「あかいくつ~、は~いてた~、お~ん~な~の~こ~♪ い~じんさんに~、つ~れられて~、い~っちゃ~った~♪」、あの歌詞、子どもの頃に意味がわからなくて「異人さん」を「いい爺さん」だと思ってたんですよねえ。

どうも、こんにちは! 佐藤です。今回のぶらり循環バスの旅は、横浜・JR桜木町駅を起点に、古き良き横浜の街をめぐる循環バス「あかいくつ」に乗って、街をぶらり循環してみたいと思います。どんな景色に出会えるかな?

じゃあ、さっそく行ってみよう。レッツゴー!

・周遊バス「あかいくつ」

このバスは2005年から横浜市営バスが運行する、観光スポットをめぐる循環路線です。路面電車をイメージしたレトロ調のデザインで、その名前は童謡「赤い靴」に由来するのだとか。

JR桜木町駅前を発車して、ハンマーヘッド・赤レンガ倉庫・中華街・山下公園などを経て、再び桜木町駅に帰ってきます。横浜の観光名所はコレ1本でひと通りまわることができるでしょう。


観光目的だけでなく、地元の人の生活の足としても利用されています。


そんなわけで駅に来ました。久しぶりに横浜に来ましたけど、相変わらず街がキレイで、オシャレな空気が漂っています。


空が高くて気持ちがいいですね。青天なら、なおよかったんですけど。今日はどんより……


アレはロープウェイ!? こんなのありましたっけ? 都市型循環式ロープウェイ「YOKOHAMA AIR CABIN」というそうです。すごいなあ、こんな街中にロープウェイがあるなんて、さすが横浜です。


乗ってみたいんですけど、バスに乗らないとこの記事の主旨がおかしくなってしまうので、またの機会に。



え~と、あかいくつの乗り場~。あ、アッチ! 「3番のりば」だそうですよ。


先に時刻表をチェックしておきましょう。平日は20分に1本、土曜・休日は15分に1本ですね。割と便が多くて助かります。


ちなみに運賃は大人1回の乗車が220円。3回以上乗る場合は、横浜ベイエリア1日乗車券500円。もしくは市営バス全線1日乗車券600円がお得です。私はうっかり買わずに乗車してしまいました。ちょっと損した。


それでこの路線、利用される方が結構いらっしゃいます。今までの循環バス旅の中でも、乗車待ちの人が1番多いかも。


最後尾に並ぼうとしたところで、バスが来ました! 観覧車と赤いバス、画になりますねえ。オシャレ!


無事に後方の席を確保しました。では最初の目的地、横浜ハンマーヘッドに向けて、出発進行!


乗車後、最初の楽しみは運転手さんのしゃべり方です。みんな同じに聞こえるけど、よく聞くとそれぞれに個性があります。非常に丁寧にしゃべる運転手さんに遭遇すると、旅への期待感も高まるんですよねえ~。


しかし残念ながら、この路線はプロのアナウンサーの自動音声でした。聞きとりやすいんですけど、ちょっと味気ないかなあ。



・なんで並んでるの?

最初の目的地、ハンマーヘッドに到着しました。ここは商業施設「ハンマーヘッド」「新港ふ頭客船ターミナル」の複合施設です。

ちなみにハンマーヘッドという名前は、屋外の広場にある「ハンマーヘッドクレーン」に由来しているそうです。そのクレーンは世界に17基しかない貴重な産業遺産なんだそうですよ。


時間は11時5分前。2階の商業エリアの開店前なんですけど、エスカレーター前には大行列! めっちゃ並んでる~!!


最後尾に並んだところで、私のあとにとても大柄な外国人男性がやってきました。多少は日本語がわかる感じだったんですけど、この方、誰彼構わず気さくに話しかける人だったんです。私にも英語半分、日本語半分で話しかけてきました。


男性「なんで並んでるですか?」

佐藤「2階のオープンを待ってるですよ」


男性「2階に何かあるの?」

佐藤「人気のスイーツのお店があります」


男性「へ~、パチンコに並んでるかと思った(笑)

佐藤「どこのパチンコ屋も並んでますもんね(笑)」


横浜在住の彼は、初めてここに来たそうです。開店を待つ間、お互いカタコトでおしゃべりして、「バ~イ」と言ってわかれました。ほんのひと時でしたけど、「旅」をしている気分を味わえて楽しかったです。港に来たって感じですね。



