冷凍自販機といえば「ど冷えもん」である。非対面非接触での販売が求められたコロナ禍で、飲食店の救世主として爆発的にヒットし、現在も小売りの新しい形として定着しつつある。

そのど冷えもんを活用した飲食店が、JR新宿駅に誕生したらしい。ナニソレ、レンチンレストランみたいな感じなの? 実際に行ってみたら予想と違ったけど、面白い使い方をしていたぞ! なお、この記事は2度始まる……

・ど冷えもんを使った飲食店

ど冷えもんを使った飲食店について、私(佐藤)はニュースリリースで知った。そのリリースにはこうある。


「2023年7月1日~10月15日までの期間限定で、東京・新宿駅構内に「ど冷えもん」を活用した新たな食消費スタイル店舗を出店します」


店名を「Red.(レッドドット)」というそうだ。実に興味深い、レンチンレストランみたいにど冷えもんがズラリと並んでいて、電子レンジでセルフサービスだったら面白いだろうなあ。リリースの詳細を確認しないまま、勝手に営業形態を妄想しつつ、開店を心待ちにしていたのである。


・ど冷えもんアプリをご存じですか?

少し話は逸れるが、皆さんはど冷えもんのアプリが存在するのをご存じだろうか? 全国に設置されたど冷えもんが地図上に表示されるというものだ。それを見れば、どれだけど冷えもんが普及しているのかわかる。

その名も「ど冷えもんGO」だ! ポケモンGOかよッ!!


アプリ名へのツッコミはさておき、これで私の居住区域(東京・中野区)を表示して……。


検索をかけると、この有様。都内だけでもすさまじい数、設置されている。やったぜ、ど冷えもんゲットだぜ!


余談ついでに、先日紹介した不二家初の冷凍スイーツ自販機もど冷えもんだった。ちゃんとこのアプリ上に表示されるぞ。


・台湾料理屋だった!

話を戻そう。レッドドットの開店日は2023年7月1日。それから数日経て、お店に行くチャンスが訪れた。場所はJR新宿駅新南改札から入った構内だったな。以前、牛タン屋があった場所の跡地に入ったはず。


ここのはずなんだけど……。ど冷えもんはズラリと並んではいない。残念。私の予想は外れたか。


立て看板のメニューを見ると、ルーローハン? 台湾プリン? もしかして、台湾料理屋なの? 小さな黒板には「本日のクラフトビール」って書いてあるが……。


中に入ってメニューを見ると、バッチリ台湾料理屋じゃないか。まあ、それはそれでいいか。最近シェントゥジャン(鹹豆漿)はお気に入りなので、ここの味もたしかめてみるとしよう。


ドリンクにはスムージーと台湾茶がある。


注文は、最近導入するお店が増えているQRコードをスマホで読み取る形式。専用端末を必要としないし、聞き間違えやオーダーミスも減らせるから、お店にとっては良い仕組みだと思う。


注文したのは、ランチのAセット(サラダ付き、税込790円)、シェントゥジャンとグアバオ(刈包)の組み合わせである。


まずグアバオから食べるとしよう。マントウ(饅頭)に豚の角煮の入った、台湾式ハンバーガーである。


お店の料理はミシュランガイドで2つ星を獲得した経験を持つ、入江誠シェフがプロデュースしているそうだ。五香粉の華やかな香りをまとった角煮は柔らかく、もっちりとしたマントウと相性が良い。肉の下に隠れた高菜漬けのアクセントがよく効いており、本格的な味。さすが有名シェフがプロデュースしただけある。


シェントゥジャンはかなり優しい味に仕上がっている。これまでいくつかのお店でシェントゥジャンを食べているが、それらの中でもっとも優しいかもしれない。


駅構内にあることから、急いで食べる人のことを考慮して、優しい味付けに仕上げているのかもしれない。ラー油の刺激も軽めで、サクっと食べるのにちょうど良い。


なお、トッピングはパクチー・辛味ラー油・ネギ塩ごま油・豆腐入り・しらす(じゃこ)から選択可能。刺激を求める人は、パクチーや辛味ラー油を加えるといいかもしれない。

もちろん、モーニングでもシェントゥジャンを食べることもできるので、朝から台湾料理で元気をチャージしたい人にオススメだぞ!


~~~ 完 ~~~


完じゃない!

台湾料理にすっかり気を取られて、ど冷えもんのことを忘れてたよ。ど冷えもんは店の入り口にあるけど、お店の人はど冷えもんの「ど」の字も口にしなかった。

会計を終えて店を出ようとしたけど、さすがに入り口にあるのに無視できない。そこで、「コレ、使えるんですか?」と尋ねると、スムージーの具材の販売を自販機でやっているそうだ。

さっきメニューで見たアレか! まったく気づかなかったぞ!!


スムージーって書いてあるのには気づいたけど、その具材を自販機で売ってるとは思わないじゃない。それさ~、早く言ってよ! 危うく帰っちゃうところだったよ。


でね、利用方法は一般的な自販機と同じ。お金を入れて好きな番号を押す。今回はブルーベリー・ストロベリーのスムージー(税込400円)を購入した。


買うと、プラ容器に入った冷凍フルーツが出てくる。


これを置いてあるプラカップに入れる。


そして、美人茶・観音茶・ジャスミン茶の3種の台湾茶のいずれかで割って、ガムシロップ・杏仁シロップ・ざくろ酢シロップ、クコの実・豆花などのトッピングを加える。タピオカは専用マシンで攪(かく)はんした後に加えるそうだ。コンディメントは使い方自由なので、自分好みのアレンジができるぞ。


これ要するにセブンイレブンのスムージーと同じ仕組みなのである。好きにアレンジできるところが良いね。それから攪はんマシンが超速い! 20秒程度で混ぜ切ってしまうから、完成までアッという間だ。


これが完成したスムージー


量が少ない……。お茶の量が少なすぎたようだ。でも、台湾茶をベースにしているからか味はスッキリ! キンキンに冷えているので、猛暑の日に飲むと格別に美味いはずだ。


ちなみに、冷凍フルーツにはおみくじがついてました。中吉、やったね!


という訳で、レッドドットはオリジナルスムージーの作れるお店です。個人的にはど冷えもんの大活躍に期待してたけど、これはこれでアリかも。お店は10月15日までの期間限定なので、興味のある人は訪ねて頂きたい。今度こそ、ホントに完!


・今回訪問した店舗の情報

店名 レッドドット
住所 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-55 NEWoMan新宿 2F
時間 8:00~23:00(L.O.22:30)
営業期間 2023年7月1日~10月15日

参考リンク:PRTIMES、ど冷えもんGO(iOSAndroid
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
Screenshot:iOS(ど冷えもんGO)