まだ5月だというのに衣類コーナーは夏まっしぐら。早くも「冷感」や「ひんやり」といった言葉が並んでおり、半袖半ズボンが全力全開で売られている。
そうなると需要が減る長袖は「値下げコーナー」へ──。そんなケースも珍しくないが、ドンキで世紀の発明とも言えるロンTが叩き売られていたので買ってみた。そのお値段、なんと……
・ただの白シャツかと思いきや……
300円(税抜)である! やっす!!
叩き売られていたシャツがこちら
一見すると長袖の白シャツなのだが、どのあたりが「世紀の発明」かお分かりだろうか。聞いて驚くなかれ。な、なんとこのシャツは……
裏表、さらに前後がないタイプ。つまり、どこからどのように着ても正解なのだ! その名も「ドッチモインナー Tシャツ」で、ドンキは恐ろしくズボラに寄り添うシャツを出していたものである。
・実際に着てみた
手間いらずにも程があるこのTシャツ。説明文によると、とにかく楽を追求しているとのことで具体的には……
そのまま脱いで、そのまま洗濯、そのまま干して、そのまま着られる「タイパ(タイムパフォーマンス)時代の救世主」なのだという。何かと驚かせてくるドンキであるが、これは盲点。どこからでも着られるのは特に斬新!
まさしく世紀の発明だ……と言いたいところだが、着心地や見た目を確認していない状態で褒めちぎるのはまだ早い。てことで、袖を通してみたところ……フム。
肌触りは劇的にいいわけでも悪いわけでもなく普通。素材はポリエステル65%、綿35%で、印象としては「伸びるしゆったりめ」といった感じだった。
ふと冷静になると「一連の流れをやっても数秒しか変わらんなぁ」とか思ってしまう自分もいたが、チリツモとはこういったところから。ここで生まれた数秒が人生を豊かにすることもあるのかもしれない。
そういえば最近、ドンキの桁違いに頑丈なエレファントシャツが好調というニュースも見た。ドンキは決して勝算なくネタ商品をぶっこんでいるわけじゃない……むしろ計算して攻めているのがよく分かる。
現に今回の商品は意匠(デザインを保護する法律)登録済み。驚安価格で叩き売られていたことはおいといて、その本気度がうかがえるというものだった。
・使うかどうか
少々脱線してしまったが、「ドッチモインナー Tシャツ」を着てみた感想に話を戻そう。実際に違う着方をしたらどうなるのか気になる人もいるだろう。
そこで最初に着ていたポジションから前後を入れ替えてみたところ……
この通り。もちろん着心地も一緒だし、首の前後に広めのスペースがあるから息苦しさも皆無であった。あとは日常生活でリピるかどうか。いちおう通常価格を調べたら1098円。おっ、それなら全然いいもんだ……
とも思ったが、ちょっとばかり気になる点もあったので正直にお伝えしておこう。側から見るとそうでもないかもだが、自分で着たら結構透けているように感じた。このあたりは好みが分かれそう。
また、首元がゆったりしている分、肩幅も広く見えるような……。なので、シルエットを気にする人はあまり相性よくないかもしれない。
──以上が「ドッチモインナー Tシャツ」の詳細である。個人的にはあと一歩。現時点だと上に羽織るシャツと合わせて、もしくは部屋着としてかなぁ。
参考リンク:情熱価格「ドッチモインナー Tシャツ 長袖 クルーネック」
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.
▼ちなみにタグはついてるけど、切ったら前後左右対称になってどこからでも着られる作りになっている
▼縫い目は前後左右こんな感じ