誰にだって “人生初” はあるもの。我々人類はこの世を去るその日まで “人生初” を繰り返していく生きものなのかもしれない。初めてって些細なことでもワクワクドキドキしちゃうよね。
さて、つい先日、コストコへ出かけたときのこと。青果コーナーで『シュガープルーン』なる商品を発見した。このシュガープルーン、実は世にも珍しい「生で食べられるプルーン」なのである。
・生では食べない
プルーンと言えば、なにはともあれ「ミキプルーン」が有名だ。公式サイトには「様々なビタミン、ミネラルを含むミキプルーン」と記載されており、最近では宇宙食に認定されたんだとか。とにかく栄養価が高いフルーツ、それがプルーンなのである。
一方で、生のプルーンを食べたことがある方はそう多くないハズ。一般的にプルーンはドライプルーンが主流であり、スーパーや八百屋で生のプルーンを見かけることは皆無に等しい。プルーンの認知度を考えれば、異例のフルーツと言えるだろう。
古代から薬として利用されたとも言われ、別名「命の果実」「ミラクルフルーツ」と呼ばれるプルーン。「目と肌と骨にいいから食べなさい」と亡くなった母がよく言っていたが、果たして生のプルーンはどんなお味なのだろうか?
・食べてみよう
で、コストコの『シュガープルーン』は青森県産で、1.2kg入り。価格は1080円であった。開けてみると中には50粒弱のプルーンが入っていたので、1粒当たりの価格は20円ちょいといったところである。
生れてこの方45年間、人生初の生プルーン。触った感じ、生のプルーンはやわらかめで、部分的にシワシワっとしたところもあった。ドキドキしながら食べてみると……え?
なんだこりゃ?
・全然違う
生プルーンの大きな特徴は2つ「甘さがかなり控えめ」であること、そして「みずみずしさがほぼない」ということだ。見た目からプラムやぶどうと同じ系統の味を想像していたが、生プラムはそのどちらとも全く違う味わいであった。
甘さに関しては「世の中にこれしか無いなら甘く感じるけど……」といった程度で、甘いものに慣れきっている現代人だと物足りなく感じるハズ。
みずみずしさに関しては「かじっても1滴も果汁が出ないほどねっとり」と言えばわかりやすいだろうか?
そうか、生のプルーンはこんな感じだったのか……。とはいえ、これはこれで学びはある。
そこで事務所にいたメンバーに生プルーンをおすそ分けしたところ……
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「なんか……想像してたとの違うね」
そう、その通り。生のプルーンは我々が想像していた味とは大きく違った。全然まずいとかではないし、食べ慣れればこれはこれで悪くは無いが「美味しさを追求して食べるフルーツではない」と感じた次第だ。
逆説的ではあるが、プルーンはドライフルーツが主流なのも、ミキプルーンのように液体になるのも「プルーンが生き残るための手段」なのだろう。百聞は一見に如かず。色々と考えさせられた人生初の生プルーンであった。
参照元:ミキプルーン 、 コストコ
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.