月見バーガーをテーマに勃発した「月見戦争」から束の間、今度は「グラコロ戦争」が開戦しようとしている……らしい。というのも、王者マクドナルドに先駆けて、ロッテリアが「えびグラタンバーガー」の発売を開始したからだ。

冬のロングセラー「グラコロ」より先に類似商品を販売するとは、なんという奇襲攻撃だろう? マクドナルドは2023年11月29日から「グラコロ」と「濃厚ビーフハヤシグラコロ」で反撃に出た──。

・30年選手

マクドナルドによればグラコロが発売開始となったのは1993年のこと。気付けばグラコロもキャリア30年を誇る超ベテランメニューとなっていた。「マクドナルドのグラコロ♪ グラコロ♪ グラコロ♪」のCMとかもあったなぁ。

それはさておき、「グラコロはマクドナルドの専売特許」となっていた中、反旗を翻したのがロッテリアだ。先述の通り、グラコロが発売されるおよそ2週間前に「えびグラタンバーガー」の発売を開始したのである。

ここにきて平和が崩れたのはなぜ……? もしかしたら2023年4月にロッテリアがすき家などを展開する「ゼンショーホールディングス」の100%子会社になったことも無関係ではないのかもしれない。とにもかくにも「グラコロ戦争」の火ぶたが切って落とされたのだ。

・ロッテリアもウマい

で、先に販売されていたロッテリアの「えびグラタンバーガー」を食べてみたところ、これが余裕でウマい。特徴的なのは “えび感” で、特にマイナスポイントは見当たらなかった。初登場にしてはかなり仕上げて来たと申し上げていいだろう。

そのロッテリアを迎え撃つマクドナルドは「グラコロ(420円~)」と「濃厚ビーフハヤシグラコロ(480円~)」の2商品を発売。果たしてグラコロは、ロッテリアの「えびグラタンバーガー」を凌ぐ出来になっているのだろうか?

正直な話、グラコロを食べる前は「そこまで変わらないんじゃないかな~?」と思っていたのだが、結果として個人的には「グラコロ」の方が美味しく感じた。というのも、グラコロを食べた瞬間の、


「これだよ、これ!」感


……が、ハンパなく強かったからだ。言葉にするならば “30年分の重み” とでも言おうか? 毎年1回くらいしかグラコロを食べていないが、細胞がグラコロを記憶していたとしか思えないほど、体が勝手にグラコロをウマいとジャッジしていたのだ。

・なぜかメッチャうまい

特に印象的だったのはいわゆる普通のソース。なんだかんだグラコロには中濃ソースが1番合う! ふっくらバンズとサクサクのグラタンコロッケに最も合うのは中濃ソース!! 自分でもビックリするほど舌が覚えている味であった。

逆に「濃厚ビーフハヤシグラコロ」に関してはそこまで感動しなかったため、個人的なオススメは「グラコロ」一択である。純粋なハンバーガーとして仕上がりは同等でも、グラコロの歴史が勝利したと言えるかもしれない。

なので、どちらも初めて食べるという方は「好き好き」となるハズ。えび感をお求めならロッテリアがオススメで、クリーム感をお求めならマクドナルドがオススメだ。そしてグラコロには中濃ソースが最もよく合うことを重ねてお伝えしておきたい。

とにもかくにも、今年も冬の風物詩「グラコロ」が販売開始となった。消費者として選択肢が増えることは望むところである。

参考リンク:マクドナルド
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.
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