「その道のプロも愛用」、これ以上の誘い文句はないだろう。美人と同じ化粧品を使ったら自分もキレイになった気がするし、有名料理人も御用達な包丁を使えば料理も上手になった気がするものだ。では、武術のプロが使うものならば……!?

先日……と言っても2年くらい前の話だが、私(沢井)はカンフー映画でおなじみの『少林寺』で、あるプロも使うというグッズを購入していた。それは湿布薬。少林寺開発で、僧侶も使うという由緒正しいヤツだ。何それ、“少林寺開発”ってあたりに興味津々。実際に買って使ってみた。

・少林寺で買った湿布薬

購入場所はもちろん、本場! 河南省・鄭州にある嵩山(すうざん)少林寺だ。参拝客という名の観光客の波をかき分けていくと、境内に『少林薬局』という名の建物が見える。

さて、少林寺と言うと武術が有名だが、彼ら全員が武僧というわけではない。少林寺は、「禅」、「武」、「医」の3つの部門に分かれているそう。薬局をつかさどるのは、「医」であろう。ちなみに、少林寺僧によると部門それぞれは、ほとんど交流がないのだとか。

薬局には、さまざまな薬が販売されている。どれもプロデュース by 少林寺であり、少林寺の歴史とともに長年の研究を経たありがた~いお薬なのだとか。そのなかでも、ひときわゴージャスな箱に、その湿布薬は入っていた。

見れば、「肩、首、腰、及び関節の痛みを緩和し、健康を促進します」とのこと。なんか効きそうだよね! 1箱8枚で100元(約1700円)と、なかなかいい値段だが、ここは国家AAAAA級観光地、人出も物価もディズニーランドにひけを取らない夢と魔法と武術の国『嵩山少林寺』だ。購入してみた。

・なんか効く気がした / ただしインドカレー臭くなる

しばらく放置していたのだが、ある日のこと、朝起きたら、腰に違和感を感じたことがあった。激しい痛みに、起き上がれない! 病院に行ったところギックリ腰ではなく、原因不明。痛み止めも効かないので、ついに少林寺湿布を出動させてみたぞ。すると……あれ、痛みがなくなったような。なんか効く気がするゥゥゥゥッ!

中国の薬は成分が強いのか、妙に効くことが多いので、本当に効いているのかもしれない。もしくは、ただの思い込みによる “プラシーボ効果” の可能性もある。たが、なんとなく効いた気がした。とりあえず、起き上がれた。だがしかし……

カレー臭いィィィィィッ! どこからともなく、アジア奥地というか、インドカレーにも似た香りがしたのだ。日本の街にあるようなカレー屋の香りではなく、ローカル度が高いヤツのニオイだ。なんかたくさんの香辛料が混じり合った複雑な香りがするゥゥゥゥッ!!

「腰痛が緩和された気がする、ただし体がとてつもなくカレー臭くなる」って、どんな交換条件だよ!? すれ違った人にギョッとされた気がしたのは、この香りのせいだろうか。しまった。

・海外にも送ってくれる?

その強烈なニオイに驚いたが、カレー臭くなるだけで痛みがマシになった気がしたなら、むしろ儲けものかもしれない。私の場合、かぶれや肌荒れもないから、まぁいっか! 使い切ったら、また欲しいなぁ~。お坊さんに、日本からも買えるのか聞いてみたところ、通販もしているそう。しかし、

少林寺僧「たぶん大丈夫ですよ。電話してみて! ただ、日本は遠いから送料が結構かかると思いますよ」

……とのことだった。なかなかのハードル高さである。実質、少林寺でしか手に入らない湿布薬。外用とはいえ、薬なので、誰にでもオススメするわけではないが、ネタ的なお土産にいいかもしれない。オマケで少林寺バッグも、もらえたぞ!

ちなみに、こちらの湿布は48時間貼りっぱなしOKらしい。そんな湿布、日本じゃ聞いたことねえ! デートや、お出かけの直前は使わない方がベターである。

★こちらもどうぞ!→シリーズ・沢井メグの「突撃少林寺」

Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.

▼中国の少林寺で

▼プロデュースby少林寺の湿布を買ってみた

▼ニオイが強烈! 香辛料が混じり合った複雑な香りがする。カレー?

▼成分を見ると、いろんな生薬が入ってるみたい

▼なんかカレーみたいなニオイがする

▼「……」

▼やっぱカレーだったわ