突然だが、滅多に見かけないけど大好物な野菜を紹介させてほしい。
それが「マコモダケ」。スーパーの野菜売り場にはほぼ並ばないため、筆者の場合は 道の駅を中心とした産直ショップで購入することが多い。
今年も無事にマコモダケを発見できたので、さっそく調理をしていくぜ!
・食べ物には見えないマコモダケ
こちらが購入してきたマコモダケ。
ぱっと見はただの茎で、何も知らずに渡されたら「河原に生えてる草ですか?」って聞きたくなる感じ。とても食べ物には見えないだろう。
マコモダケは漢字で「真菰筍」と書き、「マコモ」というイネ科の植物に「黒穂菌(くろぼきん)」という菌が寄生し、根本付近が肥大化したもの。旬は秋で、9~11月ぐらいまで売られていることが多い。
調理の際は固い表皮をバリバリと剥き、内側の柔らかくて白い部分を食べる。
イネ科の植物というだけあって葉っぱのフチは鋭い。
竹や笹の葉がぶ厚くなったような質感で 油断すると手を切ってしまうし、実際に切れたらめちゃくちゃ痛い。包丁やピーラーを使って なるべくフチに触れないように剥くのが吉だ。
今回は肉と一緒に炒めものにするため、薄切りにしていく。
断面には水と栄養を運ぶ維管束っぽいものがクッキリと見えて面白い。理科の勉強の教材にもいいかもしれないね。
時々断面にゴマのような黒い点が入っていることがあるのだが、これは黒穂菌の色素で食べても害はない。
ただし古くなると増えてしまい味が落ちるので、黒い点が浮かんでいるマコモダケは早めに食べるようにしよう。
・おすすめは肉料理
マコモダケにはエグみやアクがなく、タケノコとヤングコーンを足して2で割ったような味。肉の脂との相性がよいため、我が家では豚肉と一緒に炒めることが多いかな。
まずはフライパンにごま油をひいたら豚肉を軽く炒め、火を通しつつ脂を染み出させる。
薄切りにしたマコモダケを全部入れ、塩コショウを多めにかける。
5分ほど炒め、マコモダケに火が通って柔らかくなったら完成だ。とっても簡単!
食感としてはタケノコの穂先ぐらいの柔らかさに加え、ポリポリとした歯ごたえがあって心地よい。
マコモダケ自体は生でも食べられるし、茹でてマヨネーズを付けるだけ、といった食べ方が紹介されていることもある。
しかし個人的には、しっかりと火を通して味付けするのがオススメだ。
というのは、マコモダケも結局はただの植物の茎というべきか、アッサリとしていてそこまで旨みが強い食材ではない。塩、醤油、オイスターソースといった味をしっかり付けつつ、肉の脂で旨味を足す方が美味しく感じる気がするのだ。
味を吸収して何倍も旨くなるという意味では、ナスに似た立ち位置にいるかもしれないなぁ。
ポリポリ食感とクセのなさ、そして味付けを素直に反映してくれるところが大好きなんだよね。
ちなみに 後日サーモンと一緒にムニエルっぽくしてみたが、これまたサーモンとバターの旨みを吸い込んでめちゃめちゃ美味しく仕上がっていた。
やはりマコモダケは脂との相性が最高だ。
今年の旬は残るところ僅かであり、購入できる店も少ないため見かけたらラッキー。見た目の茎っぽさに惑わされず是非挑戦してみてほしい!
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]