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日本に古くから伝わる祭りの中で、最も外国人に人気のある祭りの1つが、毎年神奈川県川崎市で行われる『かなまら祭り』である。その名前を知らなくても、「巨大な男根をかたどった御神輿(おみこし)が街を練り歩く祭り」と言えば、ピンと来る人は多いだろう。

今年2015年も、4月5日に川崎市の若宮八幡宮で行われ、多くの見物客が詰めかけた。その時の様子を、写真とともにレポートしたい。

・会場周辺は大混雑

今年のお祭り当日の天気は、生憎の雨。そのため、会場に到着する前は「今年は人が少ないかも」と思っていたのだが、それは全くもって要らぬ心配であった。会場周辺は、見渡す限り、人、人、人! 若宮八幡宮に入るための行列が長く伸びている上に、御神輿の姿を是非ひと目見ようと、多くの人が沿道に陣取っていた。

そんな見物人が最も熱狂したのは、やはり御神輿が側を通過するときだろう。「御神輿が近づいて来てます〜」とのアナウンスが流れると、その姿を収めるために多くの人が身を乗り出し、スマホをかざす。「下がって下さい!」と何度もアナウンスが流されるものの、人々がどんどん神輿の方に……。まさに押し合いへし合い。……ハンパない混雑っぷりであった。

・三体の御神輿

ところで、『かなまら祭り』で街中を巡行する御神輿は全部で三体ある。ピンク色の一番大きいものが通称「エリザベス神輿」。黒光りする鉄製の「かなまら舟神輿」、最も古くから担がれてきたという木製の「かなまら大神輿」である。

中でもひと際目を引いていたのが、ピンク色の「エリザベス神輿」だ。これがまた、とにかくデカい! しかも、先述の通り雨が降っていたため、神輿が濡れているのだ。濡れた巨大な男根が上下に揺れる──それは、どこか荘厳さを感じる光景であった。

・唯一無二の掛け声

その上、かけ声のパンチ力が尋常ではない。「エリザベス神輿」が私(筆者)の側を通過するとき、担ぎ手の人たちが発していた掛け声はこんな感じだ。

「でっかいマ〜ラ〜、でっかいマ〜ラ〜、でっかいマ〜ラ〜、でっかいマ〜ラ〜」

……なんという掛け声だろうか。日本にいくつ祭りがあるのか知らないが、こんな声を響かせながら担がれる御神輿はそうないに違いない。

・境内の露天も男根一色

この御神輿だけでお腹いっぱいだが、境内の露天で販売されているグッズもインパクト十分。キャンディーに、Tシャツ、ボールペンなどは、全てありがたい御神輿仕様、すなわち男根型である。

あまりに男根グッズであふれていたために、筆者は途中で何のイベントなのかよく分からなくなってきたのだが、この混沌っぷりこそが、『かなまら祭り』の魅力と言えるかもしれない。

とにかく、御神輿といい、境内で売られているグッズといい、全体的な雰囲気といい、日本の他のお祭りと全く違う。その分、会場へ行けば、間違いなく一生忘れられない体験となるだろう。今まで足を運んだことがない人は、来年チャレンジしてみてはいかがだろうか。

Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
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▼若宮八幡宮へ入るための列がどこまでも続く
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▼境内は多くの人で大混雑
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▼黒い鉄製の「かなまら舟神輿」だ
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▼「エリザベス神輿」が来た!
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▼「でっかいマ〜ラ〜、でっかいマ〜ラ〜、でっかいマ〜ラ〜」
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▼雨のため、濡れていたエリザベス神輿
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▼ひときわ荘厳な「かなまら大神輿」
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▼境内の露天も男根一色だ
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▼盛り上がっている人々に撮影をお願いすると、快く応じてくれた
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▼彼の頭に注目!
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▼ご協力いただき、ありがとうございました!
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