「男なら一国一城の主を目指せ」と言うが、正直、現代社会で城を持つなんて無理ゲーである。しかしながら、私(中澤)も男なので気分だけでも味わってみたい! というわけで、城に宿泊してみることにした!!

・イギリスの古城に宿泊

今回宿泊したのは、イギリスのアランデルにある古城「アンバーリー城(Amberley Castle)」である。ロンドンからずーっと南下した田舎であるこの地方。アンバーリー駅で下車した後、分かれ道ごとに立っている看板の指示通り進むと、ホテルエントランスが見えてくる。

そこから、さらに緑のトンネルをズンズン進んでいくと、広大な芝生の中に静かにたたずむアンバーリー城が見えるはずだ。

私が到着したのは陽が落ちてからだったのだが、遠くに浮かび上がる巨大な石の城門のガチ感に鳥肌が立った。ここに泊まれるって嘘だろ? ねえ、さすがに無理だよね?


マジでした(震え声)

・チェックイン

受付に行って名前を言うと部屋に案内された。ちなみに、私が予約したのは1番安いダブルベッドの部屋。エクスペディアで1泊3万2247円だったので、2人で泊まれば1人あたり約1万6000円ほど。ちょっと高めのビジネスホテルですやん

部屋の中はもちろん近代化されているのだが、シャワーヘッドが金ピカだったり、ディテールにはそこはかとなく貴族感が漂う。部屋の広さは貴族とまではいかないが、2人で使うには十分だ。

・冒険できる

それにしても冒険心をくすぐられるホテルである。そこで、翌日城内を探検してみることに。建物の外についている石の階段を上ったり、茂みの奥を分け入ってみると、そこには小さな机と椅子が設置されていたりする。

そのため、さらに火がつく冒険心。あっちの茂みの奥には何があるのか? これがドラクエだったら、「ちいさなメダル」の1つや2つ見つけられそうな雰囲気だ


と! その時!!


何やら怪しいドアを発見

入ってきた正門の真逆の城壁にあったこのドア。このひっそり感たまらねェェェエエエ! どうやら鍵はかかっていないようだ。ドアノブを回すと、「ガチャリ」という重い音と共にドアが開く。目の前に現れたのは……


小さな教会。


石造りで赤い三角屋根の村の教会だった。ドラクエかよ! だが、教会の向こうに続く村にはさらに衝撃の光景が広がっていた。村の中を散策していると……


ドラクエかよ


ドラクエかよ!!


ドラクエかよォォォオオオ!!!!!

建物からあふれ出すドラクエオーラが半端じゃない。すれ違う農夫に「アンバーリーにようこそ!」と言われてもおかしくないレベルだ。

ここは本当にリアルの世界なのか? 知らないうちにゲームの中に吸い込まれちゃってるんじゃないだろうか? そう思ってしまうほどにファンタジーの世界である。

・城の主の気持ち

日本ではありえない非日常に浸れるこのホテル。これだけでも1泊約1万6000円は十分安いのだが、実は私が最も感動したのは夜空だった。暗くなると、宝石を散りばめたようなくっきり満点の星空となるのである。その星空を見た時、心から思った。「ここに泊まって良かった」と。

形に残せない感動がここにはある。遥か昔、城の主もこういう気分で夜空を見上げていたのではないだろうか。一国一城の主にはなかなかなれないが、その気分まで味わえた城宿泊。男なら一度やっておいて損はないかもしれないぞ。

・今回紹介した店舗の情報

店名 アンバーリー城
住所 Nr Arundel, Arundel England BN18 9LT
チェックイン 15:00~22:00

Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼アンバーリー城内部

▼中庭

イギリス 〒BN18 9LT アランデル アンバーリー