
セブン銀行ATM、セブンティーンアイス、JR自動改札機といった実在企業とのコラボや、今の子たちには未知の機械である公衆電話など、リアルな付録で全国の大きなお友達を喜ばせてきた小学館の雑誌『幼稚園』。
最新の8・9月号(税込1290円)では、航空会社スカイマークとコラボした「スカイマークひこうきスペシャルセット」が付録に。発売前から「本格的」と話題のペーパークラフト、実際に作ってみたら、えげつないキットだった……。
・まずは完成像をご披露
何はともあれ、完成後の全景をご披露したい。ちょっとすごいぞ。
キットには情景ポスターが同梱され、空港の様子を再現できる。グランドハンドリングスタッフが地面に描いてくれるアートがデザインされているなど、芸が細かい!
航空機は全長33センチ、本来の読者である幼稚園生なら両手で抱えるほどのビッグスケール。かなりの存在感だ。
胴体のカバーを開けると……
ずらりと座席が並んでいる! 後部に見えるのはキャビンアテンダントが使うミールカートかな? 長距離路線でないと出会えない機内食、最近めっきり食べていないので恋しい。
逆方向の胴体にあるフラップを引っ張ると……
普段は見ることのできない貨物室をのぞける! 丸みを帯びた胴体が、切り取られたように開く様子がリアル。スーツケースとボストンバッグも作れるので、荷物の積み下ろしで遊べる。
これは「トーイングトラクター」と呼ばれる乗り物。ポケモン仕様ですんごくカワイイ! よくムカデのように荷物を連結して走っている「働くクルマ」だな。
操縦士、整備士、グランドハンドリングスタッフ……空港で働く人たちもたくさんいる。どの職種も、男女混交で用意されているのが令和らしい! 男性のCAがいていいし、女性のメカニックがいてもいい。
極めつけ、本体のスイッチを押すとCAのアナウンスが流れてから、ゴーッという離陸音がする! まさかペーパークラフトから「今日もスカイマーク航空をご利用いただき、ありがとうございます」と言われるとは思わなかった。
本当に細部まで凝った緻密なデザインで、想像力を刺激するようなギミックがてんこ盛り。年齢関係なくワクワクしてしまう。
しかし、この壮大なジオラマが完成するまでは、大人の手でも2時間という膨大な作業が必要であった……。
・地獄の組み立て作業
ときをさかのぼること2時間前、筆者は雑誌『幼稚園』を前に胸を高鳴らせていた。旅行が好きだし、飛行機も大好きだ。おまけにペーパークラフトも嫌いじゃない。
電子部品もあるため、大人の人と一緒に組み立てるよう推奨されている。まさか、いい大人が自分のために買っているとは小学館も思うまい。
素材は厚紙。新聞紙半面くらいの大きな紙に、膨大な数のパーツが並んでいた。本誌と比べるとそのボリュームがわかると思う。
基本的にパーツはペリペリと手でちぎることができる。固定もセロハンテープで行う。ハサミ、カッター、接着剤など幼児にとって危険なツールは必要とされない。なるほど、作業段階からよく考えられている!
ただし頻繁に「抜き」があるので、目打ちや爪楊枝はあったほうがよさそう。
手順は非常にわかりやすい。すべての差し込み部分にナンバーがふってあり、同じ数字を合わせていくだけ。
五十音がふってあるところは、文字が順番になるように並べるとよい。どうやっても間違わないよう設計されている。すごい!
とくに扇状のパーツを少しずつ折り曲げて、丸みのある航空機の鼻がキレイに表現できたときは感動した。
パーツにはあらかじめ折り目が入っていて、ビシッと直線的に折れる。パーツ同士の合いもぴったり。
海外製の工作キットなど「合わないのが当たり前」という世界を知っていると、その辺の書店で大量に売っている雑誌の付録なのに、精度・品質・考え抜かれた設計にびっくりさせられる。やっぱりここは物づくり大国ニッポンだよ!
……と余裕をこいていたら、すでに立体になったパーツに、新たなパーツを差し込んでいく段階で途端に難易度アップ。裏側から押したり引いたりできなくなるため、なかなかツメが入っていかない。おまけに素材は紙だから、力加減を誤るとツメが折れてしまいがち。
ここは大人の知恵を発揮するしかない。マイナスドライバーやピンセットでズルをした。というか、これはどう考えても子どもには無理な作業なので、全国の親御さんが必死でやったと思うよ!
胴体の完成だ! かっこいいぃぃぃぃ!
この時点ですでに1時間が経過。まだまだ作業は半分だ。
ここから座席を取り付けていく。切って、折って、差し込んで、切って、折って、差し込んで……
ここでトーイングトラクターが特別デザインであることに気づく。後続する台車のほうは「ドーリー」と呼び、コンテナがばっちりピカチュウ柄だった。スカイマークといえば「ピカチュウジェット」!
荷物やスタッフも作っていくぞ。小道具はたくさんあったほうが遊びが格段に楽しくなる。しかし、この頃には疲労がピークに達し、「何人いるんだよ!」という気になっていた。
最後に絶縁シートを抜いた「音声ユニット」をセットしてようやく完成……。冒頭の超大作ジオラマが出来上がったというわけだ。
・完成時にはひと仕事終えた達成感が
この発想や技術力が、ホビーでもなくアートでもなく、雑誌の付録に惜しみなく発揮されていることに震える。たくさん遊んで、いずれ壊れて、最後には紙として簡単に処分できる。これで「ごっこ遊び」をしたら、めちゃくちゃ楽しいだろうなぁ。
全国の親御さんたち、組み立てるのは相当大変だけれど、そのかいのあるキットだ。完成後にはものすごい達成感がある。健闘を祈る!
参考リンク:小学館『幼稚園』公式サイト
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
冨樫さや
























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