2018年10月6日、築地市場は83年の歴史に幕を下ろした。それからわずか5日を経て、11日に豊洲市場が開場。市場の移転に合わせて、1926年に築地の魚河岸時代に誕生した吉野家の1号店も閉店し、最終日には多くのファンが詰めかけた。

その吉野家1号店が、豊洲の新天地で営業を開始していたのだ。やった!! あの元祖の味をこれからも味わうことができる! 実際に行ってみると、店前の暖簾は歴史を刻んだ古いもののまま。何だか目頭が熱くなった!

・最寄りはゆりかもめ「市場前」

豊洲市場の最寄り駅は、東京臨海新交通臨海線ゆりかもめの「市場前駅」である。モノレールの車窓から外を見ると、広大な市場の様子を目にすることができる。


床面積は延べ40.8万平方メートル、青果棟・水産仲卸売場棟・水産卸売場棟・管理施設棟などに施設が分かれている。あまりにもデカすぎて、どこに何があるのかまったく見当がつかない。


・正門前にはテレビ関係者

駅を出て北側に進むと正門があり、北と南で区画分けされている。初日とあって、交差点周辺にはテレビ取材関係者の姿が多く目につく。彼らは、市場から出てきた人に初日の感想を尋ねているようだった。


北側の正門の真上には見学者用のデッキがあり、そこから市場の様子をうかがっている人たちの姿が見える。デッキは駅と直結していて、スムーズな導線がとられているようだ。


・関連飲食店エリア

水産仲卸売場棟には関連飲食店舗のエリアがあり、見学者はここで食事をすることが可能だ。ちょうどこのエリアは、築地時代の場内にある飲食店街をそのまま移転させたものらしい。



・まさかの発見

私(佐藤)はまったく下調べをしないで訪ねたのだが、まさかの発見があった!

吉野家があるじゃないか! てっきり1号店はあのまま移転することなく終了してしまったと思っていた。だって最終日前日に行ったら、そんなことをスタッフは一言もいわなかったから。


ウッヒョー! 嬉しい。もうあの特殊なオーダーをできるお店は、この世からなくなってしまったと思ったよ。でもまたこうして出会えて嬉しい!! という訳で早速入店して、アタマの大盛り(480円)を注文。「肉下」でお願いすると……


スタッフ「すみません、以前の特別なオーダーはできないんですよ」


なんと! 残念。ただし、つゆだく・ネギだくの注文はOK! よく考えれば、長年あのお店だけが他店にはないお客さんの要望に応えてくれていたのだ。ムリをおして、ここまでやってきてくれただけで十分だ。


新しい場所の新しい施設で、馴染みの牛丼を味わえる。何だかそれだけでホッとする。きっと市場関係者にも、市場で吉牛食わないと落ち着かないなんて人もいるはず。変わらぬ味を口にできるだけで、現場の混乱も癒されることだろう。


ちなみに、私がお店のスタッフに「あの暖簾、持ってきたんですね」と言うと、スタッフは「汚れてますけど、持ってきました。そのほかにもこっちに持って来たものはいろいろあるんですよ」と言って笑った。そして店を出る時に「これからもよろしくお願いします」とにこやかに挨拶をしてくれた。

吉野家に限らず、移転した業者や飲食店は勝手が違い、戸惑いも多いと思う。1日も早く環境が整って、また市場から日本を元気にしてほしい。なお、一般の利用は10月13日10時~である。

・今回紹介した店舗の情報

名称 吉野家豊洲市場店
住所 東京都江東区豊洲6-5-1 水産仲卸市場棟6街区3階11号
営業時間 5:00~13:00(一般の利用は10月13日10時~)
定休日 豊洲市場に準ずる

参考リンク:東京中央卸売市場
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24