1億4960万キロメートル……これは地球から太陽までの距離である。このように、想像もつかないような壮大なスケール感が当たり前の宇宙。これだけ広いのだから、未知の生物がいてもおかしくはない。私(中澤)は新しい惑星の発見などのニュースを見るとワクワクする。
2016年8月25日、イギリスの研究チームが「わずか4光年先に地球に似た惑星を発見した」というニュースが話題だ。おおスゲー! 4光年は確かに宇宙規模で見たら近い。ツイッターでも「すっげー近い!」「移住できる」「実際に行くとしたらやっぱり10年はかかるんかな?」などの声が上がっている。
……って、え? 4光年ってそんなレベルで近いの!? ちょっと距離感が分からなくなってきたので、国立天文台に「4光年って近いのか」聞いてみた。
・国立天文台の人に聞いてみよう
──地球からわずか4光年の恒星「プロキシマ・ケンタウリ」の周囲の惑星が地球と似てることで話題ですが、これは近いと言ってもいいのでしょうか?
国立天文台「近いですね。太陽系の外だと最も近いです」
──なるほどなるほど。ちなみに4光年って距離にするとどれくらいなんですか?
国立天文台「ちゃんと計算したことがないので、具体的な数値は今すぐパッとはわからないんですが、光が1年かかって進む距離が1光年なので、キロで表すとそれこそ天文学的な数字になります。
光は1秒で30万キロ進みますので、それに60をかけて1分、さらに60をかけて1時間、24をかけて1日という風に計算するしかないですね……。ちなみに、月から地球が1.3秒で、太陽から地球が500秒ほどの距離です」
──遠っ! 食料や燃料の問題を無視して、今の最新技術でその惑星に行くとしたらどれくらいの時間がかかるんでしょうか?
国立天文台「う~ん……40年くらいですかね……とてもじゃないけど届かないです」
──この惑星に移住することはできますか?
国立天文台「今の状況だと可能性はないですね。仮に、光速に近いロケットがあっても、超えなければならない弊害が多すぎます。リアルに移住を考えるなら、一家とかが移住して、何世代にもわたって環境を作るということになるのでしょうが……食料や燃料などのことを考えただけでも夢のまた夢です」
──以上である。普通に考えるとヤヴァイくらい遠いということが分かった。しかし、届かないからこそ人は宇宙に憧れる。宇宙について思いを馳せるのはやはり楽しい。対応してくれた国立天文台の人も、なんだか楽しそうだったことを追記しておきたい。
参照元:NHK、国立天文台
執筆:中澤星児
Photo:Wikimedia Commons
▼宇宙規模で考えると近いが、行くのは夢のまた夢