今日お話したいのは、明治のスナック菓子「カール」についてだ。長くなるが、聞いてくれないだろうか?

カールは最高である。美味しい。止まらない。それにつけても誰にあげても喜ばれる。

カールのすばらしさと、たった一つの不満を、ここで語らせてほしい。

・“土産砂漠” だった関西

しばしば兵庫県の実家に帰省する私(岡田)は、カールの力におののいている。東京の人にあげる関西土産として、あまりに好評すぎるのだ。

関西……特に阪神間はお土産砂漠だ。美味しいものは山ほどあるのだが、仙台の「萩の月」や岡山の「きびだんご」、福岡の「博多通りもん」のような、有名な銘菓がない。

筆者は兵庫に帰省した際「お土産何にしよう」と悩んでは、いかりスーパーの焼き菓子本高砂屋のエコルセフロインドリーブのクッキーなど、いろいろな銘菓を試してきた。

どれも格別に美味しいのだが、渡した反応は普通。「ありがとう」に感動は含まれないし、知名度が高くないため「お土産をもらった感」も薄いようだ。


・カールが最も喜ばれる関西土産に

2017年。突如として、関東地方でのカール終売が発表された。「東京でカールは人気がなかったのかぁ」と当時、筆者は思っていた。

……のだが、そうではなかった。ある時、お土産として試しにカールを持ち帰ってみたところ「え! カール!? うれしい!! 食べたかった!」と、誰にあげても驚喜されたのだ。

正直、カール以外のお土産のほうが高いし、悩み抜いて選んでいるのに、カールの方が喜ばれる。

つまりお土産としての ”コスパ” は最高。ベストオブ関西土産である。関西土産に悩んでいるすべての人に、カールをすすめたい。

だが、だからこそ私は、カールに言いたいことがある。聞いてくれないか。



・デカすぎる

カールへの唯一の不満は、パッケージがデカすぎることだ。

スナック菓子なので当然だが、窒素が充てんされた大きな袋に入っている。たくさん買ってお土産用に配りたいのだが、5個ぐらいでスーパーの袋はパンパン。小さなスーツケースなら10個ぐらいしか入らない。

筆者は、うすあじとチーズあじを1つずつプレゼントするようにしているのだが、10個買って帰っても5件にしか配れない。お土産にカールがほしい家庭が5件で済むと、明治は思っているんだろうか? 自分用を確保するのはとうに諦めた。

お土産需要は相当あるようで、お盆期間中の関西のスーパーでは「手土産」コーナーに売っていたし、JR新大阪駅にも常に大量陳列されている。工場のある愛媛県松山市では、ふるさと納税の返礼品として大人気だという。

・明治よ、ミニサイズを出してくれ

明治は関東からの土産需要に気づいているはずだ。土産として売ると決めたからには、サイズを考えてほしい。このパッケージで、旅行者がいくつ持って帰れるか、ちゃんと検討してほしい。私は10個のカールをスーツケースで持ち帰るために、洋服をスーツケースから出して別送しているんだぞ。

つまり、ミニサイズを出してほしい。小さな袋でもいい、箱入りもいいし、個包装で1つずつ配れたりするのも最高だ。カールは開けるとすぐに湿気てしまうので、小さな包装は絶対にニーズがある。土産用にパッケージデザインを変えてもいい。箱入りならば、運搬中に割れにくくて安心だ。とにかく、小容量で売ってほしい。

単価は高くていい。むしろ今の値段が安すぎて、お土産にこれだけでは失礼では? と悩んでしまい、別のお土産を添えるぐらいだ。300円ぐらいなら全然出す。500円でも考える。



・関東でも売れるんじゃないか

そもそも、お土産としてこんなに喜ばれる商品を、関東で終売させたのが謎でしかない。なんでや。

そういえば、東京の人にプレゼントすると「チーズあじ」が喜ばれ、「うすあじ」は食べたことがない人が多いことに驚いた。阪神間ではうすあじこそ定番だからだ。

もちろん両方おいしいのだが、チーズはそもそも好き嫌いがある食材。うすあじは万人受けする味だ。決して「薄い」味ではなく、出汁が効いたうまみで、止まらないおいしさだ。

関東でもうすあじを普及させていれば、チーズが苦手な人も含むいろいろな人が手に取って、終売を免れたのではないか? と思ったりする。



ともかく、明治はカールを関東で販売再開すべきだ。その時は、うすあじをもっとPRするといいんじゃないかな。

それがムリなら、小容量版をたのむ。カールを手土産にする人々の並大抵でない努力、運搬の苦労を、明治の担当者の方々に知って欲しい。そして、小袋や小箱のニーズに気づいてほしい。

そう心から願いながら筆をおく。

執筆:岡田ゆかたん
Photo:RocketNews24