パンガシウス──。その名を聞いてすぐにその正体を見破った方は、相当な食通、もしくは魚マニアであろう。パンガシウスとは主に東南アジアに生息する淡水魚で、簡単に言うとナマズの一種である。

白身魚のパンガシウスはクセがなく、実は白身魚のフライなどに姿を変えて日本でも相当数が流通していると聞くが、実際の味はどうなのか? 今回はコストコで販売していた生のパンガシウスを3種類の調理で食べてみたのでご紹介したい。

・コストコのパンガシウス

パンガシウスと日本の関係は意外と古い。少なくとも2014年にはイオンがパンガシウスの取り扱いを開始しており、欧米ではフィッシュ & チップスの原材料として多く流通しているという。

そのパンガシウスはコストコでも扱われている。エビやホタテなどと並び、パッと見はただの白身魚だが、やはり「パンガシウス」のネーミングは違和感アリアリ。価格は100グラムあたり198円だ。

日本でもフライなどに加工されたパンガシウスを知らぬ間に口にしている方はかなり多いと推測されるが、真正面からパンガシウスと向き合ったことがある方はさほど多くないハズ。まだ日本でパンガシウスは怪魚のポジションにあると言って差し支えあるまい。

「クセがない」「普通に白身魚」だという評判もあるが、果たして実際のところはどうなのか? 今回は「塩焼き」「煮つけ」「ムニエル」の3種類で調理して食べてみることにした。


・塩焼き

まずはシンプルに塩焼きから。結論から言えば、不味いということは全くない。ただ逆に、メチャメチャ美味しいということもない。淡水魚にありがちな泥臭さは感じなかったが、同時に旨味も感じなかった。

とはいえクセがないことは事実なので、パンガシウスは「塩焼きでも食べられなくはない」といったところだろうか。ただそのまま食べるよりは、しょう油やポン酢をかけて食べた方がいいだろう。


・煮つけ

味が付いている分、塩焼きよりは美味しく食べられた。ただし皮のついていない白身魚なので、脂のノリはほぼない。要するにかなり淡泊な魚なので、味の大部分が味付けに依存する。悪くはないが、わざわざ煮つけにする必要も感じなかった。


・ムニエル

今回調理した中ではムニエルがピカイチ。パンガシウスの淡泊さをバターが補ってくれるため、料理としての完成度は群を抜いている。さらにソースをかければ、美味しい白身魚としていただけることだろう。


要するにパンガシウスはシンプルな調理よりも、しっかりと味を加えた方が美味しく食べられる。やはり脂のノリがほぼないため、バターが加わるムニエル、油で揚げるフライなどがベストな食べ方に違いない。

また、1度素揚げして中華風、イタリア風に炒めるのもありだろう。「クセがない代わりに旨味も少ない魚」だと覚えておくと、パンガシウスの調理方法はおのずと決まってくるハズだ。

というわけで、パンガシウスは調理方法次第で美味しくいただけるので、興味がある人はぜひお試しいただきたい。最後にもう1度、パンガシウスは「クセがない代わりに旨味も少ない魚」であった。


オススメ度(☆5中): ☆☆☆(すべては調理方法次第)
また買う度(☆5中): ☆☆☆(さほど安くはないが悪くもない)
オススメシチュエーション: ムニエルは普通にイケる。パンガシウスの特性を上手く捉えたい。


参照元:コストコ公式サイトPR TIMES
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.