遠くをぶらり循環するのも良いけど、割と近場でも新たな発見があるかも!? ってことで、今回はあえて近い距離の循環バスに乗ってみることにしました。どうも、こんにちは。佐藤です。

今日はJR三鷹駅の北口にやってきました。三鷹駅から吉祥寺駅をつなぐ「ムーバス」に乗って、街を循環してみたいと思います。どんな景色に出会えるのかな? それじゃあ、行ってみましょう。レッツゴー!

・コミュニティバスの先駆け

「ムーバス」は武蔵野市のコミュニティバスであり、その歴史は都内を走る路線バスの中でも古く、1995年に運行を開始しています。その運行形態は全国のコミュニティバスのモデルになったとも言われています

三鷹駅・吉祥寺駅・武蔵境駅を起点に7路線9ルートを運行しており、関東バスと小田急バスが運行を受託しています。今回乗るのは、三鷹駅と吉祥寺駅を東西につなぐ6号線です。


運賃は大人も子どもも1回乗車100円(未就学児は無料)。バス停は高齢者の歩行距離を考慮して200メートル間隔で設置されていて、20分に1本の割合で運行しています。


さて、最初の乗り場は「三鷹駅北口」です。


三鷹駅北口といえば、大手牛丼チェーン「松屋」の本社ビルがあります。私は割と頻繁にこの界隈に足を運んでいて、勝手知ったる場所といっても過言ではありません。


出発前に、松屋グループ唯一のカフェ、「テラスヴェルト」で一服しつつコーヒーでも飲んでおきましょうかね。


……と思ったら、このお店、全席禁煙になっていた! テラスも禁煙になっちゃったんだね。以前は加熱式ならテラスで吸えたのに、ショック……。


だが、私は知っている。すぐ近くにコンテナ型の公共喫煙所があることを! 「勝手知ったる」といったのは、このことだったのです。セーフ!


喫煙所で気合いを入れて準備完了。では行きましょう、ちょうどバスが来ていますよ。


この車両はいつものヤツですね。皆さん、もうおわかりですよね? ご唱和ください。せ~の!


日野のポンチョ~!!


いまさらですが、この車両はコミュニティバスの使用を想定して設計されたそうです。どうりで各地で見かけるわけですねえ。それにしても、良い車両だなあ。

見惚れながら、写真を撮っていたら、トイレに行ってた運転手さんが帰ってきました。夢中になっている私に会釈して、乗車を促してくれました。こちらこそ、お世話になります。


今日乗車する6号線は20分間隔で走っています。乗り逃してもすぐに次が来るので安心ですね。


この時間のこの車両の1番乗りです。やったぜ、ラッキー! では、行きましょう。出発進行~ッ!



・井の頭自然文化園

まずですね、井の頭自然文化園に行くので、「御殿山一丁目」で降りました。井の頭公園には行ったことがあるけど、文化園の動物園には入ったことがなかったんですよねえ。


自然文化園というくらいですから、案内版も葉っぱに埋もれてしまっています。ちょっと見にくいなあ……。


「東京市井の頭恩寵公園」、1917年(大正6年)5月に開園したこの公園は、今年で107年になるんですね。東京市という記述からその歴史の長さがうかがえます。


入園料は大人400円、小学生以下・都内在住在学中学生は無料です。平日ですが、子ども連れが多いですね。


動物園に来るのはいつぶりかなあ。ずいぶん前に上野動物園に行ったきりかな。


ここには、動物園(本園)・水生物園(分園)あわせて170種を超える動物が飼育されているそうです。最初に目に入ったのはヤギ。立派なヒゲをたくわえていますね。眠そうだ。


その先にはヤクシカかな? カモシカかな?


こちらに動物がいませんが、この園にとって大事な場所です。


アジアゾウの「はな子」が暮らしたゾウ舎なんですね。1949年に来日して、国内最長の69歳まで生き、2016年5月26日にこの世を去りました。

多くの人がはな子に癒され、この動物園の象徴として愛されたんですね。このゾウ舎は、そんなはな子の生きた記録を展示する場所として活用されています。


おや? こちらは空っぽの檻のようですが~……。


説明を見ると、このように書かれています。

「ヒト 学名:Homo sapiens 英名:Human 分布:地球上のいたるところ 分類:霊長目 ヒト科」


特徴として「好奇心が強い あつかい方によって大変危険」とあります。


その正体はこちら!



