当たり前だと思っていたものが実はローカルだった──。地方出身者は人生のどこかでカルチャーショックを受けることがある。田舎から都会へ出た人ならば、きっと一度くらい経験しているだろう。

福岡出身の私の場合、手始めに「床をはわく」じゃなくて「掃(は)く」だったという洗礼を浴びて泣きそうになったのを今でも思い出すが、どうやら大の大人になった今でもカルチャーショックは受けるものらしい。というのも……

・焼き鳥屋のメニューで違和感

先日、帰省した福岡でプラリと飲み屋へ入り、メニューを見てハッとする自分がいたのだ。



とり皮を食べまくるのは知る人ぞ知る福岡文化。メニューで推されているのも分かるってものだが……あれっ?


お前ッ……!!


そういえば久しぶりに見たような……それはまるで遠いところに住んでいる親戚と1年ぶりに会ったような感覚だった。

極めつけはメニューの先頭に立って堂々と「僕が一番人気です!」と豚バラが訴えているところだ。こんな光景、今住んでる東京の焼き鳥屋ではずっと見かけなかった。

も、もしかしたらもしかして、これって……豚バラって……


ローカルだった?

・福岡の文化だった

今さらそんな疑問が脳裏に浮かんだのだった。実際これまでいろんな地域で焼き鳥を食べてきたが、九州を除いて「豚バラ」が置かれていた記憶は正直ない。

っていうか、そもそも豚であって鳥じゃない。焼き鳥と名乗るのも違うってツッコミを受けそうである。

これは一体どうなんだ……。というワケで、軽く動揺しつつもスマホを取り出して調べてみた。すると……

福岡で焼き鳥といえば豚バラはド定番。さらに久留米などの一部地域では肉だろうと魚だろうと串にさして焼いたら焼き鳥になるとグーグル先生が言っていた。や、やはり……!


・他の焼き鳥屋も当然のように豚バラ

まさか豚バラがローカルルールだったなんて……まだまだ世界は広いらしい。ちなみにその後も豚バラを意識しつつ、福岡県内の焼き鳥屋に数軒行ったのだが……

どこも豚バラを置いていた(しかも目立つ位置に)。こうして見ると、福岡という土地に焼き鳥と豚バラが根づいているのがよく分かる。それだけに福岡と距離が近い九州出身者はカルチャーショックを受けるケースがあるかも!?

・独自のカルチャーは多い

なお、余談になるが、生キャベツをポン酢で食べるスタイル(お通しで出てくるやつ)も実は福岡独自のものらしい。当たり前みたいに思っていたから、こちらも意外だった。

グルメが豊富な福岡において、なんとなく存在が薄れがちな焼き鳥(豚バラ)。しかし、実は現地の文化を味わえる料理の1つだった。

お店の数もめちゃくちゃ多いことだし、行列もそこまで(たぶん)。観光などで訪れるときはぜひ試してみてほしい。

執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.