今やすっかり国民食の仲間入りをした感もある我らが つけ麺。つけ麺が流行り出した当時はスープと麺を別々にしただけの “なんちゃってつけ麺” も少なくなかったが、今では専門店もかなり多い。ラーメンも好きだけど、つけ麺のインパクトも捨てがたいよね!

それはさておき、今回はまだまだ珍しい “幅広つけ麺” をご紹介したい。細麺・中太麺・極太麺……などなど、各店ともこだわりの麺で個性を演出しているが、果たして “幅広つけ麺” とはどれほどの実力なのだろうか?

・ネクストつけ麺?

まず “幅が広い麺” といえば、真っ先に思い付くのが「きしめん」であろう。パスタでも「フィットチーネ」や「タリアテッレ」も幅が広いことで知られ、埼玉県鴻巣市のB級グルメ「こうのす川幅うどん」もとんでもなく幅が広い麺である。

つけ麵店でも「幅広麺」を売りにしている店もあるにはあるが、どちらかといえばまだ “珍種” の部類に入るハズ。……が、流行るときは一気に流行るのが飲食の世界。ここは一足先に「幅広麺」を知っておいてもいいだろう。

・こういう時は有名店へ

というわけでリサーチの結果、今回は東京駅に隣接する商業施設「KITTE丸の内」にある『かね田』に訪れることにした。KITTE丸の内の地下1階には「松戸富田麺絆」「四川担々麺 阿吽」「ど・みそ」など名だたるラーメン店が集結しており『かね田』もそのうちの1つであるらしい。

『かね田』は人形町と新宿に店を構えるラーメン店「駄目な隣人」の姉妹店で、同店はフレンチからの異業種参入で一気に人気店へ登り詰めたことで知られている。世にも珍しい幅広つけ麺も『かね田』なら間違いのないものが出てくるハズだ。

というわけで、KITTE丸の内の地下1階で行列に並ぶ。この日はランチタイムであったが、どの店もかなりのお客さんで賑わっていた。結局30分ほど並んでから入店し、お目当ての「平打ちざるそば」と名物だという「A5ランク黒毛和牛ご飯」をオーダー。価格はそれぞれ1200円と550円となっている。

で、やってきたのは木製の桶に入った幅広麺。桶の中には水が入っており、麺は全粒粉なのかところどころに粒々が見える。スープは醤油ベースで、トッピングは別皿で提供されるスタイルだ。


・いざ実食

気になるお味はというと、ベロンベロンの幅広麺に醤油のスープがサラリと絡み、思ったよりもサッパリとした味わいである。ベクトル的には濃厚とは真逆のキリリとスッキリ系のつけ麺と言っていいだろう。なるほど。

その分、麺のウマさはしっかりと伝わってきたので「小麦好き」にはうってつけの麺なのかもしれない。仮にドロドロ濃厚系のスープだと味がかなり濃くなってしまうため、麺の良さを活かした設計なのではないだろうか?

また『かね田』は海苔と生卵が食べ放題なのも嬉しいポイント。さらには辛いニラで味変できるところも良かった。もちろん「A5ランク黒毛和牛ご飯」も、脂の旨味がジュワッと染み出して激ウマ! いいもん食ってるな感を存分に堪能できる。


・流行る……のかな?

とはいえ、幅広麺自体がこれから流行るかは「全然わからない」というのが正直なところだ。先述のように幅広麵はとんでもなくスープが絡みつくため、スープの味が限られてくるハズ。スープの味で個性を出しづらい麺と言えるのかもしれない。

今後、幅広つけ麺が流行するかは未知数である。……が、かね田の「平打ちざるそば」はしっかりウマいとお伝えしておこう。まあ、普通のつけ麺の方が好きだって人の方が多いと思うけどね! 知見を得るため1度召し上がってみるにはオススメだ。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 かね田
住所 東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワー B1F
時間 平日11:00~22:00 / 土日祝11:00~21:00
休日 KITTEに準ずる

参考リンク:かね田(Instagram)
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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