・クルミッ子の切り落とし

この建物の2階に、出来立てのクルミッ子を味わえる「鎌倉紅谷」のKurumicco factory(クルミッ子ファクトリー)があります。なんでもレア商品があるってことなので、それを求めてお店に行くと……。


ああ~……、やっぱりか。先ほどの開店前行列の8割がここに来ていました。私もその1人ですが。


なぜこれほどまでに並ぶのかというとですね、「クルミッ子切り落とし」を販売しているからなんですねえ。1人3点までの販売で、この日は90個用意していたそうですが、開店5分で切り落とし完売です。購入の難易度高し……。


でも! 持ち帰ることはできなくても食べることはできるんです。実はカフェに切り落としを使ったメニューがあるんですよね。1人2点まで購入可能な「クルミミ」(クルミッ子の端)カップもカフェで買えるんですよ。


あ、そうそう、ここはファクトリーなので製造工程を見ることもできますよ。今まさに、作られつつあるクルミッ子。人気商品の製造プロセスを惜しげもなく見せているなんて、太っ腹!


くるみがたっぷりと入ったキャラメルを生地に流し込んでいますね。すでに美味そう……。


そしてコンベアの先を見ると、絶え間なくクルミッ子が出ている~! あのコンベアの先で口を開けて待っていたい。



思わず夢中になって見入ってしまいました。このまま閉店まで見続ける可能性も否めないので、この辺にしておきましょう。



さて、カフェのメニューはここならではのものが用意されています。


「クルミッ子プレート」(税込635円)が切り落としを使ったメニューになります。


プレートとクルミミカップがこちら!


持ち帰りの商品は買えなかったけど、切り落としを味わえて大満足! 意外とカフェは混んでいないので、切り落としを買えなくても、諦めずにカフェを覗いてみてください。もしかしたら、切り落としを味わえるかも!?


スイーツに満足したので、景色を少し楽しみましょう。空はどんよりとしていますけど、それでも海を眺めるのは気持ちの良いものですねえ。


あの船はどこに行くんでしょうか。船旅もいいなあ。


水上バスも就航しています。ここから横浜駅東口の横浜ベイクォーターまで行けるそうですよ。水上バスもまたいずれ……。


・赤レンガ倉庫

ハンマーヘッドを出て赤レンガ倉庫まで歩いてきました。ここもグルメスポットのひとつですが、昼食にはまだ早いかなあ。


週末やイベントをやっている時には多くの人でにぎわってますけど、平日は割と人が少ないですね。人の少ない赤レンガ倉庫も趣があっていいもんです。歴史的な建造物をじっくり見るチャンスですから。


皮革製品やファッション小物のお店がいくつかあって、興味をそそられましたけど、購入は見送りました。買い出すとキリがなさそうで。アメカジブランドのお店があって、カッコいいTシャツがあったんですけどね、また次回!



ここにいると衝動買いしちゃいそうなので、次に行きましょう! ちょうどバスが来ましたよ


赤レンガ倉庫から日本大通りを抜けていく道すがら、歴史を感じさせる西洋建築を見ることができました。こういう歴史的な遺産が日常の景色にあるのが、横浜なんですねえ。どこを見ても画になるなあ。



・ジャケ買い感覚で昼食

続いてきたのは中華街(朝陽門)です。ここでお昼を食べますよ! 今回はあえて事前に行く店を決めずに、目についたところに入ってみましょう。はたして、良い店を引き当てられるのか!?


時々中華街には来ますけど、唸るほどお店があるので、何を基準に選んで良いのかサッパリわかりません。どこのお店のメニューを見ても全部美味しそうに見えちゃいます。困ったな~……。


ザっと1周まわってみて、何軒か目星はつけたんだけど、イマイチ決めかねてしまいます。それならいっそ、メニューではなくお店の雰囲気で。ってことで、ここに入ってみることにしました。


「中華菜館 同發本館」、店構えがモダンで雰囲気良さそうでしょ? ジャッキー・チェンの映画に出てきそうな佇まいです。後ほど調べたら、こちらは明治創業の老舗でした。古くからの中華街の伝統を守り続けているのだとか。



ランチは同發名物という「香港スタイル」。メインが5品と日替わり1品。すべてにスープ・ご飯・ザーサイ・青菜炒めがついてくるそうです。私は「皮付き豚バラ肉の焼物」(税込1320円)でお願いしました。それに「蒸し焼売」(税込560円)も追加でオーダー。


