紅白歌合戦から超大物ゲストが発表された。なんと、世界的ロックレジェンドの「QUEEN(クイーン)」が特別企画で出場するという。90年代に青春を過ごし、洋楽バンドに憧れてバンドマンとなった私(中澤)としては胸アツだ。

そこで知り合いのガチ勢に連絡してみた。出会った時からクイーンがベストと言い続けている彼。今もクイーン関連の音源を聞きあさり、書籍を見つけては買って、もめ事があればクイーンのエピソードに例えるクイーンマニアである。そんな彼はクイーン目当てで紅白を見るのだろうか

・ジョン大根さん

「クイーンファンは先輩がいくらでもいて自分なんてまだまだですので」と、匿名を条件に意見を聞かせてくれたのは仮名・ジョン大根さん。普段、紅白歌合戦に興味のない硬派なオタクである彼は、クイーンが出場することも私の報告で知ったようである。これは久しぶりに紅白見ますか


ジョン大根「う~ん、テレビ放送は見ないかも。少なくとも、現状、『クイーンが出るから紅白を見よう!』という気にはなってないのが本音かな」


──それはなぜですか? やっぱりフレディ・マーキュリーじゃないから?


ジョン大根「いや、それは関係ないかな。確かに、フレディが死んだ時点で1回終わってる感じがするっていうのはあるけど、アダム・ランバートでも、なんならポール・ロジャースでも見たいは見たい。

ライブで見られるなら見たいんだけど、映像はいつでも見れるっていうのもあるのかな。あと、紅白の場合、演出で俺のクイーンのイメージが壊されそうなところが乗り気になれない一因なのかもしれない


──と言うと?

・演出の問題

ジョン大根「ちょっと前にKISSが出たじゃん? あの時のトラウマというか。演出が思いっきり日本のバラエティー的な感じでロックレジェンドになにさらしとんじゃって思ちゃったんだよね。もちろん、楽しめる人は楽しんで欲しいけど、俺はあの演出をあんまりおもしろいとは思わなかった」


──どういう演出なら楽しめると思いますか?


ジョン大根「そんなこと言える立場じゃないことは分かってるんだけど、ただ思ってることを正直に言うと、とりあえず『ここに立っといてください』って言われたみたいなお茶の間的演出は違うと思ってるのは確か。ブライアン・メイのライブセットのVOX AC30がちゃんと9発用意されてて欲しいけど、他の出演者も多いからそれはPA的にも厳しいのかもしれない。

ただ、NHKは本気になったらフルオーケストラを呼べるわけだから、コーラス隊を呼んで『Somebody to Love』とか『Bohemian Rhapsody』を再現するくらいやってもらいたい。というか、今それを想像したらめちゃくちゃ見たくなってきた。うおおおお! それ超見たい」

・曲予想

──実際はどの曲をやると思いますか?


ジョン大根「まあ『We Will Rock You』『We Are the Champions』『I Was Born To Love You』辺りが認知度的にも無難な気はする。『We Will Rock You』か『We Are the Champions』で他の出演者がジョインしてサビを合唱するのが、まさに俺が嫌いな紅白的演出」


──ちなみに、ジョン大根さん的にやって欲しい曲ってありますか?


ジョン大根「『You’re My Best Friend』かな。全英チャートに入った曲だし、代表曲の1つでもあるからやる可能性はあるかもしれない」


──お茶の間の認知度とか全く気にせず選ぶなら?


ジョン大根「『Friends Will Be Friends』だな。フレディの体調もダメになり始めていて、クイーン4人が揃った最後のツアーの時期の曲なんだけど、歌詞は『ずっと友達(邦題は心の絆)』という内容。これがフレディとジョン・ディーコンの共作というところも胸が熱くなる。クイーンの真の絆を感じる曲だよね」

・今年の紅白は成功するか

とのこと。今回の出場にジョン・ディーコンの参加はアナウンスされてないから、さすがに『Friends Will Be Friends』はやらないだろうが、さて紅白歌合戦ではどの曲をやるのか? なんだかんだで話が盛り上がるマニアであった。

まあ、ネガティブに聞こえる部分もあるかもしれないが、ジョン大根さんは「クイーンに関しては来てくれただけでもう十分」と最後に言っていた。

「ブライアン・メイが死ぬ前に来てくれたというだけで100点なんだけど、せっかく年末に来てくれたんだからNHK側も気合を入れて応えて欲しい」ということらしい。これはクイーンほどのロックレジェンドを呼ぶなら当然の意見とも言えるが、はたして本番はどうなるのか。紅白歌合戦が成功に終わることを祈る。

参考リンク:第74回NHK紅白歌合戦PR TIMES
執筆:中澤星児