2023年9月13日、親子丼でお馴染みの「なか卯」が『ほろチキ親子重』の販売を開始した。ほろチキ親子重……? 商品名だけだとパッとイメージしづらいが、逆に新しいもの大好きなッ子としては惹かれるものがある。
原材料の高騰が続く中、いち早く親子丼の値下げに踏み切った「なか卯」が放つ『ほろチキ親子重』とは? もしかしたら近い将来、本格的な「ごろチキ vs ほろチキ戦争」が幕を開けるかもしれない。
・実力者、ほろチキ
その圧倒的なウマさとインパクトで、一躍牛丼チェーン界の主役に躍り出た松屋のごろごろチキンカレー。仮に全てのチェーン店の全メニューを対象に人気投票を行ったら、ごろチキはブッチギリの1位に輝くハズだ。
その「ごろチキ」と「いい勝負が出来る」と言われているのが、すき家の「ほろほろチキンカレー」である。一時はあまりの好評ぶりにデリバリー販売は中止になっていた……と、ロケニューに書いてあった。
私も実際に食べたみたが、ほろチキは確かにウマい! その後も発売されるたびに話題を呼んでいることを考えれば、現段階で「ごろチキ」のライバルになり得るのは「ほろチキ」なのだろう。
・第二のほろチキ
そして「すき家」と「なか卯」はゼンショーホールディングスが運営する姉妹店である。すき家の「ほろほろチキンカレー」と、なか卯の『ほろチキ親子重』の “ほろチキ” は、同じノウハウが生かされていると考えて間違いあるまい。
で、なか卯によると『ほろチキ親子重』は「ほろほろとほぐせるほど柔らかな骨つき鶏もも肉を、なか卯自慢のこだわり卵でとじたプレミアムな親子重です」とのこと。つまり『ほろチキ親子重』は、ほろチキを使用した親子丼の上位互換のようだ。
冒頭でもお伝えした通り、いち早く親子丼を値下げし “逆張り” を敢行したなか卯。庶民派の親子丼(450円)と、プレミアムなほろチキ親子重(690円)のツイン親子丼戦略は功を成すのだろうか?
・感心した
で、実際に『ほろチキ親子重』を食べてみたところ、私は「評価したい」と思った。ほろほろチキンカレー級のインパクトは無かったものの、それは純粋にカレーと親子丼の特性の違いであろう。
感心したのは、ほろチキを使用した親子丼は「一体感がすごい」ということ。言うまでもなくチキンが超ほろほろなので、ご飯やタマゴとの馴染み方がハンパではないのである。肉の味はするのに肉の存在を感じない斬新な親子丼だ。
逆に言えば「肉の食べ応えがない」とも言えるが、驚異の一体感はこれまでの親子丼には無かった新しい概念である。炭火の香りやゆず胡椒の味変も含めて「気合いを入れて開発した商品だな」としっかり伝わって来た。
・嵐の前の静けさ
とはいえ、今すぐ『ほろチキ親子重』がごろチキの人気を凌ぐことも無いハズ。……が、いずれは「ごろチキ派」と「ほろチキ派」に世論が真っ二つに割れかねないほど、ほろチキは高いポテンシャルを秘めているのではなかろうか?
そういう意味で、今は本格的な「ごろチキ vs ほろチキ戦争」が始まる直前……なのかもしれない。いいぞ、とことんやれ。そして美味しい商品を世の中にどんどん送り出してくれ。
というわけで、『ほろチキ親子重』は「ごろチキ vs ほろチキ戦争」を予感させる意欲作であった。真面目にほろチキはかなりポテンシャルが高いので、ごろチキ派の人にこそ1度ご賞味いただきたい。吉野家とかが「とろチキ」とかで参戦してこないかな~。
参考リンク:なか卯「ほろチキ親子重」
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.h