ビジネスホテルが好きだ。ほぼベッドだけの空間は手が届く範囲に必要最低限のものが揃っており、ベッドの上にいながら色んなことができる。そのシンプルさに美しさすら感じるのだ

旅に出た時は大体ビジネスホテルに泊まる私(中澤)。お金の問題もあるけれど、ビジネスホテルのベッドに寝転がってテレビを見たりする瞬間がたまらなく好きなのである。だが、先日金沢のアパホテルに泊まった時はそんなテレビを全く見なかった

・至高の瞬間

遠出したら予定をぎゅうぎゅうに詰め込んでしまうタイプである私。金沢に行った際も一度16時頃にホテルにチェックインして重い荷物を置いた後すぐに出て、戻ってきたのは21時頃だった。

こういった旅の仕方には異論も多いことは分かっている。ただ、この帰ってきた瞬間の安堵感。私はこれを味わうために必死に動き回っているのだ。緊張があるからこその緩和の心地よさ。事実、飲み会とかに参加しても、家に帰って1人でアニメを見る瞬間が至高なタイプなのである。

・情報画面から切り替えなかった理由

つまりは、普段の旅なら今がまさにテレビをつけるタイミング。宿泊したアパホテル金沢中央ではモニターが最初からついていて情報画面が流れる仕様だったから、テレビに切り替えるべきタイミング。だが、結局切り替えなかった。

情報画面で流れていた『みっちーのアニメ』が最高すぎたのである。流れていたのは女の子のナミちゃんと猫のミーコさんが会話をするアニメ。アニメと言っているが、萌えキャラ的なのじゃなく、絵は落書きみたいな感じでゆるい。動きもほとんどなく、パラパラ漫画みたいに口がカクカク動く感じ。

・何が面白いねん

そんなゆるい女の子と猫がマジでどうでもいい内容の雑談をする。概要を言うとそれだけのもので、「何が面白いねん」と思うかもしれないが、その掛け合いはなかなか軽妙でたまにクスッとさせられる。



大笑いではない。クスッとする程度だ。ただ、そのクスッが疲れた体に染みわたる。画面から目を離したところで何も問題がない。見るというか浸る。この気楽さが心地よく、ループする内容を何周も見るともなく見てしまった。旅先のビジネスホテルの隙間時間にはちょうど良すぎるノリである。

・休系アニメ

そこで帰ってからYouTubeチャンネルを見てみたところ、登録者数は2024年4月19日現在21万人いるようだ。ホーム画面に固定されている「【猫に相談してみた】素敵なわたしになりたいの | ナミちゃんとミーコさん」なんて100万回以上再生されている。

モルカーやちいかわが天下を取る時代の空気感という感じがした。みんな疲れてるのかなあ。まあ、別に見なくても良いんだけど、個人的には疲れてる時にエンドレスループしたくなる。日常系すら超えてもはや寝てるレベルの脱力感。休系アニメである。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼どうやら「ナミちゃんとミーコさん」は『みっちーのアニメ』の中のシリーズの1つであるようだ

▼アパホテルで流れてた回