インバウンド特需に沸く日本列島。その恩恵を受けられていない方も当然いるだろうが、長い目で見ればそのうち恩恵に預かれるハズ。そう “金は天下の回り物” ってね! 俺にも早く回って来い!
それはさておき、つい先日のこと。秋葉原を歩いているとラーメン屋に行列が出来ていた。その多くはインバウンド客たちだったのだが、ぶっちゃけ私としては「わざわざここ?」と驚きを隠せなかった次第だ。
・アキバで人気のラーメン店といえば
秋葉原に詳しい方はお分かりだろうが、もう20年以上前から「秋葉原でインバウンド客に人気のラーメン屋」といえば「九州じゃんがら」一択であった。
じゃんがらの前にはいつでも行列が出来ており、その多くがインバウンド客たち。ここ数年は「牛かつ 壱弐参」も人気だが、アキバでインバウンド客たちが行列を成すラーメン屋は「とにもかくにもじゃんがら」と相場が決まっていた。
確かにじゃんがらは安定感があり、そのネームバリューを考えれば行列が出来るのも無理はない。……が、ここ最近、日によっては じゃんがらと同等の行列が出来ているラーメン店をご存じだろうか?
・新行列店
それは「博多風龍」──。調査によると都内を中心に9店舗を展開するとんこつラーメン店である。まあまあ前からアキバに店舗はあったものの、行列が出来るようになったのはここ最近という印象だ。
中央通り沿いという立地の良さはあるにせよ、なぜ普通っぽく見えるラーメン店に行列が出来ているのか? 正直行列に並ぶのはイヤだったので、日を改めて訪れてみることにした。
さて、開店直後の平日11時。さすがにまだ行列は出来ていなかったが、店内は8割ほどお客さんで埋まっている。その半分ほどはインバウンド客たちだったため、やはり海外需要が高いのだろう。
・外国語対応
また、入店してすぐにわかったことは「英語」「中国語」「韓国語」など、多くの言語に対応しているということ。券売機はもちろんのこと、店のあらゆるところに日本語と外国語の表記がされていた。
店員さん自体は英語に堪能ではないようだが「ミディアム」「ソフト」「ノーマル」などと、簡単な英語で接客をしている。インバウンド客からすれば表記も含めて少安心感はあるのだろう。
で、注文したのは人気No.1だという「丸福とんこつラーメン」で、価格は1020円。チャーシューや煮卵がトッピングされた “準全部乗せラーメン” のようだ。
博多ラーメンらしく、わずか数分で提供された丸福とんこつラーメン。なんとトッピングの海苔にまで英語表記がされているではないか。うむ、ここまで徹底的にやれることは素直にエライ。
・納得の味
さっそく食べてみると、これといった個性はないシンプルなとんこつラーメンである。とんこつラーメンにありがちな独特の臭さなどは皆無の「クリアなとんこつラーメン」という印象を持った。
別の言い方をすると「とても食べやすいとんこつラーメン」といった感じ。「人生TOP5に入るとんこつラーメン」とは思わなかったが、特に欠点が見当たらないところが強みなのではないだろうか?
また替え玉が2玉まで無料で注文できるところも嬉しいポイント。その際、麺の硬さも外国語で注文できるようになっていたので、インバウンド客たちからすればコスパ的な印象も良いのかもしれない。
考えてみると自分が海外旅行に出かけた際、日本語があるときの安心感は異常である。個人店に突撃したい気持ちもあるが、システム化されたお店に足が向きやすいのも確かだ。
そういう意味で「博多風龍」は言語にも対応しているうえ、シンプルに美味しいラーメンである。たまたまインバウンド客に人気が出たのではなく、人気が出るべくして出たのではないだろうか? 率直にお見事だ。
というわけで、アキバの新たな人気ラーメン店として「博多風龍」を覚えておくといいだろう。例えば海外から友人が来日した際、非常にオススメしやすい優良なラーメン店である。
・今回訪問した店舗の情報
店名 とんこつラーメン博多風龍 秋葉原総本店
住所 東京都千代田区外神田3-15-6
時間 11:00~02:00
定休日 不定休
参照元:とんこつラーメン 博多風龍
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.