私です! ……じゃなくて、檻のなかに鑑があるんですね。ヒトも動物のうちってことでしょうか。面白いですね。


さらに奥に進むと、彫刻家北村西望の作品を集めた「彫刻館」があります。北村西望は長崎の平和公園にある平和記念像を造った人物です。ここにはその石膏原型像が展示されています。


約9メートル70センチの平和記念像、その存在感はすさまじく、西望の平和への祈りが伝わってくるようでした。

そのほかの作品もどれも魂を込められているのでは? と思うほどの迫力で、本当に今にも動き出すような気がします。屋外の加藤清正公の像は近寄りがたいものがありました。高さもさることながら、像から伝わってくる圧がすごいんです。私はなぜかそそくさとその場を後にしてしまいました。ちょっと怖いかも……。



・ちょっと変わったセブンイレブン

さて、動物園をあとにして、井の頭公園を抜けようかな~、と思ったんですけど、そっちに行くバスの路線から外れてしまいますので、吉祥寺通りを北上していきましょう。


おっと! ここはセブンイレブン!? でもちょっと普通のセブンと違うような~……。


「ちょっと変わったコンビニ 入ったら分かる」



入らなくても、この貼り紙でちょっと変わっているのがわかってしまいますね。「わ」をよ~く見ると……


ちょっとじゃないでしょ! かなり変わってるんじゃないですかッ!!


いろいろ貼り紙がありますけど、どうやらバイヤーの方が毎週変わった商品を仕入れているみたいです。


ドクターペッパー・ルートビア・インカコーラ・セブンアップ・マウンテンデュー・コアップガラナ・アップルタイザー・ハワイアンサンですって! 若者じゃなくても、気になる品揃え。こりゃ素通りできないよ!


ってことで入店したところ……、たしかに変わってた! 一般的なセブンの商品と共に、大量の駄菓子やおもちゃ。

それにラジコンがたくさんあったんですよ! 私が子どもの頃に人気だった、タミヤ模型の「ホーネット」「グラスホッパー」「マイティフロッグ」「ホットショット」「ホットショット2」。当時のゴールデンラインナップが全部ある! 普通じゃねえ~!!

「1台買おうかな?」って一瞬よぎりましたけど、なんとかその誘惑を抑えました。欲しいけど、欲しいけど……


ってことで、今日は「ドクターペッパー」(税込135円)と、虫よけの「おにやんま君」(税込1375円)を購入しました。


久々に飲むドクペ、うめ~! 今日は蒸し暑いから、なおうめえ!


いずれラジコンを買いに行きたいと思います。妻にバレないようにコソッとね……



・ドイツパンの店「リンデ」

セブンを離れて、吉祥寺駅のあたりまで来ました。あ、あそこは! 高架下の「いぶきうどん」じゃないですかね。


ふと後ろを見ると、ここは「台湾老劉胡椒餅(たいわんろうりゅうこしょうもち)」。12時の開店前で行列ができていますね。


私にとって馴染の深いエリアにやってきました。吉祥寺駅です。


北口の駅前には、はな子の像があります。あらためて動物園とはな子の存在が、吉祥寺にとって大きいことがわかりますね。


サンロード商店街で昼食をとるとしましょう。この辺は何でもあるからなあ。美味しいお店もいっぱいありますしね。


今日はここ! ドイツパンの店「リンデ」です。どこかのデパートの催事で、ここのブレッツェルを食べたことはあります。とても美味しかったんですよね。お店で食べるのは今日が初めてですが。


1階のベーカリーで注文して、2階のイートインコーナーで食べることができるんですね。まずは自宅用にドイツパンセット(税込786円)を買っておきました。明日の朝のお楽しみですね。


で、お昼に頂くのはランチセット(税込892円)。スープはミネストローネかオニオンスープを選ぶことができ、私はミネストローネにしました。それと水出しコーヒー(税込467円)です。


まずはブレッツェル。カリカリ食感で強めの塩加減がいいんですよね~。できれば毎日食べたい味です。


2枚のパンにレタス・ハム・ピクルス・チーズを挟んでサンドイッチにしましたよ。パンが美味しいから何も挟んでもうまい!


