病院でしこたま湿布を処方されたのだが、貼れんのだ。
ちょいと肩というか背中というか肩甲骨のあたりというか、どうにもこうにも手が届かない場所を痛めてしまったため、ひとりで湿布が貼れんのだ。
そうつぶやいたところ、多くの人より「いい器具がある」との情報が寄せられたのだが、それらを受信する前に、すでに私は咽(むせ)び泣きながら “ソレ” をAmazonでポチっていた。
それこそが……
力強く “ひとりで湿布が貼れる!” と箱に書かれた「しっぷ貼り ひとりでペッタンコ(旭電機化成)」である。
同商品を実際に持っている知人いわく、「便利だが、せつない」とのこと。
やはり。
せつないのか……。
というか、ポチっていた時点で、すでにせつなかった。
自ら好んで独り身でいるのだが、どういうわけだか「ひとりで背中に湿布が貼れないので、ひとりでも貼れる器具を注文している独り身の自分」という状況が、どうしようもなくせつなかったのである。
──ともあれ、商品の到着は明日。
それまでの間、この湿布、どう貼ろう……と悩んでいたら、これまた別の知人より有益情報が入る。
いわく、ひとりで湿布を背中などに貼りたい時は、
シーツの上に湿布を置いて、
そこめがけて背中からダイブ。
うまく狙いを定めないとズレるから要注意とのことであるが……
これもこれでせつないっ……!
むしろこっちのほうがせつない……!
なぜこうも「独り身における背中しっぷ問題」には、せつなさがつきまとうのか……!
〜翌日〜
やたらとポジティブなパッケージのヤツが届く。
これが「せつなさ製造機」でもあるのか……。
使い方はいたって簡単。
ひらいて、
7分目くらいまで剥がした湿布を置いて、
はさんで、
残りも剥がして、
当てて、
貼る方向に動かすと……
貼れたっ……!
……って……
やっぱせつないわこれ……
いろんな意味でせつないわこれ……
物理的には、このあたりの「少しだけ貼れてない部分」があるのもせつないわ……
そこを押さえるために、この器具でパンパンやったりするのもせつないわ……
って
あれ?
けっこう届くぞ……
もしかして……
ポールダンスの技のために、できるだけ腕を柔らかくしようと、練習のたびにタオルを使って少しずつヨイショヨイショと腕の柔軟体操してたんだけど……
知らぬ間に私の腕は柔らかくなってて……
とどくやん!
バリバリ貼れるし!
パンパンも手でできちゃうし!
もうちょいで指がくっつくやん!
あと1cmくらいやん!!!!
てな感じで、せつなさを感じるどころか、むしろ「もっと練習しよう!」とポジティブな気持ちになれたのであった。
引き続き、腕の柔軟体操を続けていくぞ!
ひとりで。