野菜づくりと聞くと「定年後の趣味」とか「時間に余裕がある人がやるもの」というイメージがあるかもしれない。かくいう私もそう思っていた。毎日丁寧に水やりをして、虫や雑草と戦い、収穫できるかどうかで一喜一憂する……そんな世界だと。

だが、知り合いの田んぼで米作りを手伝ったことをキッカケに農業に興味を持ち、有機農業やパーマカルチャーを現場で学び、JA主催の「サポート付き体験農業」や「トレーニングファーム」で出荷まで経験してみて考えが変わった。

結論を先に言ってしまうと、働きながらでも野菜づくりを楽しむことはできる。そこで今回は、初心者にオススメの「育てやすい春夏野菜」を紹介したい!

・働きながら野菜を育てたい

私はこれまで、キュウリ、ゴーヤ、トマト、オクラ、トウモロコシ、ジャガイモ、ネギ、枝豆、ブロッコリー、里芋、キャベツなどを育ててきた。その中でも働きながら……つまり「週末だけの管理でも大丈夫」と感じた野菜がある。


とくにオクラ、ナス、ピーマン、ジャガイモは育てやすい部類に入ると思う。逆に難しかったのはトウモロコシだ。


育てやすいというのは、暑さや病害虫に強く、多少ほったらかしでも勝手に育つってこと。もちろん手間がゼロではないが神経質に管理する必要はない。


ホームセンターで苗や種イモを買って植え付ければ、数カ月で収穫を楽しむことができる。自分で育てた新鮮野菜はやっぱり美味しいし、収穫できた時の満足感は想像以上。


働いているから無理と諦める必要はないし、むしろ体力のある段階で始めた方がいいに決まっている。早いうちに慣れておいた方が作業が楽だし、春夏野菜も秋冬野菜も1年に1度しか練習できない


つまり基本的に「年1サイクル」だから、失敗してもすぐにやり直すことができないのだ。1年かけて「ここはこうすればよかった」と気づいて次の年に活かすことになる。ゆっくりと経験値が積み上がっていくので、スタートは早い方がいいってこと。

というわけで、オススメ野菜の特徴をそれぞれざっくり紹介していくと……


・オクラ

オクラはアフリカ原産の熱帯性野菜だから、暑さに強くて害虫の被害も少ない。真夏に元気な野菜の代表格だ。極端な水切れさえ注意すれば大きな失敗はしにくい。

どの野菜にも言えることだが、注意点は収穫のタイミングで放っておくと巨大化して硬くなることくらい。逆に言えば、こまめに収穫すれば柔らかい実を楽しめる。初心者が成功体験を得るには最適な野菜だと言えるだろう。


・ピーマン

同じく暑さや病害虫に強く、初心者でも失敗が少ないのがピーマン。プランターやベランダでも育てやすく、初心者向きの優等生だと言える。ゴールデンウィーク頃に植えれば、夏から秋まで長く収穫を楽しめるぞ。

これまた野菜全般に言えることだが、わき芽(茎と葉の付け根から生えてくる新しい芽)を摘んで、風通しをよくしておくと病気になりにくい。また、最初についた実(一番果)を早めに収穫すると、その後の生育が安定するだろう。


・ナス

ナスも暑さに比較的強い。こまめに水やりをすれば安定して生育する。植え付け後に「支柱」を立てて枝を固定し、わき芽を摘んで風通しをよくしておけば基本はOK。

夏の終わりに枝を切り戻す「更新剪定(こうしんせんてい)」を行うと、秋ナスも楽しめる。毎年「まだ獲れるのか」と思うくらい、しぶとく実をつける頼もしい存在だ。


・ジャガイモ

ジャガイモは簡単。種イモを植え、芽が出たら「間引き(1つのジャガイモから2〜3本の芽を残す)」をして、茎の周りに土を寄せるのが基本。春植えは3月〜4月中旬くらいまで。作業としては、イモが地表に出て緑化しないように「土寄せ」を行うくらいだ。

種イモはスーパーの食用ではなく、道の駅やホームセンターなどで検査済みのものを選ぶと安心。そして最大の魅力は収穫。土を掘った時にゴロゴロと出てくる感覚は楽しいし、友人や家族みんなで収穫の喜びを分かち合えるのも人気の理由だろう。


・完璧を目指さなくていい

とにかく、最初から完璧を目指さなくていい。種から育てるより、まずは苗を買う。水やりは朝か夕方、できるタイミングでOKだ。細かい作業等は育てながら学んでいくのが1番効率的だし、実際に体験した方が流れを覚えられるだろう。

収穫量が多いと野菜中心の食生活になるし、余った分をお裾分けすると交流も生まれる。忙しい人は “育てやすい春夏野菜” から始めてみてはどうだろうか。


執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.

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