何事も長く継続することは、並々ならぬ努力がいる。しかも一線で活躍するとなると、努力だけでは乗り越えられない壁にぶつかることは避けられない。そう考えると、デビューから28年を経て、デビュー当時を凌ぐ勢いで支持を集めるロックバンド「人間椅子」は、かなり稀有な存在であると言えるだろう。
いまだにロックに対する情熱は潰えることなく、メンバー全員が50代に突入して、ますますその魂に磨きがかかっている。一体何が彼らを突き動かすのか? その答えが、2017年2月に発売されたギター・ボーカル和嶋慎治氏の自伝『屈折くん』に隠されている。