2023年6月16日、アニメーション映画『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』が公開される。2018年に公開された前作「スパイダーマン:スパイダーバース」もとんでもない傑作であったが、今作はそれをも凌ぐ大傑作と申し上げていいだろう。
あまりにスゴすぎて『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』と肩を並べるアニメーション映画が思い浮かばないが、強いて言えば「となりのトトロ級の価値がある作品」と言っていいのではないだろうか?
・すべり知らずのスパイダーマン
世界的にすっかりお馴染みとなったマーベル作品の中でも「スパイダーマン」は別格の輝きを放っている。トビー・マグワイア主演のスパイダーマン3部作は言うまでもなく、トム・ホランド主演のスパイダーマンも現在のところスベリ知らず。
その間の「アメイジング・スパイダーマン」だけは盛大にすっこけたものの、2022年公開の「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」で全てを回収したので良しとしよう。とにかくスパイダーマンだけは「絶対にすべらない」「すべっちゃいけない」鉄板コンテンツなのである。
・スパイダーマンの中でも最高傑作
さて、先述の通り実写版映画だけでも数多くのタイトルが公開されてきたスパイダーマンであるが、ファンの中で傑作との呼び声が高いのが「スパイダーマン:スパイダーバース」だ。
同作は第91回アカデミー賞長編アニメ映画賞、第76回ゴールデングローブ賞アニメ映画賞、第24回クリティクス・チョイス・アワードアニメ映画賞……などなど、数多くのタイトルを受賞。それも当然と思えるほどの傑作であった。
その続編が2023年6月16日から公開される『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』で、さらに続編の「スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース」が2024年に公開されることが決定している。
・シリーズ第2弾
つまり本作はスパイダーバスシリーズの中間地点となる作品で、ある意味で物語は完結せずに終了する。イメージとしては「え! これこの後どうなっちゃうの!?」という感じで幕を閉じた「アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー」に似た終わり方と考えれば近いハズだ。
だからと言って「最後の作品が公開されたら見ればOK」などという甘っちょろい作品ではないし、ご覧になれば「そんなこと言ってる場合じゃねえ!」と納得いただけるハズ。なにせ『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は前作をも凌ぐ傑作なのだから。
で、本作も主役は「マイルス・モラレス」が務める。スパイダーバースシリーズはピーター・パーカーが主人公ではないところがポイントの1つで、前作ではまだ少年だったマイルスが、本作では大人の階段を上る様子が描かれていた。
あらすじ「ピーター・パーカー亡きあと、スパイダーマンを継承した高校生マイルス・モラレス。マルチバースを自由に行き来できるようになった世界で、彼はともに戦ったグウェン・ステイシーと再会し、別の次元へ旅立つ。そこで出会ったのは、様々なユニバースから選び抜かれたスパイダーマンたち = スパイダーピープルだった。
そしてマイルスは、かつてのスパイダーマンがみな受け入れてきた哀しき定めを知る。それはこの世界と自分の愛する人を同時には救えないということ。やがてマイルスは、それでも両方を守り抜くことを固く誓う。しかし、その決断はマルチバース全体を揺るがす史上最大の危機を招くのだった……」
ストーリーについては多くを語らないが、今作もとにかくアニメーション技術がスゴイ! 前作を見るまでは「アニメだけは日本の方がスゴイでしょ」という感情が少なからずあったが、鑑賞後は「ハリウッドが本気出したアニメやべえ」としか思えなかった。
・センス & センス
本作のアニメーションは前作をも上回っており「もしこれを大したこと無いと言ったら自分のセンスが疑われるレベル」と申し上げておこう。ストーリーから些細な表現方法に至るまで『アクロス・ザ・スパイダーバース』はセンスがいい人たちのセンスを凝縮したような作品だ。
真面目な話、作品の価値としては「となりのトトロにすら負けていない」と思っている。「となりのトトロ」を見て何か心に響くものがあるように、『アクロス・ザ・スパイダーバース』も圧倒的な何かが心に宿るハズ。アニメーション映画としては世界最高峰と断言してしまおう。
なお、一足お先に公開されたアメリカでは「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」のオープニング初日成績を超え、2023年最高記録を達成している。『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』はマジですごい作品なのだ。
とにもかくにも『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は全人類が1度は観ておくべき作品である。前作を見ていなくても楽しめるが、見ておいた方がより楽しめるので、まずは「スパイダーマン:スパイダーバース」をご覧になってみてはいかがだろうか。
参考リンク:スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース
執筆:P.K.サンジュン
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