中国にはマックよりケンタッキーが多い印象である。日本では見られないメニューが多数あるほか『K COFFEE』というマックカフェ的な仕組みも存在しており、カフェとして利用する客も多いようだ。

そんな中国ケンタでひときわ衝撃的なメニューが『秘汁全鸡』というもの。直訳すると「秘伝タレの丸鶏」といったところなのだが……日本では多分この先も永遠に発売されないであろう、その全貌をご覧いただこう。

・コレがソレである

ケンタッキーに限らず、現在の中国のファストフード店はモバイルオーダーが基本。



こちらが問題の『秘汁全鸡』。ご覧のとおり、鶏1羽の丸揚げである。価格は39.8元(約876円)と、鶏1羽にしてはかなり安い。スパイシーバージョンもあるようだが、怖いのでノーマル版をオーダーすることにした。



オプションで「辛い粉」(0.9元 / 約20円)を追加できる。


10分ほど待って受け取ったセットがこちら。店が空いていた割に時間がかかったので、注文後に揚げてくれた可能性が高そうだ。当たり前にビニール手袋が付いてきたことに戦慄をおぼえずいられない。



・無心で丸鶏を食う

で、謎に包まれた秘汁全鸡の全貌が……


これ!


見本とかなり異なる股おっぴろげ状態の丸鶏であり、こんなこと言うのは少し気が引けるのだが、あえてぶっちゃけるとすれば「調理前のカエル」みたいだなぁ。

だいぶ熱い。ナイフ的なものは見当たらないので、手で解体して食えということなのだろう。

とりあえずチキンの右脚、ケンタッキー的に言うと「ドラム」の部分から食べ進める。想像していた味と違いすぎてビビる。ケンタッキー感が1ミリも無い。たぶんタレに漬け込んだスタイルの唐揚げであり、やたら柔らかい。そしてめちゃんこ甘い。



・さらに無心で食う

お次は「ウイング」の部分。

日本のケンタッキーで部位を指定することは基本的にNGとされているが、考えてみると、丸ごと買えば100%確実に好きな部位を食べられるワケだ。ただ何度も言うように、我々の知るオリジナルチキンとは完全に別モノであるが。

私の1番好きな「キール」の部分。半身を食べ終えたところで、かなり味に飽きてきちゃってる自分がいる。

お!? 「ささみ」ってこんな場所にあったのか〜! 鶏の体の構造を知ることができるという観点においては、お子様にもオススメのメニューと言えなくないだろう。

ここでオプションの「辛い粉」を投入。一味唐辛子と七味唐辛子の中間くらいの味。結論から言うと、コレがなかったら完食は厳しかったかもしれない。丸鶏の唐揚げ(激甘)を1人で完食するには味変が必須。覚えておいてください皆さん。

そんなこんなで、私はどうにか秘汁全鸡を完食した。なにもケンタッキーでコレを食べる必要はない気もするが、話のネタになることだけは確かだ。みんなも中国へ行ったら試してみて! ちなみに手袋は追加でもらえるので、あらかじめ3セットくらい確保しておくのがオススメだ。

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.