8月31日の10時半ごろに、今月2度目の満月の瞬間がやってくる。見ごろは30日の深夜から31日の未明にかけて。

1度目の満月は2日のスタージョンムーンだったが、今回の満月は何なのか……? 「スーパームーン」でありながら「ブルームーン」でもある。いわば「スーパーブルームーン」か「ブルースーパームーン」!

なんだその厨二じみた二つ名は。フザけてんのか? 否、どちらも科学的なものではないが、それなりに歴史があり定着している呼称だ。詳しく解説するぞ!

・スーパームーン

まずは「スーパームーン」から。こちらは地球と月の距離が近くなった時の満月に用いられるワード。「近くなった時」が具体的に何キロメートルなのかという定義は存在しない

「最も近くなった時」だけでなく、「それなりに近くなった時」にも「スーパームーン」という呼称が用いられる時があるなどし、メディアによっては年に数回「スーパームーン」速報を出したりする。

ナショナルジオグラフィックによると、名付け親はアメリカの占星術師 Richard Nolleさん。1979年に作られた造語だそうで、「スーパームーン」によって災いがもたらされると予言したそう。

彼の予言に根拠は無く、占星術が日の目を見ることも無かった。しかし彼が考案した「スーパームーン」という名前は今や世界中で使われるワードとなった。

今回の満月は、1年で最も地球から近い満月だ。国立天文台によると、31日の午前10時36分に満月になり、その際の地球との距離は約35万7300キロメートルだそう。

ちなみに月が近地点(月と地球との距離が最も近くなる点)を通過するのは、31日の0時54分とのこと。すでにほぼ満月の状態なので、観測するならこの瞬間だろう。


・ブルームーン

続いてはブルームーン。NASAによると、現在の「ブルームーン」の定義は1946年にSky&Telescope誌が発表したもので、1ヵ月で2度目の満月に用いられるとされている。

しかし「ブルームーン」というワード自体はもっと古いという。1500年代まで遡ることができるらしく、同じ季節で3番目の満月のことだったそうだ。

どの時代の「ブルームーン」にも共通しているのは、全く青くないということ。色とは関係ない。

恐らくここ数日で、世界中の多くのメディアが「ブルームーン」を報じており、その多くが青い月の画像をアイキャッチに用いていることだろう。この記事のように

だがそれは、その方が読者の気をひいてPVを伸ばしやすいだろうという、浅はかで現金な考えに基づくもの

実行している私が言うんだから間違いない。はー、みんな青い月に釣られて記事をクリックしまくってくれねぇかなァ……! 皆さんは青い月に惑わされないよう気をつけよう。


・だいたい見えそう

最後は気になる天気をチェックしておこう。気象庁によると、30日の天気予報はこんな感じ。


ほとんどのエリアが悪くても曇りどまり。満月なので、雨でなければだいたい見られるとは思う。ほぼ全国的にワンチャンあると言っていいのではなかろうか。

ごくわずかな雨のエリアの方は残念でした。ですがご安心を。2037年に再び「ブルームーン」で「スーパームーン」な満月の夜がやってくるそうなので、14年待ってください。

参考リンク:国立天文台気象庁NASAナショナルジオグラフィック
執筆&写真:江川資具
ScreenShot:気象庁