3D映画が大ヒットとなり、3D収録のコンサートも劇場公開され、家庭用の3Dテレビも続々発売されるなど、いよいよ3D時代へのフェーズシフトが加速している。そうした背景を踏まえ、ビーエス朝日とパナソニックの2社が新たな展開を開始した。

ビーエス朝日(BS朝日)とパナソニックは2010年10月1日、パナソニックセンター東京ホールにおいて報道関係者向けに、3D新番組発表会を開催した。両社はより一層身近に高品位な3Dコンテンツを広く楽しめるよう、音楽レギュラー番組として日本初となる3D放送番組『Panasonic 3D MUSIC STUDIO』を制作し、11月1日より放送を放送する。

番組は最新ヒットチャートで上位を占める楽曲を紹介する情報番組ではなく、平日の23時台に40代以上の世代にじっくりと音楽を楽しんでもらう番組を目指し、実力派のアーティストが3Dならではの演出とともに、『家庭のリビングルームに毎日プライベートコンサートを届ける大人のための音楽番組』をコンセプトに、制作をしていくという。アーティストの圧倒的な存在感、スタジオの奥行きや空気感、3Dを活かした迫力ある演出などをそのまま体感できるというのだ。

発表会には、番組に登場するアーティストを代表して、ミュージシャンの稲垣潤一さんが駆けつけた。稲垣さんは開口一番、「まずはビックリした。驚いたのは立体感で、スケール感が出るので、音までが立体に思えるくらいの存在感がある。」と、3D番組に出演した感想を語った。

引き続き稲垣さんは、「雪のような演出が手で触れられるくらいのリアリティが出ているんですね。3Dになることで、いろいろな可能性があるんじゃないですかね。ライブの映像とか、ミュージッククリップとかが今後3Dでかなり変わるのではないかと思いますね。今までの2Dとはまったく違うコンセプトで作らなければいけないし、可能性というのはたくさんあるんではないですか。」と、3D番組だけでなく、ライブやミュージッククリップの映像も3D映像になる可能性を示唆した。

『Panasonic 3D MUSIC STUDIO』は、音楽業界、放送業界からも注目される新しい歴史を刻む番組になるものと考えられている。3D元年と言われる今年、同番組はアーティストの力を借りて、3D市場を牽引することができるだろうか。

Photo by Rocket News24 Staff / 本誌記者撮影