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ジャンプしたり走り回ったり、色々とアクティブなネコ。人間から見て “無謀な行為” を取りがちなことから、命が9つくらいないと生きていけない……ということで、「ネコは9つの命を持つ」と言われてきた。しかし性別となると、大抵は1つ。オスかメスだ。

そうは言っても世の中は広く、2つの性を持つネコも存在しているのだ。ということで今回は、オス・メス両方の性器を有する「両性具有」のネコをご紹介したい。

・2つの性を持つことが判明したネコのミトンズ

今回ご紹介するニャンコの名前は、ミトンズ。元ノラだが、具合を悪そうにしていたところを、カナダのニューファンドランド島に住むクラーク=マーフィーさんのおウチに拾われたのである。

そして動物病院にて検査を行ったところ……ある事実が判明したのだ。なんと、ミトンズは男性器・女性器の両方を有しているというのである。

・手術によって「オス」になることに

もちろん飼い主さんはビックリしたが、獣医師の説明によると、ミトンズの性別をオス・メスのどちらかにする必要があるとのこと。迷いながらも飼い主は、医師の勧めに従ってミトンズに「オス」になるための手術を受けてもらうことに決めたのだった。

飼い主のクラーク=マーフィーさんは、「専門家が “オスの方がいい” というなら、それに従います。オスだろうが、メスだろうが、どちらもいい面を持ってるので私は構いません」と話している。

・去勢、避妊の両不妊手術が必要

貰い手のない子ネコの繁殖を防ぐために、飼いネコへの不妊手術が行われることが多いが、ミトンズの場合はオス用の去勢・メス用の避妊の両手術を受ける必要がある。その上、整形手術も……、とかなり大掛かりなことになるのだとか。手術費も1500ドル(約18万円)と高額だ。しかし、「ミトンズのためなら喜んで払う」と飼い主は覚悟を決めているという。

しかもミトンズは、両性器を持っていることが原因で泌尿器系の病気にもかかっているので、さらなる治療が残っている。そのためクラーク=マーフィーさんの友人は、Facebook上でオークションを行っては、ミトンズのために寄付を募っているようだ。

・カナダでもノラネコ問題は深刻

ノラとして外で暮らしていたところを保護されたミトンズ。日本でもノラネコ・捨てネコ問題を解決すべく多くの人々が奮闘しているが、カナダも同じ問題に頭を悩ませているとのことだ。

「ネコの不妊手術費が払えないという理由からネコを捨てる人々がたくさんいますが、ネコにとっては大変不幸なことです。飢えと寒さに苦しむノラネコが多いからです」と地域のノラネコのお世話をしているカナダ人女性は話している。

ネコが幸せなら、性別なんて関係ない。しかし、“2つの性を持つネコ” の存在を知っておけば、実際に出会っても無駄に焦らずに、適切な対応を取ることができるだろう。珍しい存在だとされているが、出会う確率はゼロではないようだ。その証拠に、英リバプールにも1匹いるのだとか……。

参照元:CBC NewsLiverpool ECHOFacebook (英語)
執筆:小千谷サチ

▼美形のミトンズだ!