あまりの驚きに言葉が出てこないことを「絶句」という。人間生きていれば色々とあるが、絶句するほどの驚きを得ることは稀であろう。ましてや大人になるにつれ絶句する機会も少なくなっていく。だがしかし……。

今日この日、私(サンジュン)はごくわずかな間に2度も絶句してしまった。どこからどう説明すればいいか迷うが、まずは時計の針を1日前に戻すとしよう。

・上司から頼まれごと

それは昨日、事務所でのこと。“アホの上司” こと当サイトのYoshioから頼みごとをされたことから全ては始まった。なんでも「スタバの招き猫(?)を買って来て欲しい」というのだ。


Yoshio「ねえ、うちの会社もジャンジャン儲けて給料上げたくない? みんな一生懸命働いてくれてるけど、1つだけ足りないものに気付いちゃったんだ。そう、俺たちには招き猫が足りなかったんだ。

招き猫さえあれば商売繁盛間違いなし! ヘイヘイおおきに毎度あり!! というわけで、1万円渡すから明日から販売するっていうスタバの招き猫買って来てくれない? 俺くらいのオシャレ貴族になっちゃうと、招き猫もスタバ級じゃないと響かないんだよね」


いや、自分で行けよ……そうノドまで出かけたが、上司の命令に逆らえないのがサラリーマンの悲しい性(さが)。まずはYoshioの言う「スタバの招き猫」を調べてみることにした。



・限定の招き猫

どうやらYoshioが欲しているのは、2023年12月13日から「スターバックス リザーブロースタリー東京」のみで発売する招き猫のこと。スタバと京都の島田耕園人形工房がコラボレーションし、干支や縁起物の御所人形を販売するらしい。

スタバと島田耕園人形工房のコラボは冬の定番とのことで、例年年末の発売を待ち望む声も多いんだとか。職人が手作業でひとつひとつ丁寧に制作した縁起物は、確かにご利益がありそうだ。

というわけで、発売当日。Yoshioから預かった1万円を握りしめ、中目黒の駅から徒歩でスターバックス リザーブロースタリー東京へと歩みを進める。店舗に到着したのは午前11時半頃であった。

で、確かに店内では縁起物が販売されており、店員さんによれば辰のモチーフの置物(1500円)も1つ1つ顔が違うらしい。鈴にもなる土鈴福龍(4800円)も、コロンとした非常に可愛らしいビジュアルだ。



・絶句

……が、肝心の招き猫が見当たらないのはどういうことなのだろう? というか、その前に1万円で足りるのか? Yoshioからは「釣りは取っておけ」と言われているが、そういえば金額は聞いていなかった。

そこで店員さんに「すみません、招き猫はおいくらでしょう?」と伺ったところ、私は1度目の絶句をすることになる。



店員さん「6万円です(ニッコリ)」


!!!!!!!! ……りょ、りょく万円だと……? 招き猫の正式な商品名は「JIMOTO Made+ 東山 招き猫白金」で、金箔ならぬ “プラチナ箔” で彩色された招き猫だという。毎年の登場を楽しみにしている人も多い、人気のアイテムとのことだ。

というか、Yoshioめ……何が「釣りは取っておけ」だ。5万も足りねえじゃねえか! ただプラチナ箔の招き猫は強力な御利益がありそう。いずれ私の給料も上がるかもしれないので、5万円は立て替えることにしよう。ところでその招き猫様はいずこに……?


店員さん「売り切れました(ニッコリ)」


!!!!!!!! う、売り切れだと……? え、今日発売ですよね? まだ午前中ですよね? 6万円の招き猫が瞬殺とかマジっすかーーーーーーー!!!!!!


店員さん「招き猫は10数点ご用意がございましたが、7時の開店から1時間ほどで完売しました。何名かの方は開店前からお並びいただいていたようです。ただ色は違うんですが、京都の島田耕園人形工房にも招き猫がございますので、そちらもご確認いただけると……」



・マジかよ

スタバには「6万円の招き猫」があり、それが発売から1時間ほどで完売するという事実。景気の悪さとは何なのか? P.K.サンジュン45歳、お恥ずかしながらわずか数分の間に2度も絶句してしまいました。

なお、会社には手頃な「干支置物辰金(1500円)」を購入したことをお伝えしておく。この置物の御利益で給料がガンガンあがりますように。そしてYoshioのアホが少しでも治りますように。

参照元:PR TIMES
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.
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