冬季オリンピックで2大会連続の金メダルを獲り、24歳にして800万ドル(約6億7千万円)を稼ぐスノーボード界の若きカリスマ、ショーン・ホワイトが12月8日緊急来日した。バンクーバー・オリンピック以来、初の日本でのファンイベントとあって、会場となった原宿の「バートンスノーボード」には、彼を一目見ようと多数のファンが詰めかけ、場内は興奮と熱気に包まれていた。

2010年2月のバンクーバー・オリンピックで、ショーンが金メダルを獲得したことを鮮明に覚えている人も多いだろう。彼は決勝のファーストランで「ダブルコーク1080(後方宙返りを2回転と同時に横方向に3回転)」を決め、2大会連続の金を確定。それにも関わらず、セカンドランでさらに高度な技「ダブルマックツイスト1260(縦に2回転する間に横に3回転半)」を繰り出し、世界の度肝を抜いたのだ。この技は彼以外に不可能と言われているほど、難易度の高い技だ。他の追随を許さない彼は、「赤毛のアニマル」、「フライング・トマト」などの愛称で親しまれているが、もはや「スノボ界のキング」といっても過言ではないだろう。

その彼がこの日、原宿のバートン東京ストアに姿を現した。突然の来日だったものの、情報を聞きつけたファンが大勢詰めかけ、会場となったストア内はイベント開始前から超満員に。ショーンのドキュメンタリーDVD「Project X 2 DVD SET -Shaun White Story-」の上映の後に、ファンの前に現れたのだ。

大の親日家として知られる彼は、31回目の日本訪問となる。大好きな日本を訪れることができ、彼は終始ご機嫌の様子。イベントではトークセッションと抽選会が行われ、バートン東京ストアから来場者へ少し早いクリスマスプレゼントが用意されていた。さらに、写真撮影の時間も設けられており、彼は快くサインや握手に応じていた。

イベント終了後に感想を尋ねると、「すごく楽しかった。イベントは急遽決まったものだったけれど、(日本に来ることができて)とてもうれしい。バートンも大好きだし、日本のファンも大好き。日本のファンは盛り上がってくれる。(世界で)ナンバー1だ」と、ファンの反応のご満悦。そして、「いつも応援してくれてありがとう。(プロとしてキャリアを開始した)12歳の頃から、ずっと応援してくれることにすごく感謝している。今度は、山の上(ゲレンデ)で会いましょう」と、冗談まじりに日本のファンに向けたメッセージを語ってくれた。

ちなみに「今までもらったクリスマスプレゼントでもっとも嬉しかったものは?」と尋ねると、「スノーボード」だという。家族とゲレンデに行く機会をもたらし、自らの一生を方向付けてくれたスノーボードこそが、彼にとっての最高のプレゼントとのことだ。王者と崇められながらも、おごることのない純粋な彼らしい回答ではないだろうか。彼の無垢なまなざしからは、底知れぬ可能性が漂っているようであった。
(文・写真=佐藤英典)

▼ ファンに笑顔で手を振るショーン・ホワイト

▼ 終始ご機嫌の様子

▼ ファンとの2ショット撮影にも笑顔で応える

▼ イベント後のインタビューに応えるショーン