ご覧ください、ちょっと豪華でしょ? レコードの「ジャケ買い」感覚でお店を選んで正解だったかも。


豚バラ肉は皮にしっかり焼き目が入っていて、パリっとした歯ざわりが心地よい。ほのかにハチミツのような甘さがあって、ご飯のお供にもお酒のツマミにも良さそうです。


焼売は蒸し立てでモッチリ食感。お肉の旨味がギュッと凝縮されています。ご飯がおかわり自由だったら、間違いなくもう一膳行きたいところでした。


せっかく老舗の中華屋さんに来たのに、お茶を頼み忘れてしまいました。悔しいので、近くの食材屋さんによって、阿里山金萱茶(きんせんちゃ)を購入。帰ってからの楽しみにとっておきましょう。


・既視感のある山下公園

再びバスに乗って、マリンタワー前で下車。タワーからの眺めを楽しみたいところですが、歩いて山下公園に行きますよ。


山下公園には個人的に思い入れがあります。というのも、人気ゲーム「龍が如く」シリーズ(7、8)と、木村拓哉さん主演の「JUDGE EYES:死神の遺言」「LOST JUDGMENT 裁かれざる記憶」の舞台が横浜なんですよね。もちろん山下公園も「浜北公園」という名前で描かれています。


ゲーム内で何度もこの界隈をうろついていたので、既視感アリアリですね。多分リアルで来るのは3回目くらいだと思うんですけど、昔からよく知ってる場所のような気がしてしまいます


この公園で、桐生一馬(1~6、8の主人公)や春日一番(7、8の主人公)、八神隆之(木村拓哉さん)が暴れ回ったかと思うと、胸がアツくなりますね。作品のファンならこの気持ち、わかるはず……。



・十番館のプディング

再びバスに乗って、馬車道駅の停留所で降りました。そこから10分くらい歩いて、こちらのお店にやってきましたよ。喫茶室・バーを併設したフレンチレストラン「馬車道十番館」です。


ここは1967年に明治の西洋館を再現して造られたそうです。比較的歴史は浅いですけど、その設えは横浜の街によく馴染んでいます。


店前には「牛馬飲水槽」があります。これは昔の陸上交通の主力だった牛や馬のための給水槽ですね。大正6年に横浜市磯子区に設けられたものを、ここに移設したとのこと。ずっとここにあったと言われても、全然違和感がありませんよね。


その後ろにはガス灯を模した街灯と公衆電話。この一角だけ、明治や大正の頃から時が止まっているみたいです。


中に入ると1階喫茶室は天井が高く、窓にはステンドグラスが施されています。席に座っただけで、ノスタルジックな気分に浸れます。

ここで私は「英国風ロイヤルミルクティー」(税別780円)と「プディングロワイヤル」(税別1100円)を注文しました。普段紅茶は飲まないんですけど、店の雰囲気には紅茶がふさわしいと思ったので、今回はあえて。


建物の赤レンガをイメージしたというプリンには、カラメルソースではなくアングレーズソースがかかっています。アングレーズソースとは、とろみのないカスタードクリームです。


プリンはしっかり硬めであっさりとした甘さ。一方ソースは甘さが強く、ソースと一緒に食べることで良い調和を生み出しています。ミルクティーを頼んじゃいましたけど、ストレートティーの方がプリンの甘さをより堪能できたかもしれませんね、


お土産に「ビスカウト」(5枚入り 税別940円)も購入しました。ビスカウトってナニ? っと思ったら、ポルトガル語でビスケットのことなんだそうです。これもお店の名物のひとつ。2枚のビスケットの間にはチョコレートやピーナッツクリームなどを挟んであって、おやつとしても良いし、手土産にしても喜ばれそうですよ。



さて、最後は歩いて桜木町駅に戻ってきました。


都合4時間の行程、今回は食べ物が中心になってしまいましたね。次はもう少し他の体験も織り交ぜて循環していきたいと思います。ってなわけで、また次の循環バスでお会いしましょう。それでは、ごきげんよう~!


参考リンク:横浜観光情報「あかいくつ」、横浜ハンマーヘッド横浜赤レンガ倉庫、中華菜館「同發本館」、馬車道十番館
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24


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