このほかにテーブルロールやペストリー、ケーキやクッキーなんかもあって、1度や2度でお店の美味しさをすべて把握するのは無理! 時間を見つけてまた来たいです。余分にブレッツェルを買っておいてもよかったかな~。また今度来ます!



・縁の深いサムタイム

そして今回、どうしても立ち寄りたかったお店が近くにあるんです。


それは老舗ジャズクラブ「サムタイム」です。1975年創業のこのお店、夜はもちろんライブをやっています。昼はランチ・カフェ営業をやっているんですよね。

ここに20歳くらいの頃に1度来てるんですよ。もう30年も前ですね。あの頃、まだスマホもなく、パソコンもそこまで普及していなかったから、雑誌(ぴあだったかな?)でお店の存在を知ってね、地図を見ながら来たんですよ。

松戸の友達と一緒に来たんだけど、帰りに電車がギリギリで、ライブを見た後に飛び出すように店を出て、駅まで全速力で走ったことを覚えています。


それからずいぶん後になって、地元の友達がここでバイトしていると知りました。あれは私が2度目の上京をした頃だったから、30歳の頃。20年前くらいだったかな?


そんな訳で、個人的に縁の深いお店なんです。ここで食後のお茶をしましょう。コルタード(税込600円)とレモンパイ(税込640円)を頂きました。ちなみにここのケーキは、老舗ケーキ店「レモンドロップ(檸檬雫)」のものです。


懐かしいなあ。このお店、中央にグランドピアノとドラムセットがあって、それを囲むように席が設けられているんですよね。ジャズを聞くには最高の空間。20歳のあの頃、とにかく「スゴイモノを見た」と興奮しつつ、駅まで走ったなあ。

ゆっくりと思い出に耽りたいところですが、次に行きましょう。その前にトイレ……


トイレに入ると、壁のポスター見覚えのある人の姿が!

あれ! 真太郎? バイトしていたのは彼、真太郎です。お店のオリジナルTシャツの宣伝用ポスターに彼がいるじゃないですか。コレ、昔のポスターなのかな?

気になったので、彼にメッセージを送ってみました。


「真太郎、ご無沙汰。今日サムタイムに来たら、トイレに真太郎がいた」


続けて「今も店に出てるの? 昔の写真?」と尋ねたところ……。


「佐藤くん! 佐藤くん!」


っと呼ぶ声が後ろから! 振り返ったら、そこに真太郎がいたーーッ! ウソーッ! 店にいたのね!?


彼の方は私が入店した段階で、「もしかして」と思ったそうです。こちらから厨房の中は見えなかったので、彼がいることに全然気づきませんでした~! そして、2人で記念撮影。


友達っていいですね。どれだけ時間を隔てていても、会った週間に昔に戻る。いつになるかわからないけど「また飲もうよ」、その約束だけでいろいろ頑張れる気がします。

お互い、歳も歳なので身体に気をつけよう。また会いに行くからな!



・住みたい街

思わぬ再会に驚きつつ、バスに戻りましょう。「吉祥寺駅南口」から乗りましょうかね。


2つ先の停留所「本町二丁目」で降りました。吉祥寺プティット村に寄ってみたかったんです。


ここで何か面白い雑貨でも~、と思ったんですけど、めぼしいものは見つからず。近隣の雑貨屋さんも覗いてみましたけど、今日はとくに欲しいと思うものはなかったので、バスに戻りたいと思います。


少し歩いてバスに乗るはずが、信号待ちをしている間に来ちゃってますね。早く信号変わらないかな~。


青信号を待っている間に行っちゃいました。仕方ないですね、そんなこともあるのが循環バスです


「横河グラウンド」で待っていたら、次のが来ました。あれで、三鷹駅まで帰るとしましょう。


無事に三鷹駅の北口に帰りつきました。今回の所用時間は3時間半。移動距離はそこまで長くないですけど、その行程は十分に楽しめましたよ。古い友達にも会えましたしね。

今回の循環で、緑豊かでお店の多い吉祥寺周辺が「住みたい街」と言われる理由が、あらためてわかった気がします。ってことで、また次の循環バスでお会いしましょう。それでは、ごきげんよう~!


参考リンク:武蔵野市井の頭自然文化公園、ドイツパンの店「リンデ」、サムタイム
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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