東京は府中市にある日本最大の刑務所、東京府中刑務所。2015年11月3日、ここで文化祭が開催された。……刑務所で文化祭だと!? そう、繰り返すが、け・い・む・し・ょで、文化祭である。

それだけ聞くと、受刑者の間だけでひっそりと行われているイベントを想像する人がいるかもしれない。しかし、府中刑務所文化祭は一般向けに開放されており、今回で40回目。毎年多くの人が訪れる人気の文化祭なのだ。おまけに今年は一日刑務所長でMAXも来場! 

刑務所、文化祭、MAXの3つはイメージが全く結びつかないが、なんとなくテンションが高そうだ。すごく気になる……。というわけで実際に行ってみたのでレポートしよう。

・とにかく混む

「第40回府中刑務所文化祭」は、大まかに2つのエリアに分かれている。1つは、『プリズンアドベンチャーツアー』といって、刑務所の中を実際に歩けるイベントが行われるところ。もう1つは、模擬店などが並ぶ、より文化祭っぽいエリアだ。そしてどちらのエリアにも共通しているのは、メチャクチャに混むこと。

・受付開始前からすでに行列

私(筆者)は、受付開始となる午前9時半頃に府中刑務所に到着。どっちに行くべきか悩んだのだが、結局 受刑者が使用している浴室や工場などを見学できる『プリズンアドベンチャーツアー』を目指した。ちなみに、こちらでは入場前にカメラ・スマホなどはビニール袋に入れてパッキングされ、撮影は全て禁止! マ、マジか……。

・目的の弁当はすでに売り切れ

そのプリズンアドベンチャーツアーが終わると、私はすぐに文化祭っぽいエリアに移動。目的は、『網走監獄和牛すきや重(1000円)』や麦飯を使ったプリズン弁当だ。しかし……! なんとすでに完売!! ギャーーーッ、アドベンチャーツアーが終わってすぐ来たのに……。

と、思っていたら、会場の警備にあたっていた刑務官の方が、「同じようなコンセプトの弁当ならまだあると思いますよ」と、広場で売られていた『麦飯弁当』の存在を教えてくれた。

・全く臭くなかった麦飯弁当

その店に行ってみたところ……あった! さっそく購入して開ければ、麦飯にチリソースがかかった唐揚げ、漬物というシンプルなお弁当。ひと口食べてみると……普通においしい。品数は少ないものの、500円という価格を考えると妥当な印象だ。

・団地の模擬店のような雰囲気

またこのエリアでは、それほど広くないスペースに、多くの模擬店が出店している。ザックリと言うと、団地のお祭りのような雰囲気だ。

ただし、団地のお祭りと明らかに違うのは、とにかく人が多くてすぐに人気商品が売り切れること。そして、受刑者によって制作された衣類・家具等が至るところで販売されており、そこはかとなく、刑務所の香りが漂っていることだ。いや、「そこはかとなく」となくというより、「濃厚に」と言った方が正しいだろう。

・家族連れでも全く問題なし

とはいえ、上のように団地のお祭りと比べると違いがあるものの、この「府中刑務所文化祭」は、決してマニアだけが訪れるイベントでもなければ、アングラなものでもない。また、怖さを感じさせるものでは全くなかった。

むしろ、家族連れでも問題なく楽しめる雰囲気が漂っている。「刑務所の文化祭なんて、ちょっと怖いかも」と思っている人は心配ご無用だ。が、何度も言うようにメチャクチャ混むから、来年 行ってみようと考えている人は、なるべく早く会場へ行った方がいいぞ。

Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

▼こちらが『プリズンアドベンチャーツアー』。受付開始前の段階で、かなりの混みっぷり!


▼この重々しい門から入る。内部は撮影禁止

▼こちらが文化祭っぽいエリア

▼『プリズンアドベンチャーツアー』に比べて、雰囲気はぐっと軽くなる

▼とにかく、人、人、人!

▼なんとかゲットした『麦飯弁当』(500円)

▼チリソースのかかった唐揚げ

▼麦飯

▼受刑者が制作した家具。これ、欲しい……

▼こんな物まで作っているのか……

▼受刑者の居住空間を1/10に縮小した模型。色々と勉強になるな〜


▼府中刑務所だけではなく、他の刑務所の受刑者が制作した商品も展示されている

▼家族連れでも楽しめる雰囲気だから、来年以降でも是非行ってみてくれ!