ドイツ・ベルリンの街をフラついて数日が経過したころ、よく目にする広告があることに気がついた。よく目にする広告は他にもあったと思うのだが、要するにインパクトが強かったのである。

黒髪の美女がナイスなスマイルと箸使いで寿司を持つその広告には「YOKO Sushi(ヨーコ寿司)」と書かれていた。ヨーコといえば日本人女性特有の名前な気がするが、この美女、いかにもヨーコっぽくない風貌だ。でも……人を見た目で判断しちゃいけないよね!

・行ってみた

そういうわけで、ヨーコ寿司に行ってみることにした。

ヨーコ寿司はドイツ国内に展開するチェーン店。

カフェみたいな店構えであった。

あれだけ広告を出している割に、結構こぢんまりとしているな……と思ったら、どうやらデリバリーに力を入れているらしい。デリバリーしてまで寿司を食べたいドイツ人が多いとは驚きである。ホンマありがとうございます(日本人として)。

入店すると、ますますカフェっぽい。



・とてもシャレている

対応してくれた店員さんは笑顔が素敵な女性だったが、広告のヨーコ(仮)とは明らかに別人だった。当たり前である。

巻き物系が充実しているヨーコ寿司。メニューを見るかぎり、握り寿司は「サーモン」の1種類のみしか確認できない。春巻きやよく分からない創作系フードも多く、「外国で独自に進化したSUSHI屋」って感じだ。日本のカレーとインドのカレーくらいの差はありそう。

気持ちのよいテラス席で注文したSUSHIを待つ。

醤油はキッコーマン。箸には「おてもと」の文字が。箸を女性の足に見立てたデザインだろうか? シャレてんなぁ。



・異世界系SUSHI

10分ほどで運ばれてきた注文の品。

『Yoko Roll(ヨーコロール)』のチキン(4ピース 7.4ユーロ / 約1255円)と『Tofu Roll(豆腐ロール)』(6ピース4.4ユーロ / 約746円)の盛り合わせ。薄目で見るとスイーツみたい。

店の名を冠したヨーコロールの正体は、巻き寿司にパン粉をまぶしてフライにしたもの。見たことのない食い物だが、普通においしそうである。

お、すっごいサクサク! チキンの他にはネギとキュウリが詰まっており、ほのかにチーズの風味がする。ソースは穴子のタレみたいに甘い。どういう心境でこの組み合わせを思いついたのかは知らんが、日本でもワンチャンありそうな斬新なおいしさであった。



続いてトーフロール。豆腐は燻製に加工されているのだろうか? スモーキーな味わい。他の具材はキュウリとナッパ。オーロラソースっぽい何かが潜んでいる。

ブリッ! と硬く非常に「食った」感のあるトーフロールで、あっという間にお腹いっぱいに。寿司屋へ来たのに魚介を一切食べなかったのは人生初かもしれない。ちなみにシャリの炊き具合はとてもグッドです。

私の滞在中、客は1人も来なかったが、デリバリーの配達員はひっきりなしに訪れていた。現地でけっこう愛されているらしいヨーコ寿司。ドイツを訪れたらトライしてみてくれ。



それはそうと……アップでまじまじ見ると、やっぱこの美女、ヨーコっぽくはないよねぇ? 店名の由来が非常に気になるところだ。

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
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