沖縄の八重山諸島にある離島「鳩間島」。2005年に放映されたドラマ「瑠璃の島」の舞台で、コブクロが歌う主題歌「ここにしか咲かない花」が大ヒットしたことでも有名だ。

先日石垣島に訪問した私(耕平)は、その鳩間島で作られた醤油とポン酢があるのを見つけてどんなものだろう……と、さっそく購入。いろんな食材で試してみた結果、私の中の「ここにしか咲かない花」が、パッカリ咲いてしまったくらいの絶品だった──。

・人口約50人の鳩間島産

「鳩間島」という名前を聞いたことがある人は少ないかもしれない。石垣島を中心とした八重山諸島の中でも、フェリーで行ける離島では1番面積が小さく、1平方キロメートルにも満たない。

人口も約50人と、以前訪れた同じ八重山諸島の西表島にある陸の孤島「船浮集落」と、ほぼ同じ人数だ。


私は八重山諸島を10回以上訪問しているが、鳩間島は8年前に1度行ったことがあるだけで唯一宿泊したことがない。フェリーもよく欠航になるので、なかなか辿り着くことが難しい離島でもあるのだ。

で、そんな鳩間島で作られた醤油とポン酢だが、石垣島に行った際に “八重山の台所“ と呼ばれる「JAおきなわファーマーズマーケットやえやま ゆらてぃく市場」で購入した。


別の用事で寄ったのだが店内を歩いていると、偶然見つけて買わずにいられなかった。


その名も『ウムィ醤油』『ウムわれポン酢』。お刺身はもちろん、その他の料理にもバッチリ合うという。


ちなみに『ウムィ』とは「想い」という意味らしい。ということは『ウムわれ』は「想われる」という意味なのだろうか? 「これは買うしかないだろう」ということで、速攻で手に取り購入した。


『ウムィ醤油』と『ウムわれポン酢』ともに「要冷蔵」という珍しい調味料だ。


『ウムィ醤油』のラベルの後ろ側を見てみると、「島茶屋あだなし」という鳩間島のお店が製造しているらしい。


2種類ともに内容量は150mlで、私が購入したときは『ウムィ醤油』は税込530円、『ウムわれポン酢』は税込550円だった。


・『ウムィ醤油』の実力

石垣島から帰宅した私は、人口約50人の小さな島で作られた調味料の実力を確認すべく、いろんな食材を使ってスタンダードな醤油とポン酢で食べ比べることにした。


まずは、マグロの刺身を食べてみようと思う。


今回は、みんなご存知「ヤマサさしみしょうゆ」と食べ比べてみることにした。


それでは「ヤマサさしみしょうゆ」から。


うん、食べ慣れたスタンダードな味。いきなりアルコールを飲みたくなってきたくらい、「家庭で刺身といえば、この醤油」くらいに脳が覚えている。


次に『ウムィ醤油』をつけて食べてみる。

ん?


一瞬、違いがわからなかったが、爽やかな甘さから入って、後からカツオと昆布の風味がフワッと出てくる。冷やしているからか、マグロの刺身と温度も近いので、素材との一体感も感じた。


2品目は「冷奴」で食べ比べてみる。


最初に「ヤマサさしみしょうゆ」でパクリ。


うん、冷奴でも極めてスタンダード。まさに「THE冷奴」という標準になるであろう味だ。


これを『ウムィ醤油』で食べてみると……


おぉぉ……口に入るアプローチから違う。主役の豆腐の素材を活かしつつ、ウムィ醤油の個性もバッチリ出している。すなわち、こちらの相性はバッチリ!


そして、最後の3品目は「卵かけごはん」だ。


こちらでは、市販のリーズナブルな価格で買える醤油で個人的にNo.1だと思っている、フンドーキンというメーカーが作っている「あまくておいしい醤油」を使って比較してみようと思う。


両方に適量をかけていって……


いざ、食べ比べ開始!


まずは「あまくておいしい醤油」で一口。


やはり自分史上、No.1醤油の実力はすごい。甘口しょうゆのなかでも、さらに甘い風味が卵かけご飯にバッチリ合う。これはぜひ試してほしい。


対して『ウムィ醤油』の方はというと……

なんじゃこりゃ!


卵と合わせるとコクが別格。卵の後からカツオと昆布の風味が一気にボワッとくる。マジでメチャクチャ美味い。いや、この組み合わせだけでも丼5杯は軽くいけるのではないか? と思うくらいヤミツキになりそうな味だ。


・『ウムわれポン酢』もあなどれない

それでは『ウムわれポン酢』でも、食べ比べ3本勝負と行ってみよう! 


こちらの食べ比べは先ほどと同じメーカー、ヤマサの「昆布ぽん酢」を使って比較してみる。


1品目の食材は「カレイの焼き魚」だ。


まず「昆布ぽん酢」をかけて……


口に運ぶ。


なるほど……焼き魚を食べている実感が湧き、大根おろしが欲しくなってくるような極めてノーマルな味だ。


それでは『ウムわれポン酢』で焼き魚を食べると、どんな味がするのか?


ドキドキしながら、口に運ぶと……

グッジョブ!


食べた瞬間、食材と一体になっている感じがする。「シークワーサー風味」と書いてあるが、言われなければわからないくらいのアクセントだ。先ほどの『ウムィ醤油』と同様、素材の邪魔はせず、このポン酢の個性もしっかり出ている。


2品目は「サラダ」で試してみようと思う。


ちなみに私は、ポン酢でサラダを食べたのは初めてだ。果たしてどんな味が楽しめるのか? こちらも最初にスタンダードな「昆布ぽん酢」をかけて……


バクリ!


おぉ……ポン酢って、こんなにサラダに合うんだ。普通に美味いぞ。これを今まで食べたことがなかったのは悔やまれる。今度からドレッシングじゃなくて、ポン酢にしようか? と思ったくらいだ。


一方『ウムわれポン酢』をかけてみると、どうなるのか?


口に運んでみると……


なるほど……先ほどの焼き魚より顕著に味の違いがわかる。こちらの方が濃いめだ。ゆえにサッパリ度は少し落ちる。よって、サラダなら「昆布ぽん酢」の方が相性が良いと思った。


そして、最後に食べ比べるのは「炊き込みご飯」


炊き込みご飯に、ポン酢をかけて食べるのも初めて。果たしてどんなシナジーが生まれるのか?


まずは「昆布ぽん酢」の方から。


おっ、こちらもポン酢の酸味との相性がバッチリだ。サラダに続いて予想以上に美味い。また、イケてる組み合わせを発見してしまった気がする。


それを『ウムわれポン酢』で食べてみると……

ヤバっ! なにこれ!!


これはすごい……見た目は同じだが、味は「昆布ぽん酢」の方と全くの別物。酸味はほとんど感じられないのが逆にご飯に合うのかもしれない。ほのかにシークワーサーの風味が後から来るところも個性を出している。

──ということで、今回食レポした『ウムィ醤油』と『ウムわれポン酢』は結論、メチャメチャ美味かった。

本当に食べながら、1度しか行ったことがない鳩間島の風景がフラッシュバックしてきて、私の中の「ここにしか咲かない花」が満開に咲いた瞬間を味わえたような気がする。

ちなみに、こちらの調味料はオンラインショップでも販売されているので、興味がある人はぜひとも取り寄せてみてはいかがだろうか?

参考リンク:adanashi 食堂たに 
執筆:耕平 
Photo:RocketNews24.
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