就職のために資格取得を頑張っている学生さんも多いだろう。資格が全てではないが、持っていると安心だ。

だが資格取得に向けて頑張っているのは若者だけではない。85才で初めてパソコンに触れ90才でパソコンスキルの国際資格までゲットしたスーパーおじいちゃんがいるそうだ。

パソコンスキルの国際資格マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト(MOS)に合格したスーパーおじいちゃんは台湾高雄県でバナナ農家を営む柯金吉(か きんきつ)さん(91才)だ。

彼が初めてパソコンに触ったのは85才のときだ。始めたところですでに高齢者の域。しかも柯さんは小学校しか出ておらず、当時は注音符号(日本語のかな表記のようなもの)さえ知らなかったそうだ。文字の入力以前の問題である。

柯さんは「パソコンができるようになって人生が始まったよ!」と語る。きっかけは農業組合がパソコン教室を始めたことだ。組合の若者に「柯さんが行かなきゃ誰が行くんですか」と誘われ思い切って参加してみたそうだ。

最初はコンピュータの電源を入れることさえできなかった。1コマ目の授業では3時間かけてマウスやモニタなどの名称を覚えた。2コマ目では自分の名前を入力できるようになった。

そして組合とは別に地元にスクールが開講すると早速入学。授業は大変だったそうだが、柯さんは授業に集中。板書もマメにとり、わからないことがあればすぐ質問、一歩一歩着実にスキルを身につけていったそうだ。

現在ではネットで天気や小説を見たり株価をチェック。家で暇をもてあましている高齢者も多いが彼は時間が足りないくらいだという。ここまで頑張れたのは生来の不屈の精神だけでなく「若者の見本になりたい」という気持ちが原動力となったとのことだ。

スクール側は柯さんを今年8月にアメリカのラスベガスで行われるMOS世界学生大会へ参加させたいとしている。小学校しか出ていないバナナ農家のおじいちゃんの努力を世界に知らせたいそうだ。

やろうと思って遅いことはない。どんどん新しいことにチャレンジする柯さんの姿は人生のお手本そのものである。

参照元: 聨合報(中国語)