レトルトカレーは、安くて手軽に食べられることが魅力だと私(佐藤)は考えている。外食は面倒くさい。でも、作るのも面倒くさい。それでもできるだけ美味いものを食べたい。さらに言えば安く。

そんな私のような横着者のわがままを叶えてくれるのが、レトルトカレーである。相場はおおむね500~600円、高いものでも1000円台といったところだが、あるスーパーで2160円という高額商品を見つけてしまった

「特選松阪牛ハンバーグカレー」、はたしてこれは2000円台の価値があるのか? 気になったので食べてみたら、大満足! と共にほんの少し後悔した……

・こんな形でお前と…

この商品は、東京・中野マルイの地下にある高級スーパー「クイーンズ伊勢丹」で見つけたものだ。スーパー業態とはいえ、「伊勢丹」と名前がつく以上、その看板にふさわしい商品を取り扱っている。

他のスーパーと同じように多数のレトルトカレーを販売しているのだが、一般的なスーパーと比べると少し値段が高めの商品ラインナップだ。それらの中でも、飛び抜けて値段が高いのがコレだった。「2160円」、レトルトカレーで見ることのない値段表示である。


販売元は「東京美食Labo」という飲食事業を行っている会社。製造は大阪の「キャニオンスパイス」だ。同社はカレールウ・レトルトカレーのメーカーで、これまでに1000種以上の商品の製造を行ってきたそうだ。


その1000種のうちのひとつが、このハンバーグカレーだ。使用している牛肉は、松阪牛の中でもさらに希少な「幻」と呼ばれているものとのこと。


内容量は250g、手に持つとズッシリとくる。中央に塊らしきものがあるようだが、おそらくハンバーグだろう。


箱の裏面に記載されていた「美味しいお召し上がり方」によると、「お肉の旨味を美味しく味わっていただくために湯煎をおすすめします」とある。よし、その忠告に素直に従うとしよう。熱湯に入れて6~8分加熱するとのことなので、6分と8分の間をとって7分ほど湯に入れて加熱した。



ご覧あれ、これが2160円のカレーです。


あえて言わせて頂こう……。


ハンバーーーーーーグッ!!!!


レトルトでありながら、その形と香りは洋食店のものだ。2000円超えの強気な価格はハッタリなどではなく、価値に見合う価格として設定されたと感じる。食べる前から、香りで良い食材を使っていることがわかるぞ。


公式オンラインショップの説明を見ると、松阪牛の中でも「幻」とも呼べる希少な牛を使用している上に、ハンバーグのタネにはフィレやサーロインなどの最高級希少部位も入っているとのこと。これを「お宝ミンチ」というそうだ。


肉質はとても柔らかく、優しい甘さがある。松阪牛は過去に数えるほどしか食べたことがないのだが、その時の感動が脳裏によみがえった。

同時に、「こんな形でお前(松阪牛)と会いたくなかった」みたいな少々複雑な気持ちにもなってしまった。鉄板の上のお前の方が、輝いてたぜ……。


この商品の主役はどう考えてもハンバーグである。なにしろ幻の松阪牛だからね、大抵の食材では太刀打ちできないでしょう。


だが、カレーもカレーなりにがんばってる。ハンバーグに勝てないまでも、ハンバーグを引き立てるだけのしっかりとした味に仕上げられいる。

相手が松阪牛でなければ、これだけでも主役になれる味だ。なめらかで深みがあって香りもよく、老舗洋食店を彷彿させる美味しさである。



カレー好きにはぜひとも食べて頂きたい。公式オンラインショップで通販している……と思ったら、ハンバーグカレー2種(白・紅(辛口))は売り切れでした(2024年10月18日時点)。生産量限定で販売していらしい。つまり、今店頭で販売しているもので終わりかもしれないから、見つけたら買うべし!

ちなみに東京美食Laboは同じく2160円の「国会カレー」を販売しており、そちらの味についてはGO羽鳥がレビューしているので、合わせてご覧ください。

参考リンク:東京美食Laboキャニオンスパイス
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24