いまや世の中は自動販売機の戦国時代。新型コロナウイルスの影響もあり、ここ数年でその需要は伸び続けて変わり種を売るところも増えた。肉や餃子、さらには「女性35歳」まで売られるようになっている。
もう冷凍食品どころか人まで来てしまったら売るものは底尽きただろ……と思いきや、なんと熊本県で「全国に1台しかない自動販売機」を見つけた。えっ、全国に1台しかない……だと……!?
・道の駅で発見
珍しい自販機を見つけたのは、熊本県の中北部に位置する菊池郡の大津(おおづ)にある道の駅。ここは国道57号線沿いにある「阿蘇の玄関口」なのだが、「からいも(サツマイモ)」の産地としても知られている。そしてそこに設置されていたのが……
焼き芋の自動販売機だ。「焼き芋の自動販売機は全国に1台だけです」と書いてあり、なんと温かい、冷たいの両方に対応していた。これはとんでもないものを見つけてしまったぜぇと大興奮した……のだが!
よく見たら「熊本県大津町のからいも(サツマイモ)を使用した」と小さく書かれていた。……う〜ん、でしょうね。焼き芋の自動販売機は普通にあるし。とはいえ、せっかくなので自販機で買える名産の味を確かめてみよう!
・自販機の焼き芋
焼き芋といえば冬のイメージがあるが、こうして自販機で売られていると季節を問わず美味しく食べられるのはありがたい。
特徴としては「蜜があふれる甘くておいしいお芋」で、どうやら温冷などどんな食べ方をしても美味しくいただけるようだ。個人的に焼き芋は温かい方が好きだが、今の暑い時期なので冷たい方を買ってみた。お金を入れてピッとボタンを押せば……
ゴトンッ!
プラスチックの缶に入った冷たい焼き芋が出てきた。そしてその中には真空パックで密封された焼き芋が入っており、袋の周りにはいろんな文字が書かれている。なんでもこの焼き芋は新感覚のスイーツ、それから特許取得製法で加工しているらしい。味に期待できそう!
・味はどう?
それでは実食。熟成しているからだろう、イメージしていた焼き芋とは少しばかり違ってネットリしている。まずは冷たいままでいただいてみた。
フム……!
焼き芋は焼き芋なのだが、熟成の影響なのだろう。さつまいも本来の甘さが感じられて上品だ。なんというか、これまで食べた紅はるかとはまた違うような気がするのである。それでいながら味はシンプルだから食べやすい。
冬に食べるあのホクホクもいいものだが、これはこれで美味しく熟成で手間がかかっているのがよく分かる。このクオリティーの味が自販機で24時間買えるだからイイ時代になったものだと思うしかない。
んでもって、温めてももちろんウマいのが焼き芋という食べ物。軽くレンジで温めてあげれば……
当然ながら失敗しないというか、おやつ感覚で美味しく食べられた。最初見つけたときこそ珍しい感じがしたが、意外と自動販売機と焼き芋の相性っていいのかもしれないなぁ〜。そうそう、この売り上げの一部は障がいがある方の収入アップに活用されているらしい。
・全国に1台だけの自動販売機
なお、値段は500円で1袋あたり約190g。蜜芋が2〜4本入っているとのこと。熟成の手間などを考えたら個人的には安いのではないかと感じた。
焼き芋の自動販売機は数あるも、「熊本県大津町のからいも(サツマイモ)を使用した」ものは全国に1台だけ。この道の駅は「いきなりだんご」も有名なので、訪れたならばぜひ食べてみてほしい。
参考リンク:国土交通省「道の駅大津」
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.
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