私(耕平)は旅行に行く際に宿泊する場所の絶対条件として、「1人の空間」を最優先する。理由は同じ部屋に人がいると、寝ることができない性格だからだ。以前、入院した時も相部屋が耐えられなく、早期の退院を希望したくらいだ。ゆえにゲストハウスのような、安いけど相部屋という選択肢は基本的にない。
ところが今回、沖縄の石垣島へ旅行に行った際にホテルを予約しようとしたところ、ビックリするくらい高くなっている! そこで気が進まないながら、石垣島で初めてゲストハウスに泊まることにした。
人生で1度だけゲストハウスに泊まったことはあったものの、その時は相部屋だったこともあり良い思い出がない……ところが結果的に今までの旅行で、ベスト3に残るくらい最高な体験をすることができた! もしかしたら、もうゲストハウスにしか泊まれないかも……。
・ゲストハウスのネガティブな思い出
前述したが、かつて私はゲストハウスに1度だけ泊まったことがある。その当時、なぜ泊まったかというと予約した当日に予算内の宿が空いてなく、単純に安かったからだ。
そのとき予約した部屋は4人相部屋で、1泊3000円程度。同じ部屋に宿泊した私以外の3人は同じ20代前半くらいの若い男性のグループだった。
初めはゲストハウスの計らいで宿泊者同士で行われる飲み会、いわゆる「ゆんたく」という場があり、年齢の壁を感じさせないほど楽しかったと記憶している。
しかし「ゆんたく」も終わり、いざシャワーでも浴びて寝るか……と思っていたら、なんとシャンプーもタオルもない。
当時ゲストハウスに泊まったのは初めてだったため、シャンプーなどのアメニティやタオルを自分で用意しなければならないことを知らなかったのだ。
仕方がないのでシャワーは浴びず寝ようとすると、今度は相部屋の宿泊客の「いびき」「歯ぎしり」などが気になってしまう。
結局その日はアルコールが入っていたにもかかわらず、全く寝られなかった。その結果、次の日はボロボロになり、もう二度とゲストハウスには泊まるまい……と誓った次第だ。
・ゲストハウスの概念が…
そんな背景もあり、約7年以上はゲストハウスを敬遠していた。そこで、今回の石垣島旅行。島内にはゲストハウスが数軒あり、その中でも中心街の美崎町に近いところを選んだ。
検索から調べたのはもちろん、宿泊予約サイトやYouTubeなどでも入念に調べ、その中でも個室が空いていて、良さげなところを予約。
「この選択でしくじったら、最悪な旅になる……」と不安を抱えながら、到着したのは中心街から徒歩3分くらいの場所にあるゲストハウス『Island Honu(アイランド ホヌ)』だ。
さすがにいつも泊まっているホテルのフロントとは違うが、リゾート感ただよう良い感じのエントランス。これは期待が持てそう。
さっそくチェックインすべく、中に入ってみると……
めっちゃ、オシャレじゃん!!!
この時点で今までゲストハウスに抱いていた「寝るだけの宿」という先入観が一気に吹き飛んだ。「えっ? ゲストハウスにバーカウンターあるの?」っていう、意外性と外観のリゾート感に全く劣らない内装。この時点でテンション爆上がりだ。
そして、私が今回泊まる個室(1〜2名用)の扉を開けると……
ソファーとミニテーブル?
先ほどの共有スペースでもテーブルやカウンターがあって、パソコンなどを使う作業はそこで完結できる。
しかし、この個室では飲食も含めて1人の空間が味わうことが可能。まさに就寝などのプライベートを他人と共有したくない私みたいなタイプにはピッタリ。
奥に進むと、左側に二段ベッドがある。
中で寝転んでみると、ホテルに比べたら閉塞感は否めないが、個人的には気にならないレベルだ。
寝床にはホテルと同様、コンセントもUSBポートも完備されている。
もちろんホテルに比べたら広くはないが、1人で寝泊まりするには文句なしの設備。この時点で個人的には “勝ち確” だ。
ちなみにドミトリー(相部屋)は、男女別で各部屋4名ずつ。
相部屋といってもベッドはそれぞれ仕切られているので、ある程度のプライバシーは守られている。私が以前泊まったゲストハウスのドミトリーは、これがなかった。
・他の共有スペースも最高!
ゲストハウス内を見渡してみると、先ほどの共有スペース以外にも、もう一つ共有スペースが!
このスペースは冷蔵庫や電子レンジもあり、キッチン用具も充実しているので、食品を持ち込んでの調理も可能だ。
食器も豊富で……
調理器具も充実している。
先ほどのメインの共有スペースとは分かれているので、例えば2グループ宿泊に来ている場合、別々に「ゆんたく」を楽しむことができる。これはホテルにはない、このゲストハウスならではなのではないだろうか?
他にもトイレ、シャワー、洗面台が男女別々になっているものと、バスタブに入れる男女共有のものと分かれている。
以前私が泊まったゲストハウスとは違い、アメニティ関連も充実。
洗濯機も2台あるし……
タオルも有料だが、常備されていて……
なんと、レンタサイクルが無料で使える!
ちなみに以前だと、店内の共有スペースにあったBARは宿泊者以外でも利用できていたらしいが、私が訪問した時は休業中だった。
ただタイミングが良ければ、宿泊者にはオーナーさんが簡単な料理を振る舞って、お酒を提供してくれる場合もある。私が宿泊した時は、4泊中2泊は宿泊者とオーナーさんの知り合いの人たちと「ゆんたく」を楽しむことができた。
そのとき、たまたまオーナーさんが作ってくれたオムライスが絶品だった。
そして滞在中、いろんな宿泊者との出会いがあった。例えば世界中を飛び回るフリーランスのウェディングフォトグラファーの人や、ダイビングで年に10回ほど石垣島に訪れている人たち……。
酒を酌み交わしながら大画面で動画を見たり、楽器を弾きながら話が弾んだりと本当に楽しい。これは通常のホテル宿泊では味わえない体験だ。
・もう、ここ一択かも?
ゲストハウスの紹介は以上だが、私が予約を取った時期は11月中旬。気になるお値段はというと、この時期は個室で1泊6000円だった。
もちろん時期により、宿泊費の変動はある。ただ次回来島した時に周囲のホテルが同じくらいの値段でも、私はこの『Island Honu』を予約する可能性が高いだろう。
旅の目的はひとそれぞれだが、個人的な考えでは離島の旅行は出会いが1番だと考えている。その目的に、このゲストハウスはピッタリだった。
ちなみに、もちろんデメリットもある。それはシャワー、トイレなどの共有スペースを誰かが使用している場合は待たなくてはならないということ。ただ今回の旅で、このデメリットを上回るメリットがあると感じられた。
── そんなわけで今後の旅行の際の宿泊先に、私の中で「ゲストハウス」という選択肢が増えた。もし次に石垣島に来た時は『Island Honu』が空いていなくても、面白そうなゲストハウスがあれば、ぜひ宿泊してみたいと思う。
・今回ご紹介した施設の詳細データ
名称 Island Honu(Instagramアカウント)
住所 沖縄県石垣市石垣270-10 パールマンション1F
執筆:耕平
Photo:RocketNews24.
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