
1980年代~90年代にかけての「少年ジャンプ」は、それはそれはすごかった。「北斗の拳」「ドラゴンボール」等々、名だたる作品がジャンプ1冊に詰め込まれていたのは、冷静に考えてちょっとした奇跡であろう。
そんなジャンプ黄金期の一角を支えたのが、宮下あきら先生の『魁!! 男塾』である。この記事では宮下先生ロングインタビューの第2弾「漫画家デビュー編」をお届けしたい。
・再び漫画家を志す
幼い頃は手塚治虫先生、横山光輝先生、そして白土三平先生の漫画に夢中になったという宮下先生。石ノ森章太郎先生の「少年のためのマンガ家入門」を100回以上も読み込み、漫画家としての基礎の基礎を学んだそうだ。
だがしかし、高校時代は音楽にハマり、卒業後はバイトとバンドを掛け持ちする生活へ。果たして宮下先生は、どのような経緯で漫画家としてデビューされたのだろうか?
宮下先生「バンドじゃ食っていけないと思って、本格的に漫画家を目指したのは20代の前半かな? 漫画を出版社に持ち込むようになったんだ。そのうち集英社から「高橋よしひろ先生」のアシスタントをやって勉強してみないかって紹介してもらってね。
高橋先生のところでは2年くらいお世話になった。アシスタントをやってみて初めて “締め切り” がいかに重要かを知ったよ。もう目が回るような忙しさで、住み込みで週6日は働いてたな。
でも高橋先生は本当によくしてくれてね。人柄のいい高橋先生じゃなかったら、俺は2年も務まらなかっただろうな。本当に忙しかったけど、高橋先生は俺たちアシスタントに本当によくしてくれたんだよ」
※ 高橋よしひろ …… 「銀牙 -流れ星 銀-」で知られる巨匠。宮下先生の他にも、原哲夫先生(北斗の拳)も高橋先生の下でアシスタントをされていた。
・アシスタント生活
再び漫画家を志した宮下先生は、縁あって高橋よしひろ先生のアシスタントに。高橋先生の下、およそ2年のアシスタント生活で学んだことは決して小さくなかったようだ。
宮下先生「高橋先生のところでは、背景やベタ、スクリーントーンなんかの技術的なものを学ばせてもらった。ただ1番大きかったのは共同作業の大切さなんじゃないかな。
もちろん自分が独立してすぐに上手くやれるわけじゃないんだけど、あの頃は常時3~4人がいてちょっと大げさに言えば週6で毎日20時間くらいは働いていた。週刊だとそれでようやく1話が完成するんだ。
あの頃はそれが普通だと思ってたし、時間が空いたら高橋先生の野球チームで草野球をしたりしてね。当時は漫画家が草野球チームを持つのが流行ってたんだ。あれだけ忙しかったのに高橋先生はよく飲みにも連れて行ってくれたよ」
漫画家としてのスキルを習得しつつ、共同作業の大切さを学んだという宮下先生。またここでは書ききれないほど、高橋先生への感謝を口にされていた。やがて宮下先生はアシスタントを卒業し、漫画家デビューを果たすことになる。
宮下先生「それだけ締め切りに追われてたから “原稿を落としたら大変なことになる”ってことは叩き込まれたね。だから俺は原稿を落としたことは1度もないよ。一方で江口寿史先生のように筆が遅くて有名な先生もいたりしてね。担当が泣いてたな(笑)。
高橋先生のところを辞めてからは、実家で漫画を描いて出版社に持ち込む生活を続けてたんだ。あの頃は父も現役の刑事だったんじゃないかな? とにかく本当に家に居づらかったんだよ(笑)。
そのうち講談社に持ち込んだ「少年勝負師ケン」が少年マガジン新人漫画賞で佳作を取った。あれが少年マガジン増刊号に掲載されたから、結果的には俺のデビュー作ってことになったんだ」
読み切りではあるものの、ついに念願の漫画家デビューを果たした宮下先生。……が、翌年にはなんと「少年ジャンプ連載デビュー」を果たしてしまうのだ。そのきっかけとは……。
宮下先生「少年勝負師ケンで賞を取った翌年かな? 高橋先生の師匠筋に当たる「本宮ひろ志先生」が、俺の描いた「私立極道高校(しりつきわめみちこうこう)」を気に入ってくれた。
すぐに集英社の担当を呼び出して、その場で少年ジャンプの連載が決まったんだ。しかも連載開始から3話連続で巻頭カラーだよ? 本当にラッキーだったし、運が良かったと思う。
直後に集英社が用意してくれた御茶ノ水の旅館に泊まり込んでね。当時は缶詰って呼ばれてたんだけど、アシスタントも付けてくれてさ。やがて極道高校で連載デビューしたんだ」
※ 本宮ひろ志 …… 言わずと知れた漫画界の巨匠。代表作は「サラリーマン金太郎」「俺の空」「天地を喰らう」「ばくだん」等、数知れず。
連載から3話連続の巻頭カラーという破格の対応で、華々しく「少年ジャンプデビュー」を果たした宮下先生。順風満帆に見えたのも束の間、予期せぬ事態が宮下先生に降りかかるのである。
──というわけで、今回はここまで。ゴールデンルーキーとしてデビューした宮下先生を襲ったアクシデントとは? 次回は挫折を経ての「男塾連載開始編」をお届けする予定だ。
参考リンク:宮下あきら公式X
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24. Ⓒ宮下あきら. Ⓒ集英社.
P.K.サンジュン




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