携帯型PCゲーム機って結構流行ってたね。SteamのSteam Deckだったり、AsusのROG Allyだったり。普通のパソコンのほうが断然コスパ良いし使いやすいけど、こういうガジェットって浪漫あふれる感じなんだよねー。

が、やはり高い、手が出せない。どうしたものか……家にNintendo Switchがあるじゃないか!

・リスクがある

前回の記事でNintendo Switchにアンドロイドをインストールして記事を書いたのと同様に、こちらもまた重大なリスクが伴う変態行動

以下で紹介した内容を実際にやると、保証が無効になったり動かなくなったりと、良くないことが起こる可能性がある。

試してみたいよって人はあくまで自己責任で! 本記事はあくまで検証として行ったもので、インストールの手順など細かい部分は紹介しないし、当然ながら推奨しない

ただの変態が変なことをやってはしゃいでるだけだということを心に留めた上で、読み進めていただきたい。


・スペックなど

前回の記事と変わらず、今回も使うのは「Nintendo Switch」の有機ELバージョン。どでかい画面の両方にコントローラーがついてる。まさにポータブルゲーミングPCの形そのもの

改めてスペックをここに記載。


CPU:ARM 4 Cortex-A57
GPU:Nvidia GM20B Maxwell-based
メモリー:4GB


かるーくこんな感じ。注目すべきはSwitchの脳部分にあたるCPUの構造が「ARM」であること。これはスマホなど携帯機器に多いCPUの構造。デスクトップパソコンは「x86-64」という構造を使っていて、そのままの互換性は無い。

そんなSwitchにデスクトップのシステムであるOSをインストールすることは可能なのかという話になるが……実は可能である。ARM系CPU向けに専用のWindowsもあるし、頑張ればインストールは出来る。頑張ればね。

今回使うのはみんな大好き無料OSの「Ubuntu」、それも有志によってSwitch向けに開発された「L4T Ubuntu」を使ってみることに。


・検証開始

てなわけで、Switchをなんやかんや設定しインストールしてみた。オーバークロックとか設定するとファンが常時最大スピードで回るようになる。Switchよ……なんかごめん……頑張ってくれ。

このデスクトップ画面に見覚えのある人はいるのかな? WindowsやMacOSとは違うこの異質な見た目、私は好きだったりして。

Switch付属のジョイコンをちゃんと認識できていて、アナログスティックでカーソルの操作もできる。

仮想キーボードもインストールされているので、本体+ジョイコンだけで操作はできるっちゃできるんだけども、アンドロイドと違ってこっちの仮想キーボードは打ちにくくて使いものにならない……。

ここで良いニュース。Switchを持っている方ならわかると思うが、ドックには2つのUSBポートがありますよね? ここにマウスとキーボードを挿せば……

はい、簡易パソコンの出来上がり。キーボードとマウスを問題なく認識しているし、ドックを外部モニターに繋げば設定なしでそっちの方にも移してくれる。便利やねー。


ちゃんとNintendo Switch(OLED model)と認識されている。カーネルバージョンがものすごく低いのが気になるな。調べてみると2023年でサポート切れのバージョンだ。

まぁ真面目にSwitchをパソコンとして運用する人はないので、問題ないだろ(適当)。

コア数は4個で、オーバークロックすれば最大2.4GHzまで回せる。オーバークロックすると熱がすごくなるためファンは常時最大速度で回してる。ゲーム中でもここまで回転しないので、かなりうるさい。

プリインストールされてるアプリは面白くない、必要最低限なアプリだけ。まぁこれからインストールすればいい。



一応オフィスアプリはインストールされている。Linux版のMicrosoft Officeはないので、代用の無料オフィス「LibreOffice」が入ってる。

こちらに関しては全く言うことはない。ワープロの「Writer」、計算表の「Calc」、プレゼンテーションの「Impress」と追加のアプリが2つあるが、どれも使える。

