーニさんも、スーパームーンと自然災害が関係しているという証拠は何もないと述べている。「この件に関しては、数多くの研究がなされてきましたが、これまでのところ、何一つ重大な事実は見つかっていません」。

3月11日の大地震のわずか8日後に次のスーパームーンが起こるとされるため、あまりのタイミングに、その因果関係を疑う人も数多い。偶然か必然か。その答えが科学的に証明されるにはまだ時間がかかりそうだ。

参照元:metro(英文)