名古屋通ではない私(中澤)も『味仙』の存在は知っている。20年くらい前に、名古屋の老舗ライブハウス『Electric Lady Land』の店長が「名古屋と言えばまずは味仙」と言っていたからだ。でも、行ったことはない。
なんとなく「行くことを目的に行く店ではない」というオーラを感じるのだ。どちらかと言うと、あるから行く。少なくとも、私はそれくらいの気楽さで入りたい。と、そう思っていたら20年が経過していたわけ。
だが先日新橋駅前のニュー新橋ビルを歩いていたら、目の前に味仙が現れた。東京なのに……! しかも、日曜日の昼過ぎだったためか他の店はほぼやっていない。そんな中、味仙はバリバリ営業中である。さすがに運命を感じたので入ってみた。
・どっちやねん
黄色地の看板に書かれた「元祖台湾ラーメン」の文字。コンパクトかつギュッと詰まったクローズな雰囲気の店内は、踏み込むのにちょっと勇気がいった。店内の壁に所せましと貼られるメニューの洪水。
これが味仙かあ。と、メニューを見ていた時、メニュー表に衝撃の表記を発見した。麺類の項目にこう書かれていたのである……
「台湾イタリアン(900円)」と──。
_人人人人人人人_
> どっち!? <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
台湾なのかイタリアなのかハッキリせえや!! 実は台湾ラーメンもどんな代物かいまいち分かってないのに、台湾イタリアンとか言われたら、もう何が何だか。
・思てたんと違う
普通に考えたら、台湾ラーメンにチーズとか乗ってるアレンジだろう。台湾ラーメンより100円高いし、チーズトッピングの価格としては適正だ。唐辛子との相性も良さそう。そこで注文してみたところ……
_人人人人人人人人人人人人人人人人_
> どこがイタリアンやねん……! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
パニックである。ワンチャン、スープが赤いのはトマトソースかと思ったが、食べてみたら普通に辛い。っていうか、めっちゃ辛い。待って! 辛い辛い辛い!! むしろ喉が痛い! あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙……
・真相
実はこの台湾イタリアン、辛さのレベルのようだ。食べた後に見つけた説明によると、イタリアンは普通の台湾ラーメンの2倍辛い台湾ラーメンということらしい。他にも、アフリカン(4倍以上)、エイリアン(辛さ8倍)などがある様子。
味仙ってこんなに辛さに特化してるラーメン屋だったんだ……。それすら知らなかった私は、辛さ控えめだという台湾アメリカンを注文すべきだったのかもしれない。これマジでエイリアンとか食べられる人いるんだろうか?
どちらかと言うと辛いものが苦手な私は、その存在自体がにわかには信じられなかった。だからエイリアンなのかもしれない。未知との遭遇であることもさることながら、映画『エイリアン』のキャッチコピーは「In space no one can hear you scream」……宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも届かない。ギャー!
・今回紹介した店舗の情報
店名 味仙 東京ニュー新橋ビル店
住所 東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル 1F
営業時間 11:00~15:00、17:00~23:00
定休日 無休
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
▼アメリカンはこれ。スープ、鶏ガラやったんか……!