まるで長く暗いトンネルの中にいるような気分だった。松屋が誇る全知全能の神「ごろチキ」こと『ごろごろ煮込みチキンカレー』が姿を消して早数カ月。この日を心から……心から待ちわびたぞ。そう!

「ごろチキ」が復活ッ! 「ごろチキ」が復活ッ!! 「ごろチキ」が復活ッ! 「ごろチキ」が復活ッ!! 「ごろチキ」が復活ッ! 「ごろチキ」が復活ッ!! 「ごろチキ」が復活ッ! 「ごろチキ」が復活ッ!! 「ごろチキ」が復活ゥゥゥゥウウウ!

積もる話はたくさんあるが、まずはこれだけ言わせてくれ。やっと会えたね──。

・ありがとう

すでにお伝えした通り、松屋の『ごろごろ煮込みチキンカレー』が2024年4月16日に待望の復活を遂げた。価格は税込780円。一部店舗を除く全国の松屋が対象となっている。


午前10時より販売開始とのことなので、当日は最寄り店舗前で瞑想しながら「ごろチキ」の入り待ちをしよう、と考えていたのだが……


ちょっと待ってほしい。


「ごろチキ」の降臨。それは神事に等しいビッグイベントである。もっと気合いを入れてお出迎えした方がいいのではないか? そこで私は、「ごろチキ」復活をお祝いするため松屋の創業1号店まで行くことにした。



・祝いたい

吉野家の1号店が築地にあったのは有名な話だが(現在は豊洲に移転)、実は松屋の1号店も東京都内にある。練馬区の江古田店である。

自宅からの所要時間を調べてみたところ、往復で約3時間と表示されたではないか。なんだ、思ったより遠くないな。それではさっそく「ごろチキ」に会いに行こう……ん?



花……か。


これでよし。

・祝いたい

「お祝いですか?」と聞かれたので「ええ、そうです」と答えておいたぞ。何も間違ったことは言っていないが、まさか相手がカレーだとは店員さんも思うまい。松屋をイメージして黄色多めだ。


電車と……


バスを乗り継ぎ……


しばらく歩くと……


あ、あの黄色い看板! そう……


松屋創業1号店である。

・聖地

松屋の前身「中華飯店松屋」の誕生から2年後の1968年にオープン。みんなの食卓の歴史はここから始まった。つまりこの店舗がなかったら、「ごろチキ」も存在しなかったということだ。なぜだろう? 涙と鳥肌が止まらないのは。気付いたらこう呟いていた。


ありがとう──。



・感謝で震える

それでは「ごろチキ」降臨の儀を執り行いたい。松屋公式アプリから1週間限定で50円引きクーポンが配信されているため要チェックである。食券という名の神札を渡したら準備は完了。さあ、いよいよだぞ……!


か、神よ……!!


過去に何度となく顔を合わせているにもかかわらず、あまりに神々しいオーラに私は圧倒された。何者にも迎合しない孤高の佇まい、これぞ「ごろチキ神」……! この時をどれほど待ちわびたことか。やっと会えたね──。


妥協を許さぬ “ごろごろ” っぷりは健在で、カレーなのか肉料理なのか分からなくなるくらい大量のチキンが、その異質な存在感に拍車をかけている。量産される松屋の他の “ごろごろ” シリーズとは、やはり立っているステージが違うとしか言いようがない。

ああ、もう我慢できへん! 去年の夏以来の「ごろチキ」祭りだァァァァアアアア!! すると次の瞬間……


ほら、灰色だった世界に色が降ってきた。

・景色をも変える

トンネルを抜けるとそこは雪国ではなく「ごろチキ」。中毒性という言葉はこの皿のためにあるんじゃないか? “陽” のエネルギーに満ちた、スパイシーかつ独特の香りと味わいが体中を駆け巡ってゆく。これだよ……! この刺激を欲していたんだ……!! しかし、それだけではない。

なんだか今日の「ごろチキ」は、いつも以上に重厚感に溢れているような気がする。これまでの「ごろチキ」が激流荒れ狂う暴れ川だったとするなら、いま食べているのは流れこそ穏やかだが、巨大(デカ)すぎて対岸が見えないほどの超大河。


その広大な様は、この1号店が積み上げてきた長い歴史とも重なって見えた。数十年にわたる旅路の末、「ごろチキ」を生み出してくれた松屋にありがとう。江古田店にありがとう。そして、復活したすべての「ごろチキ」たちに……


おめでとう。

・世界の中心で “ごろごろ” を叫ぶ

こうして久々の「ごろチキ」を骨の髄まで堪能し尽くした私。だがしかし、「ごろチキ」とは刹那の輝きであることも忘れてはならない。いつ終売になっても後悔しないよう、今この瞬間を全力で “ごろごろ” するのだ!

それではお祝いも済んだことだし、私はまた90分くらいかけて帰りますが、家に着くまでが「ごろチキ」です。大事なことなので覚えておいてくださいね。ではまた。



・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 松屋 江古田店
住所 東京都練馬区栄町34-1
時間 9時~22時

参考リンク:松屋
執筆:ごろチキ信者・あひるねこ
Photo:RocketNews24.

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▼ちゃんと当日行ったぞ。