卒論書くときに一時期お世話になっていたなぁ。パソコン買ってWindows入れてからはMicrosoft Officeしか使わなかったけど。


いつも使っている画像編集ソフト「Gimp」をインストールして使ってみた。使えるっちゃ使えるが、まぁまぁカクつくときもある。

でもカクつくのはメニューを開いてるときだけで、画像の編集に関しては全然スムーズ。ブラーとかも問題なくかけてくれる。


プリインストールされてるブラウザはChromiumだが、私はFirefox派なのでFirefoxをインストール。

こちらも動作になんら問題ないし、なんなら本記事も90%くらいはこのSwitchで書いてる。

YouTube動画はたまーにカクつくが、なんの問題もなく再生する。


動画編集もやってみる。使うアプリは無料動画編集アプリ「Kdenlive」。完全無料なのに機能も豊富で拡張性もそこそこあるからみんなも使おう(布教)。

適当なフリー動画・画像・音源をダウンロードして適当に組み込む。

これがなかなか重たいようで、ファイルの読み込み・編集・エフェクト付け・レンダリングだけで何回もクラッシュした。ブラウザ開いてるとメモリー不足でレンダリングすらできなかった。

開いてるアプリを何個閉じるとレンダリングできて、問題なく再生できた。でも……12秒の動画を編集するだけでこんなに苦戦するとはなー。


面白そうなので「Blender」をインストールして3Dモデルを弄(いじ)ってみる。

購入した3Dモデルがあるのだが、規約でどこまで見せていいのかわからないので念のためブラーをかけさせてもらう。

起動に時間はかかったものの、動作は意外とスムーズ。くるくる回して3Dモデルを眺めても問題なし。苦戦するだろうなと思ってたけど、意外といけそう。

でもこれ以上弄ったらなんかクラッシュしそう。何よりブレンダー自体の使い方忘れちゃったので、くるくる回して満足してそっと閉じた。こいつのせいでFirefoxが2回もクラッシュしたのは内緒。


・ゲーミングは……

普通の作業用アプリを紹介したので、そろそろゲーミング……といきたいところだが、なんとここでバッドニュース。

CPUの構造ゆえ、Steamなどにあるゲームを起動して動かすには色々設定が必要になる。WindowsアプリをLinux上で動作させるアプリ、x86-64アプリをARM上で動作させるアプリ、それらに必要な追加アプリやコンポーネント……もう頭が痛い

実際にできるとのことで4日間かけて試してみたが全然ダメだった。でも、頑張れば不可能ではないらしい。

YouTubeで実際に動かした人の動画を見ると重いタイトルも動かせるようで、10未満のFPSながらもなんと動作させることに成功している。

とある言語で書かれた命令文を複数人の翻訳者を通して実行されるので、効率は悪いしリソースも使う。それをSwitchのような強いとは言えない性能で動かすわけなのでそりゃ遊べないが、動かせるだけでもでかいよね

10FPS未満のゲームプレイを見るためだけに数時間かけて色々調整するのは見合わないので、Steam及びSteamのゲームの実行は断念



・用途を考えてみる

非力さゆえ、残念ながら重いタスクはこなせないので、こいつに見合った使い方を考えてみる

まずはこいつを簡易サーバーとして運用する。持ってる人なら知ってるかもしれないが、ドックにはLANポートがあるのでケーブルを使ってインターネットに繋ぐことができる。

でかい容量のMicroSDカードを使えばクラウドストレージ・メディアサーバー……。

マイクラとかのゲームサーバーとしてもいける。

他は……ううん……。


他の用途も考えてみたが、やはりむずかしい。Linuxを入れた状態で1番輝く使い方はやっぱり簡易サーバーかな。ミニPCよりは安い(かも)だし、ノートパソコンより場所取らないし。

でもサーバーとして運用するためだけにSwitchを買う人がいるかって話。私みたいな変態しかおらへんのよ。

本記事の90%くらいはこのパソコン化したSwitchで書いたが、これがまぁ結構苦痛も苦痛。動作は若干重いし、たまにカクつく。ストレスもストレスよ。

ホントならSteamを動かしてゲームできるんだぜーって自慢記事書きたかったんだけど、それも叶わなかったしなぁ。

というわけで、私が言うのも何だがモノは想定された使い方で使いましょう〜。Sampai Jumpa Lagi!


執筆:アキル
Photo:RocketNews24