曲作りに明け暮れる日々。私(佐藤)は楽曲制作AI「SUNO」に出会ってから、毎日のように歌詞を書いてそれをアレンジしている。

最近詩の朗読を試したところ、これが思いのほか上手く行ったので、もしかしたら読み上げ的に使うこともできるんじゃないかと考えて、できるだけ楽曲にならない形に仕上がるように思考錯誤した結果、漫才も行けることが判明した

とはいえ、楽曲制作がベースにあるので、どうしてもビートをとってメロディーをのせたがるのだが、それでも急に声を荒げたり、声をひそめたりして抑揚のあるやり取りをできることがわかった。

・Geminiで台本

これを思いついたのは、過去の記事を漫才調にアレンジできたら面白いのでは? と思ったからだ。私と砂子間正貫の意味不明な掛け合いで好評だった、せんべろシリーズ。あれを漫才にできたら良いと考えて、まずは過去記事をGeminiに読み込ませることから始めた。

せんべろシリーズはほとんど私の独壇場で、掛け合いらしい掛け合いはなかったが、それでも対話形式に改良すれば台本になる。そう踏んだが、事はそうカンタンではなかった。

GeminiにURLを渡して台本に書き直させてみたが……。まったく元の記事を参照せずに勝手にオリジナルを書き上げてしまった。あるんだよなあ、Geminiは他のAIに比べていい加減だから、ありもしないことを形にすることが多々ある。

元の記事はデイリーヤマザキでのせんべろだったのに、思い出横丁の養老乃瀧でのせんべろに書き換わっている。

まったく、調子のいいヤツめ……。とはいえ、元の記事も相当まともではないので、形になっただけマシ。これを歌詞として扱い、SUNOに漫才の体裁で読み上げさせるとしよう。



・思った以上に漫才

やることはシンプルだ。佐藤・砂子間のパートをそれぞれ歌詞を書く欄に入力。対話であることを強調するために、楽曲のスタイルを指定する欄に次のように入れる。

「Fast-paced comedy dialogue, Two-person stand-up, No music, Spoken word,Manzai, Japanese comedy rap, Minimal beat」

(テンポの速いコメディの会話、二人組のスタンドアップ、音楽なし、スポークンワード、漫才、日本のコメディラップ、ミニマルなビート)


それで制作させてみたところ、思った以上に対話として成立していた。驚いたのは、合間で鋭くツッコミを入れる場面もちゃんとある。ボケ役の佐藤の言動に対して、ツッコミ役の砂子間が「してへんわ!」と関西弁で声を上げるところは、ここまでできるのか!? と驚かされた。

あいにく、1回目のバージョンでは漢字の読み間違いがあったため、修正しつつ2度、3度とやり直しを重ねていくと、当初は会話で進んでいたはずなのだが、段々対話の一部がラップに変化してくる。

それから会話の終盤になると、段々声が小さくなってしまう。これもやはり楽曲制作AIであることが前提であるため、対話を曲と捉えており、エンディングに向かうにつれて「展開を変化させなければ」という処理が働いて、トーンダウンする性質があるのだとか。

Geminiの助言を借りつつ、プロンプト(AIへの指示)を改良して、ある程度形になった。



いかがだろうか? 途中からリズムにのってしゃべり出すが、これはこれでそういうネタかな? と思わんでもない。惜しいのは、声を聞き分けづらいことだ。途中で、声に特色を持たせる指示を出してみたが、上手く指示通りにならず、似通った声になってしまった。

SUNOには自分の声を登録して、歌わせたりしゃべらせたりできる機能があるので、いずれは私自身の声や編集部メンバーの声を登録して、再び漫才に挑みたいと思う。それにしても、AIの秘めたるポテンシャルは計り知れない……


執筆:佐藤英典
イラスト:Gemini
Screenshot:SUNO