いわゆる児童館と呼ばれる場所に、私(あひるねこ)は子供の頃ほとんど行ったことがなかったのだが、娘が生まれてからは頻繫(ひんぱん)に利用するようになった。そこで驚いたのが、けっこう漫画が置いてあるということだ。

もちろん施設によって異なるんだろうが、我が家がよく行く児童館には少年漫画を中心に単行本がずらっと並んでいる。

つい先日も、小学生の男の子2人組が本棚を物色していた。

・児童館にて

3歳の娘がいつも遊んでいる乳幼児スペースとは別に、その児童館には主に小学生がゲームをしたり本を読んだりするテーブルが設けられている。先述した本棚が置いてあるのもそのエリアだ。

新しい漫画だらけかと思いきや、ワンピース、ナルト、ブリーチなど私が10代の頃から慣れ親しんでいる作品もたくさん並んでおり、児童館に行くたび「むしろ親が読みてぇ……!」と密かに心の中で叫んでいる。

ある日、たまたま娘と本棚の近くを通りかかると、小学6年生くらいだろうか? 男子2人が棚の前でキャッキャしていた。読む漫画を探しているというよりは、何となく背表紙を眺めているような感じだ。

するとそのうちの1人が、「遊戯王じゃん!」と棚から本を取り出したではないか。そう、ジャンプで連載されていたあの『遊☆戯☆王』である。



私が小学生の時に始まった漫画だが、やっぱり今の小学生も知ってるんだなぁ……。何やら感慨深い気持ちになったのも束の間、単行本の裏表紙を見た少年は、突然こう叫んだのだ。


「やっす!!」


・安い……?

その後もページをめくりながら「これ、いつ出たの?」などと話している2人。一体どういうことだ? 安いって何だ?

気になったので同じ巻を後で見てみたら、そこには本体390円、定価410円と書かれていた。これは安い……のか?


いや、安いも何も、私にとってはお馴染みすぎる価格である。今でも私の中でジャンプの単行本といったら410円のイメージだぞ。



しかし、帰宅後にジャンプコミックスの値段の変遷について改めて調べてみたところ、ようやく少年が「やっす!」と叫んだ意味が分かったのである。

先日購入した「駿河屋」の中古漫画福袋の中身を使ってご説明しよう。

・変わりゆく定価

1998年8月に発売された『遊☆戯☆王』9巻は本体390円、定価410円だったが、2010年6月に発売された『ブリーチ』45巻は本体が400円。当時は消費税が5%なので定価420円だ。


その後、2019年7月に発売された『ジョジョリオン』21巻は本体440円。消費税は8%に上がっているので、定価475円である。


2021年9月に発売された『ワンピース』100巻も変わらず本体440円だが、消費税が10%になったため定価は484円に。じわじわと値上がりしている。そういえば……


今年1月に購入した『呪術廻戦』25巻は……


本体480円、定価はなんと528円だった。めっちゃ上がっとるゥゥゥゥウウウ! そりゃあ410円って書いてあるのを見て「やっす!」って叫ぶわな。



参考までに、今から2年前、突如として先輩記者から一方的に送られてきた『男塾』の値段を見てみよう。1986年2月に発売された第1巻は……


なんと定価360円! やっす!!

・漫画にも歴史あり

令和の世の中からすると信じられない安さであるが、あの時『遊☆戯☆王』の単行本を見て驚いていた少年も、今の私と同じ気持ちだったのかもしれない。時代の流れを感じずにはいられない出来事であった。

執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.