東京では桜シーズンがすっかり過ぎ去ってしまったが、実は北海道だとこれから満開を迎えるところらしい。思えば、2023年の東京の桜はいまいちだった。満開を迎えるタイミングでガッツリ雨が続いたのである。

桜はやっぱり青空が似合うよな。というわけで、花見に北海道まで行ってみたらヤバイことになったでござる

・都内は夏日

それにしても暑い。羽田空港へ行くだけで汗をかいてしまった。なんでも、本日4月20日、都内は26度を記録しているらしい。

季節を忘れた都市の乾いたアスファルト
増えすぎたセミの声で何も聞こえず
すべてが陽炎にゆらいで何も見えず
誰もいない交差点でふと振り向き
見たものは君の面影だけ

──そんな『エヴァンゲリオン』のコミックスの冒頭カラーページに書かれていた詩を思い出した。シンプルに言うと異常気象だろ。夏かよ

・旭川着

しかし、東京がこんなに暑いってことは北海道はちょうど過ごしやすい気候になっているに違いない。一応、上着も用意してるけど、パーカー1枚で大丈夫かもなあ。そんなふうに考えながら、旭川空港を出たところ……


さっっっっむ

用意していた上着を羽織っても余裕で貫通してくる寒気。それもそのはず、旭川空港の気温計は9度を指している。なんなら、雪まで降ってきたではないか

いや、いくらなんでもこれは寒すぎるだろ。そこで地域密着型ライブハウス『モスキート』でくだを巻いていた旭川在住者たちに話を聞いたところ、「旭川でも今日は特別ヤバイ」との証言が数人から得られた。

・別の国みたい

どうやら、昨日までは春めいた陽気だったのがいきなり気温が下がったそうで地元民でもビビっていた様子。そう言えば、この寒さの割にみんな春物っぽい服を着ている。こちらはこちらで異常気象なようだ。

都内では夏日、旭川では冬日。2つの異常気象が重なったことにより温度差20度以上になったわけである。夕飯に入った店のテレビでも都内の夏日のニュースが流れていたのだが、別の国のニュースを見てるような感覚に襲われた。苦笑してる人もいたくらい。

・札幌では桜が満開

当然のように、旭川では桜はまだ咲いていなかったわけだが、同じニュースで札幌の桜がもうすぐ満開という情報を知ることができた。

そこで札幌に行ったところ確かに桜が満開に近いくらい咲いている。気温もまあ花冷えという感じで持ってきた春物でしのげる程度。流れ流れた東京の桜のリベンジに札幌で成功したのであった。これこれ。春よのう

国や季節そのものが違うような体験をしたこの数日間。まるで日本列島は『ワンピース』の島みたいである。グランドラインかよ。それにしても夏、冬、春なんて、誠にあきない(秋ない)。ってなわけで、おあとがよろしいようで。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼モスキートからの流れで旭川音響派のゴッドファーザー・WATCHMAN(@WATCHMAN_JP)と花見をしました