「こっちには牛タンあるで〜〜〜めっちゃあるで〜〜〜腐るほどあるで〜〜!」


──という声なき声が和食さとから聞こえる気がする。そしてその声には、どこか勝ち誇った響きがあるような……私の考え過ぎだろうか?

そう聞かれたところで意味が分からない人もいるだろうから、状況を簡単に解説しておこう。

2023年5月29日、しゃぶしゃぶチェーン「しゃぶ葉」は牛タンメニューの販売中止を発表した。しゃぶ葉の牛タン食べ放題は当サイトでも少し前に紹介したが、それが今はやってないのだ。

なんでも「販売数が想定を大きく上回り」とのことなので、要は人気が出すぎて供給が間に合わなくなったらしい。

そのしゃぶ葉の発表から3日後の6月1日、ファミレス「和食さと」が牛タンの食べ放題をはじめた。和食さとからすれば絶好のタイミング。

しゃぶ葉の販売中止によって発生した “牛タン難民” を取り込むチャンスであるが、あまりにもタイミングが良すぎるため「和食さと絶対ウハウハだろ!」と想像してしまうのは私だけではないはずだ。

一体どれだけウハウハなのか気になったので、近くの店舗へ行ってみたところ……


え?



焼肉でも牛タン食べ放題やってるの?


まぁ牛タンといえば焼肉が普通だけど……



寿司でも牛タン!?



御膳も牛タン?


まるで入手ルートの盤石っぷりを見せつけるかのように、牛タン祭りが開催されていた。この状況、しゃぶ葉はどう見るのか?



もちろん、しゃぶ葉も和食さとも表立っては何も言わない。だけどライバル企業である以上、何も思ってないわけがない。「やられた〜」とか「してやったり!」といったことは当然ながらあるだろう。

そして牛タンに関する限り、供給の安定感では「和食さと」の方が上回っていたと(今のところ)言えるかもしれない。だがしかし……!

牛タンの味に関しては、しゃぶ葉の方が明らかに上だった。以下の画像からも、なんとなく違いが想像できるのではないだろうか。


しゃぶ葉の方が厚みがあり “しっかり牛タン” なのに対して、和食さとの方は明らかに薄い。牛タンというより、生ハムのようだ。

そのため、和食さとの方はめちゃくちゃ柔らかい。言い換えれば、牛タン特有の歯ごたえがあまりない。しゃぶしゃぶだから薄いお肉の方が食べやすいとはいえ、あまりにも薄すぎる気がするぞ。


というわけで、少なくともしゃぶしゃぶの味に関しては しゃぶ葉がぶっちぎっている。一方、和食さとが勝っているのはメニューの豊富さ。

今回私は『牛タン&国産牛食べ放題コース』にしたのだが、牛タンや国産牛だけでなく寿司やら餃子やら唐揚げやら串かつデザートやらその他色々なメニューが食べ放題に含まれていて軽くビビった。このあたりはさすがファミレスである。




なお価格に関して言うと、和食さとの『焼肉の牛タン食べ放題コース』は4609円。『しゃぶしゃぶの牛タン&国産牛食べ放題コース』は4490円で、『牛タン&牛&豚食べ放題コース』は4169円となっている。


一方、しゃぶ葉では国産牛も食べ放題の『豪華 牛たん&国産牛コース』は3849円で、『絶品 牛たんコース』は3299 円だった。


食べ放題に含まれている料理が異なるので単純に比較はできないものの、少なくとも和食さとで牛タン食べ放題を楽しもうと思ったら4000円以上は覚悟した方がいいってことになる。

これが高いのか安いのかは何とも言えない。もちろん高いと思う人だっているだろうが、和食さとの牛タンは7月上旬までの期間限定。悩んでいる間にしゃぶ葉同様 販売終了となりかねないので、気になる人は早めにどうぞ。


【追記(2023年6月6日13時30分)】和食さとは、各種牛タン食べ放題コースの販売を一時休止すると発表。理由としては、「牛タンフェアが予想を超えるご支持を頂いた為」とのこと。

1日に始まって6日に終了だなんて、いくらなんでも終わるのが早すぎるぞ……。とにかく牛タン食べ放題コースの復活を待ちたい。

参考リンク:和食さと「牛タン食べ放題コース登場」、Twitter @syabuyou_PR(しゃぶ葉公式)
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

▼和食さとの「牛タン寿司」は割としっかりと厚みがあったので、すべての牛タン商品が薄いわけではない

▼しゃぶ葉の発表