まさかというか、やっぱりというか、シン・エヴァンゲリオン劇場版の公開延期。全国の劇場が満員になるのは必至だから、感染防止の観点では誰も責められない。
とはいえ残念だ。年末から『序』『破』『Q』を見直し、ポスターに込められたメッセージを推理し、疑問点を整理して待っていたのに……。
この悲しみ、どこにぶつけたらいいんだ……というわけで、ペーパークラフトにぶつけてみた。極小ペーパークラフト「ペーパーナノ エヴァンゲリオン / 使徒、襲来」だ。
・「ペーパーナノ エヴァンゲリオン / 使徒、襲来」(税込1848円)
「ペーパーナノ」というのは、レーザーカットされた紙を組み立てて立体にする、極小ペーパークラフトのシリーズ。株式会社カワダが展開している。自分では切り出せないような小さいパーツを扱えるので、驚くほど緻密な作品を作れるのが特徴だ。
選ばれたシーンは『序』での第4使徒との市街戦! 商品としてはもう1種類あり、そちらは初号機の胸像の「ペーパーナノ エヴァンゲリオン / 初号機発進」だ。製作にはカッターナイフ、接着剤、ピンセットが別途必要。
・製作1日目
それでは作業開始。製作は第3新東京市のビル群から。パッケージによると、工作の難易度は5段階中のレベル3なので、中程度だと思う。レーザーカットされた紙は、部分的にカッターを入れるだけで簡単に台紙から外れる。
基本的には展開図をサイコロ状に組み立てる作業。第3新東京市には四角いビルだけではなく、カドを面取りしたような八角形も多いことに気づく。
窓や付属物を重ねて凹凸を作っていく。ビルのような直線的な構造物は、平行や等間隔が崩れているが目立つので、慎重に貼りつけ……
ひたすらサイコロを組み上げていく。この時点で2時間ほど経過。単調な作業の繰り返しに、少々飽きてきたことは正直に告白せねばならない。集中力が切れたので続きは明日にするが、以降は変化に富んだキャラクターの作業になるので作りやすいだろう。
と思っていた。このときまでは。
・製作2日目
背景となる市街ができたので、今日は使徒とエヴァを作る!
土台となるボディに、コアや顔パーツを貼りつけていく。TV版サキエルが元となっている第4使徒はかなり人間に近く、あばら骨のようにコアを守るパーツがある。
手足は同じパーツを何枚も重ねて厚みを出す。
使徒完成。キャラクターは360度の立体ではなく、正面から見ることを想定したレリーフのような構造だ。
続いてエヴァを作る。この色を見ると「初号機カラーだ!」とひと目でわかってワクワクする。
と思ったのも束の間、初号機、小さっ……! カラーパーツを重ねて色分けするのは同じなのだけれど、各パーツがピンセットでつまめないくらい小さい!!
この段階になると「いかにパーツをなくさないか」に注力しなくてはならない。カッターの刃を入れた瞬間、ピンセットでつまもうとした瞬間など、パチンッとパーツが飛んでいき、永久におさらばという事態になる。床に落ちたら、もうゴミと見分けがつかないぞ。
黒い素体に初号機カラーの装甲を重ね、アニメでは蛍光グリーンや蛍光イエローに見える部分を足していく。なんとか……すべてのパーツが……できた……
最後に画竜点睛(がりょうてんせい)で、目を入れる。ゴ、ゴマ粒よりも小さい!
ここまででまた2時間。昨日と合わせると、4時間以上作業している。最後にジオラマを組み立てていく。キットには背景の夜空や、土台となる道路のシートがついている。
・発進!!
完成! エヴァンゲリオン初号機、リフトオフ!!
プラグスーツも訓練もないまま、いきなりシンクロして初号機を動かした碇シンジの初陣。赤木リツコをして「歩いた……!」と驚かせる。
しかし、初めての搭乗でエヴァを使いこなせるわけもなく、窮地に陥るのはご存じのとおり。キャラクターは平面なのだが、前後のビル群によって立体感が生み出されている。
夜の市街地戦だが、土台には部分的にトレーシングペーパーのようなシートが使われ、光を透過する。
下から光を当てると、キャラクターを照らすことができるぞ。別売りのLEDディスプレイライトもあり。
・映画公開を待とう
新作公開に向けて、せっせと伏線を整理していた筆者に知人がいった。「むしろ1つも回収しない可能性もある」と……。それほど『Q』のもたらした衝撃と混乱はすごかった。もう夢オチとか、違う世界線の物語とか始まっても驚かない。
公開はいつ!? とかマリは本当は何歳なの!? とか叫びたいことはいろいろあるが、とにかく待とう。1日も早い感染症収束を願う。
参考リンク:エヴァンゲリオン公式ページ、エヴァンゲリオンストア、ペーパーナノ公式ページ
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
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